2021/10/21(木)|マイクロンが広島に来る【レイチェルタイムズ】

【本日の株価動向】

主要3指数はまちまちの展開。好決算の発表が相次いだヘルスケア関連を中心に買いが広がりダウとS&P500は一時最高値を上回る。各社の良好な決算が株式相場を支える展開。ナスダックは前半はプラス圏で推移していたものの後半に大型ハイテク株の一部が売られ小幅安で取引を終了。

10月期の各社の決算が順調です。
S&P構成企業でこれまでに決算発表をした企業の内80%が市場予想を上回る内容となっています。また、コロナ新規感染も着実に減少しているので経済回復に期待感がもてる状況です。今後の懸念はインフレと雇用回復、原油高問題となってきそうです。

本日のレイチェルタイムズ

【本日の経済ニュース】

【1】FRBは地区連銀経済報告を公表。
【2】マイクロンテクノロジーは今後10年間で半導体メモリーの生産や研究開発に世界で1500億ドル(17兆円)を投じる計画を発表。
【3】フェイスブックが社名の変更を検討していると報じられる。
【4】ビットコインが6万6000ドル(750万円)を上回り過去最高を記録。
【5】テスラ、第3四半期の決算は記録的な収益と利益。
【6】アメリカFDA(食品医薬品局)はモデルナとジョンソン&ジョンソンのワクチンの追加接種を許可すると発表。
【7】米ペイパル、ピンタレスト買収を検討。

【1】FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。アメリカ経済は緩やかなペースで成長したとの見方を示す。

地区連銀経済報告は別名ベージュブックと呼ばれているレポートです。全米の経済情勢について説明がされているものです。消費支出、製造、金融サービス、不動産、雇用などの各項目の状況が説明されています。

なお、表紙の色がベージュ色だから"ベージュブック“と呼ばれています。

ベージュブックはFOMC(連邦公開市場委員会)の2週間前の水曜日に発表されます。次回のFOMCは11月2-3日ですね。その2週間前の10月20日(水)に発表されたということです。

今回公表されたレポートでは「控え目から緩やかな」成長率で推移との見方を示しています。全体的にサプライズはない内容。

物価の上昇(=インフレ)と雇用回復の鈍化に言及されています。

「大半の地区は著しい価格の高騰を報告した」とし、「多くの企業は販売価格を引き上げた。力強い需要を背景に、企業でコスト上昇分を顧客に転嫁する能力を高まっていることを示唆している」と説明した。

「企業からは高い離職率が報告された。転職やリタイアの背景がある」「この問題に影響した要素は、育児の問題とワクチン接種の義務化が広く指摘された」と記されていました。

【2】マイクロンテクノロジーは今後10年間で半導体メモリーの生産や研究開発に世界で1500億ドル(17兆円)を投じる計画を発表。5G、AI、人工知能など今後の需要に対応する構え。

高速通信規格5G対応のスマートフォンやクラウド向けのメモリーの生産拠点を拡大し、数万人を新たに雇用する計画です。

マイクロンはアメリカの他、広島県、台湾、シンガポールに拠点を保有しています。

マイクロンはかつて日本のエルピーダメモリーを買収したことでも知られるメモリーの大手の一つ。

10年で17兆円投資というのは過去の10年間に投資した金額の2倍になります。

マイクロンが得意とするDRAMというメモリーは韓国サムスン、SKハイニックスと競争が熾烈になっているので大型投資で競争力を高めていくのが狙いです。

ではこの巨額の投資。どこに使うのか?

マイクロンは発表していませんが、旧エルピーダの工場を引き継いだ広島工場の近くに最大8000億円を投じて新しい工場を作る計画も発表されました。

台湾TSMCに加えてマイクロンが広島に来るとなると日本としては久々に半導体の投資ラッシュです。

今は需給がひっ迫している半導体ですが、これだけ大型投資が続くと来年には余ってくるんじゃないか?という見方も実はあります。

しかし、先日のTSMCの好決算やDXの推進を背景に成長を続けるという見方も根強く、今後の動向が注目されています。私もエヌビディア株を保有しているので注視していきたいと思います。

