第167回 天皇賞(春)のみどころ
週末の日曜日には、GⅠ天皇賞(春)が京都競馬場で行われます。
週末は天気が微妙で、日曜日の朝方にかけてまとまった雨が降る予報(金曜日時点)となっていますので、基本は道悪からの乾きかけの馬場でレースが行われる公算が高い。そう見ています。
今週は金曜日出しの記事となるため、馬場読みの精度は普段よりも落ちますが、今の京都の馬場なら、極端な道悪にまではならないという想定でいいのかな、と。
では、早速、レースの見どころについて、解説していくことにしましょう。
日曜 京都11R 天皇賞(春)
今年のこのレースのポイントは、やはり舞台が京都に戻ることによる適性面と、序盤の前の並びがどうなるかの展開面、加えて雨の影響で馬場状態がどこまで悪化し、トラックバイアスにどのような変化が起こるのか、このあたりとなりそうです。
力関係的には、「阪神大賞典組 vs. 日経賞組」というシンプルな構図となっていると考えていいでしょう。
阪神大賞典の上位馬と日経賞を圧勝したタイトルホルダーとの争いに、日経賞で思わぬ惨敗を喫したアスクビクターモアがどこまで巻き返してくるのか。ポイントはそこだけなのかな、と。
個人的には、阪神大賞典の上位3頭とタイトルホルダーが馬券圏内を争う公算が高いとは思いつつも、展開面や京都適性の部分で一定程度紛れる余地も残されている。そんな認識を持ち合わせているところです。
加えて、阪神大賞典は序盤でラチ沿いの位置を走っていた馬が1,2,4、6着。一列外を走っていた馬が3,5着というところを、どの程度補正するのかという点。
さらには、日経賞当日に4つあった芝のレースで、すべてが逃げ切り勝ちだったことをどの程度補正すべきと考えるのかという点、この2点についても、およそ無視できない論点にはなってくる気がしています。
そうすると、力関係の評価をベースとしつつ、そこに展開面をどう読むのかによって、結果的に成否が大きく分かれてくるのかな、と。
具体的には、アフリカンゴールドが徹底先行策に出る前提で考えた時に、タイトルホルダーがスンナリと2番手に収まると考えるのか、それとも坂井瑠Jに乗り替わるアイアンバローズや、そろそろ本調子を取り戻していそうなディアスティマあたりがそうはさせじとタイトルホルダーにプレッシャーをかけに行くと考えるのか。
このあたりの考え方次第で、結論も大きく違ってくるのではないでしょうか。
ということで、ここは⑫ブレークアップを中心視することにします。
この馬は、重賞勝ちは東京コースですけど、適性は間違いなく中山と阪神にあって、京都にもそれと遜色ないくらいの適性を有している。そんな気がするのですよね。
少し時計がかかる馬場になりそうな点もいいにはいいのですけれど、それ以上に「自分の競馬を貫けばいい」という気楽な立場にいて、他の馬の動きに幻惑される心配もないことが、前走での上位2頭との着差を埋めるのに大きく貢献してくれるに違いない。そう考えての推しとなります。
2番手は、①ジャスティンパレス。
こちらは絶好に枠を引けましたし、鞍上もルメールJなら、仮に前がガチャガチャとしていても泰然自若としてレースを進められるでしょうから、自ら崩れる心配は少ないのかな、と。
抜けて強いという印象こそないものの、枠の利を生かせれば昨秋の菊花賞組最先着が色濃く現実味を帯びてくる。そんなふうに考えています。
3番手は、⑬ボルドグフーシュ。
こちらは、川田Jのエスコート次第で結果の振れ幅はかなり大きくなりそうですけど、ハマれば勝ち切れる位置にいることは間違いないと言っていいでしょう。
適性面で言えば、どちらかと言うと阪神向きの馬ではありますが、坂の下りを利用して一気に進出できる京都コースがダメというタイプにも見えませんので、不器用な面が大きなロスにならないで済むようなら、この馬も上位争いに絡んでくる一頭にはなるのかな、と。
最後4番手に、⑪ディアスティマを拾っておきます。
どうでしょう、伏兵陣の中で京都へのコース替わりを最も歓迎しているのはこの馬なのではないでしょか。
確かに展開面は微妙ですが、今のこの馬なら差す形でも力は出し切れそうですので、最後のひと枠はこの馬の一発をケアするために使おうと思います。北村友Jにとっては2年越しのリベンジマッチとなりますので、ジョッキーのただならぬ集中力がプラスに出そうな予感も漂いますし……。
その他、タイトルホルダーは、やはり京都コースがどうなのか。前走で中山でも強いことは証明できましたけど、京都でも同じように走れるのかという点にどうしても疑問が残るのですよね。いずれにしても、阪神で行われた昨年のこのレースの残像は頭の中から消したほうがいいと思いますし、もしも今年の条件でも勝ち切れるようなら、素直に「ゴメンナサイ」しかありませんので、ここは割り切ってスパッと消すことにします。
アスクビクターモアは、さすがに前走が負け過ぎ。鞍上強化で怖さが出てきたのは確かですけど、それでもこのパターンの馬の一変に賭けるという選択はあり得ないですね、少なくとも私の中には。
ディープボンドは、京都よりも阪神向きですし、文字通り理想的な展開となった前走が案外の結果でしたから、こちらは大崩れせずに走ってくるとは思いますけど、馬券圏内には届かないと見て評価は控え目としました。
シルヴァーソニックは、別路線組という形にはなりますが、昨年の阪神大賞典のレースぶりを思い浮かべてみれば、仮にそこから少し力をつけていたとしてもここではまだ足りない。そう考えています。
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