【ミーム株】ロビンフッドとゲームストップの違いとは?

アメリカでは個人投資家による投機的な売買が再び話題となっています。

いわゆるミーム株というやつです。

ミーム株というのは、スマホで手軽に株式を買えるようになったことをきっかけに、SNSなどで話題になった特定企業に個人投資家が集中的に買いを入れる現象です。

ロビンフッドという証券アプリが使われるので、彼らのことをロビンフッターと言ったります。

今回、ロビンフッターたちの売買対象になっているのは、ネット証券のロビンフッド、半導体大手のAMD、バイオ医薬品企業ワクチンでお馴染みのモデルナです。

ロビンフッドというスマホアプリを使って、ロビンフッド株を買うというのも、ちょっとおかしな感覚ですね。

【ロビンフッド】IPO公開価格38ドル→34ドル→70ドル→56ドルと大きく推移。

【AMD】直近の2週間で急騰

【モデルナ】直近の1か月で爆騰

今年1月にはゲーム小売店のゲームストップ映画館運営のAMCなど
株価が低迷している小型株が人気を呼ぶ傾向がありました。

今回は対象が大きく変わっています。

以前のゲームストップ・AMCは、企業分析を行う投資家であれば普通は積極的には買わない銘柄です。

なぜか?

ゲームの小売店はいくらコロナ渦で巣ごもり需要が高まっても、今後継続的な成長は普通に考えて見込めそうにありません。映画館はなおさらです。どちらかというと厳しくなっていく業界です。

しかし、今回の銘柄は違います。

ロビンフッドも、AMDやモデルナも事業モデルをみると、今後成長が期待できそうな銘柄となっています。

ロビンフッドは個人投資家のすそ野をどんどんと広げていく余地がありますし、AMDの半導体は需要が高まり過ぎて供給が追いついていない状況。そしてモデルナワクチンはデルタ株の拡大でますます必要性が高まるばかりです。

ロビンフッターたちも事業モデルをしっかりとみて投資に取り組むようになったように思えます。

そうなると、今後、GAFAMやテスラなど成長が期待できる銘柄に買いが入っていくことも期待できるかもしれません。

ここで、年初のゲームストップやAMCの時期を1次ミーム期、今回のロビンフッド、AMD、モデルナの時期を2次ミーム期とした場合の違いをみていきましょう。

1次ミーム期と2次ミーム期で3つの大きな違いがあります。

①個人投資家の資金
日本では2020年の5月に一律で10万円の現金給付がありました。

アメリカでは3回実施されています。羨ましい。
これが、2020年4月、2020年12月、2021年3月の3回です。

また失業給付の上乗せもありました。

これらを資金にロビンフッターたちは株式を購入していました。今は当然この資金ブーストはありません。

②消費行動の多様性
直近はデルタ株の感染が再拡大していますが、1月期に比べると公共の場でのマスク着用が解除されたり、消費の回復傾向にみられるため、現在は1月に比べるとお金の使い道の選択肢が増えています。

人々は株ばかりを買うのではなくて、お買い物をしたり、映画を見たり、レストランで食事をするためにお金を使う必要があるのです。

③投機的取引の目的
1次ミーム期ではヘッジファンドに一泡吹かせるという目的がありました。

業績が低迷する企業に対してショートの買いを入れるヘッジファンドに損失を被らせるために、敢えてその企業の株式に集中的に買いを入れていたのです。

巨大資本への反逆ですね。そのために個人投資家が団結してヘッジファンドに戦いを挑むという構図でした。

今回の2次ミーム期では、対象となっている銘柄を見ても、単純な値上がりを狙った投資の側面が強く、お祭り感覚のノリからしっかりとした投資への変化が見られます。

まとめると・・・

ロビンフッターたちの投資の動きはより合理的になっています。しかし資金面での強力なアシストはありませんので、短期的には長くは続かないかもしれません。

しかし、

2次ミーム期の企業分析をして投資を行う成功体験は、1次期ミーム期の刹那的な体験ではなく、裏打ちのある再現性のある体験となるので、今後雇用がしっかりと回復し、経済がしっかりと回復した暁には、将来の成長が期待できる企業への投資が促進されると予想できます。

GAFAMやテスラはもちろん、次世代GAFA、それ以外の新しい世界に挑戦する優良企業への投資が、私たちにとっても再現性のある成功体験となる可能性は高いと言えるでしょう。

またお目にかかれるときを楽しみにしています。