また、別件ですが、オランダの半導体製造装置大手のASMLが好決算でした。
ASMLは最先端半導体を作るのに必要な装置をほぼ独占している会社です。7-9期の決算が純利益が64%増と好決算。ただ、10-12月期の先行きの売上高の見通しがマーケットの予想に届かずに株価は4%下落しました。

半導体市場はこれからも注目度が高いので静かに見守りましょう。

【3】フェイスブックが社名の変更を検討していると報じられる。フェイスブックは仮想空間メタバースの開発に注力する動きを示しており事業拡大に受けた動きを反映。ザッカーバーグCEOが来週にも発表する予定。

10月28日の自社イベントでの新社名発表を見込んでいると報じられています。

フェイスブックは、仮想現実空間の「メタバース」の開発に重点を置いており、事業拡大の方針を反映するものとみられています。

フェイスブックは、フェイスブックのほかにインスタグラム、ワッツアップも展開しているので絶対的なメインサービスがもはや”フェイスブックだけ”という状況ではなくなっています。

近年はサービス名がそのまま社名になるというのがトレンドでしたが、今回のフェイスブックの社名変更は新しい事業への思い入れを感じさせる出来事になりそうです。

ザッカーバーグ氏のネーミングセンスを期待しております。

【4】ビットコインが6万6000ドル(750万円)を上回り過去最高を記録。ビットコイン先物に連動のETFの取引が始まり投資家の裾野が広がる。

仮想通貨ブームが再び来ています。

ビットコインの先物に連動したETFの商品が、アメリカの規制当局(SEC)に初めて承認され、ニューヨーク証券取引所に上場したことで、投資家が増えるという期待感から価格上昇したと見られています。

ETFが買えると何が変わるか?

「仮想通貨取引所って危ないでしょ?前に全部なくなったっていう有名人もいたじゃん」

という投資家が、株式市場のETFだったら買ってみようとなるということです。

この流れが大きくなればビットコイン価格は現在最高値ですが、まだまだ上がっていきそうです。

なお、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)は今のところ全然上がっておりません。私が保有しているIOSTも上がっていってほしいものです。

【5】テスラ、第3四半期の決算は記録的な収益と利益。

売上は前年同期比で57%増。半導体不足が続く中、第3四半期の納入台数が過去最高となりました。

テスラは車体の性能はさることながら、ギガファクトリーと呼ばれる大型工場も強みのひとつとなっています。ネバダ州とカリフォルニア、中国上海が稼働しています。現在テキサスに新工場を建設中です。

脱炭素の世界動向を考えると今テスラ買っとけば少し先だけど2030年ぐらいにはえらいことになってるのかもしれないですね。

【6】アメリカFDA(食品医薬品局)はモデルナとジョンソン&ジョンソンのワクチンの追加接種を許可すると発表。

追加接種の際にはファイザー製を含む3種類の混合接種も認められています。

また、製薬大手メルクが開発した治療薬モルヌピラビルも出てきますので、2022年はコロナの状況をコントロールできる希望がでてきました。

経済回復とその後の多方面への成長も期待したいところです。ますます株式投資が面白くなっていきますからね。

【7】米ペイパル、ピンタレスト買収を検討。

ペイパルは9月にペイディの買収を発表しています。

SNSコマース、ライブコマースは日本ではそんなにですが、海外では成長している分野だそうです。SNSから直接購買行動が発生するのであれば、そのプラットフォームをおさえておくメリットはありそうです。

ただ、そもそもピンタレストはSNSとしての未来が少し不明瞭です。前回のピンタレストの決算発表の際に、世界でのユニークユーザーは順調に増えていましたが肝心のアメリカが減少傾向に転じていました。

コロナ渦で急激にユーザーが増加した反動での減少という説明でしたが、今後持続的に成長する戦略が見えてこないと厳しいような気もします。

SNSは流行り廃りが激しく、新しいサービスが出てきては消える産業なので新しいプレイヤーにも注意が必要ですね。

今後も、SNSと決済サービスの融合は目が離せません。

【今日のひとり言】

レイチェルタイムズnote版がスタートしました。今後も継続できるかな?しばらく様子をみていきたいと思いますので、お時間ゆるす限りぜひお付き合いください。

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またお目にかかれるときを楽しみにしています。