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週末の障害戦回顧(9/25,26)

この週末は、清秋ジャンプステークスを含む計2鞍の障害戦が行われました。

では、早速、レースを振り返っていくことにしましょう。

土曜 中山8R 清秋ジャンプステークス


ここは、結果的に競走中止が3頭という残念な結果になってしまいましたが、それぞれ理由がバラバラなので、最初にその話から。


まず、個人的に中心視したミラビリアは、パドックの気配からして覇気がなく、明らかに本調子を欠いていました。この見どころ解説は前日出しなのでどうしようもありませんが、もしパドックを見てから記事を出せるのなら、自信を持って蹴飛ばしていたくらい、馬のコンディションが整っていませんでしたね。

なので、競走中止の理由は、「左後肢跛行」と発表されていますが、仮に完走していたとしても、おそらくまったくいいところ無しに終わっていたことでしょう。こういうことがあると、この厩舎への信頼度が激下がりすることは避けられません。いずれにしても、この馬に関しては、偶発的に起きた競走中止事案ではないと評価しています。


一番人気に推されていたレンジストライクのほうは、ここ数走の中でパドックの気配は最もよく見えましたし、もともと脚元に爆弾を抱えている馬ですから、ある意味、不可抗力的な競走中止事案だったように思われます。

生身の動物が走る以上、どうしても避けられない事象ではありますから、競馬という競技の性格を考えれば、こちらは、ただただ残念な競走中止だったな、と。


そして、ミンナノシャチョウは残念なことになってしまいました。黒岩Jも頭部打撲で病院に搬送されたとのことですから、ちょっと心配ですね。

ちなみにこの馬の落馬は、タフな中山コースだからこそ起きた事案なんだと思います。置き障害の新潟や中京はもちろん、固定障害がある小倉とて、無事に完走するだけならそれほど難しいことではありませんが、中山コースはそれすら簡単ではないということ。不幸にも転倒して命を落としてしまったミンナノシャチョウですが、そのことをあらためて学ばせてもらったと、この馬の頑張りには、心から敬意を表したいと思っています。


さて、本題のレースのほうですが、先行馬が揃っていたわりにあまりガチャガチャとした展開にはならず、結果的に、逃げ馬と番手でついて行った馬の着順が入れ替わっただけという、中山コースらしい結果になりました。

勝ったベイビーステップは、予想どおり外からゴリゴリと積極的なレースを仕掛けていって、最後はいっぱいいっぱいになりながらも見事に勝ち切りました。もう少しメイショウギガースを楽に逃がしていたら、おそらく捕まえ切れなかったはずですから、これはもう伴Jの大ファインプレーというほかありません。

それにしても、ここ最近の伴Jの存在感は、ひと際光っていますね。決してスマートに乗るジョッキーじゃないですけど、泥臭く乗ってちゃんと結果を出してくるところなんかは、まさにプロの仕事。馬券を買う側の立場にいる人に、「それで負けたら仕方ない」という納得感を与えられるのは、ジョッキーという仕事の性格上、とても素晴らしいこと。成績が伸びずに苦労している若手・中堅ジョッキーにも、是非ともこの姿勢を見習ってほしいなと思います。


2着のメイショウギガースは、前半にかなり楽をできた分、最後までしっかりと脚を残せた印象です。それでも、ベイビーステップの早めの仕掛けにしっかりと抵抗できていましたから、内容的には、高く評価できる2着だったと思います。

3着ブラゾンダムールは、上位入線馬の中で唯一、後方から鋭い脚を使って差してきました。レース序盤に西谷誠Jがつくった無駄なコースロスがなければ、もしかすると差し届いていた可能性すらあったと思うので、その点は非常にもったいなかったな、と。いわゆるムラ馬ではありますけど、レースの流れに乗れれば、いつでもこれくらいの脚は使える。そこは、ちゃんと覚えておきたいですね。


4着マイサンシャインは、最低限の格好はつけてきましたけど、感覚的にはだいぶ期待はずれだったな、と。平沢Jの道中の立ち回りも完璧でしたし、それでいて、伸びずバテずの大きく離された4着というのは、やっぱりもの足りないですね。タイプ的に、もっとペースが落ち着いたほうがよかったというのはあるかもしれませんけど、それにしても、でした……。

5着レオビヨンドは、まあこのあたりが妥当な着順かな、と。キャリアを積んでもなかなか飛越が上達してこない中で、前走は平沢Jがうまく乗りすぎたきらいもありましたから、普通のパフォーマンスだと、まあ今回くらいがいいところなんじゃないでしょうか。小坂Jも、悪くない立ち回りはできていましたからね。

日曜 中京1R 未勝利


ここは、中団でうまく流れに乗ったフィードバックが、タイミング良く抜け出して快勝。想定以上の馬場悪化もなんのその、力通りの走りを走りを見せてくれましたね。

この馬に関しては、時計的にも内容的にも、ほぼ想定どおりの走りだったので、普通に走って普通に好走してきたな、という総括で、もう十分かなと思います。


2着のテイエムクロムシャも、シンプルによく走っていると思います。やはり、フィードバックとはまったく差の走りができましたし、勝ちに行った分、最後は差されましたけど、この馬なりにいいレースはできたのではないでしょうか。

3着キーパンチは、馬場悪化と中京替わりで前進してきました。時計が掛かった分、最後はいい脚で詰めてきましたけど、これだけの好条件を得てここまでとなると、やはり今後も勝ち切れないレースが続きそうな気がします。


4着プレスティージオは、番手から競馬ができたのは一応の収穫でしょう。ただ、気性的にやはりハナが理想でしょうから、今回は、理想の形にならなかったなりに、なんとか格好をつけてきた。そんな評価になりますね。

5着ヨコスカダンディーは、勝負どころから馬群を縫ってイイ感じで上がってきたように見えましたけど、やはりこの競馬ではダメなんですよ。決め手がない分、追い比べになったら、圧倒的に不利ですからね。今年に入ってからというもの、小野寺Jは確実に技術的な進歩を見せていますけど、作戦面ではまだまだ。もう少し、馬のキャラクターを意識して乗れるようになると、成績が急上昇してきそうな気配もあるだけに、ちょっともったいないな、と。

6着テイエムディランは……。う~ん、西谷Jは、何を考えたらあんなコース取りになるんでしょうかね。前半、あんなに内を開けて走っていたくせに、最後の直線はイン狙い? いや~、ゴメンナサイ、やっぱりどうしても僕には理解できません。はっきり書きますが、今回はジョッキーで負けた。そのひと言でいいと思います。

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