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2023_中山新春ジャンプSのみどころ

さて、2023年の障害戦も、いよいよ明日土曜日からスタート。

昨年は、複数の馬が落馬競走中止となっていて、今年も正月競馬ならではのドキドキ感はありますが、まずは全馬、全ジョッキー無事に……を大前提としつつ、白熱したレースが繰り広げられることを期待したいですね。

では早速、レースの見どころを解説していくことにしましょう。

中山8R 中山新春ジャンプステークス


まずは各馬の力の比較からとなりますが、基本的には「平場のオープンでは大将級だけど、重賞ではまだちょっと通用しない」という馬たちの集まりになっていて、大枠としてはほぼ例年と同じくらいのメンバーレベルになったと考えていいでしょう。

ただし、序盤のレース展開、各馬の飛越の安定感、最後に待ち構える蟻地獄のような重いダート……と、それこそ「紛れる要素がてんこ盛り」状態ですから、すべてが事前の想定どおりに行くとはとても思えない……。今年はレース前から、そんなやや不穏な雰囲気が漂っている感じがしないでもありません。


このレースで最初にポイントになるのは、前々でスムーズに流れに乗りたい馬たちが、序盤でどんな隊列になるのかということ。

サンティーニとテリオスルイはハナに行けるのが理想ですし、ギガバッケンとヤマノグリッターズも好位でスンナリと流れに乗りたいクチですから、まずは先頭列とその後ろがどのような並びになるのか、そこがレース序盤最大の注目点になるのでしょう。

その他にも、石神J騎乗のヤマニンマヒアがどこまで序盤から位置を取りに行くのかや、前走で引っ掛かって暴走したシャンボールナイトが今回は馬群の中で我慢できるのかなど、言い出したらキリがないくらい展開が紛れる要素がふんだんにまぶされていますしね。


次に問題になるのは、各馬の飛越ではないでしょうか。

まともに走ったら勝ち負けは必至と思えるジェミニキングは、ここ2走続けて落馬していますし、サンティーニとギガバッケンの2頭も、中山の最終障害に危なっかしいところを残しているので、落馬に至るかどうかはともかくとしても、一定の確率で大きな飛越ミスが起こり、そこで紛れが生じる可能性については、あらかじめ心づもりをしておいたほうがいいのかな、と。


そして最後は、今の中山の蟻地獄のように重いダートで、スタミナ切れを起こしてパッタリと止まる馬が本当に出てこないのか、というところ。

平場のレースを観ていてもわかるとおり、どのレースもゴール前はバテ合いの我慢比べとなっていますので、これが障害戦になると、余計にゴール前でパッタリが起こりやすくなるのかな、と。

勝負どころでセーフティーリードがあれば話は別ですけど、混戦状態のまま最後の直線に突入するような形になると、場合によっては、そこから二転三転があるのかもしれない。ヒシヒシとそんな予感もしてきます。


こうやって考えていくと、ここは紛れる要素があまりに多すぎて、あれもこれもはさすがにケアしきれませんから、「ウィークポイントが露呈したらしょうがない」というくらいの割り切りを持って、シミュレーションを組んでいくほか手段はないのかな、と。

新年最初の障害戦なので、なんとかしたい気持ちはやまやまですが、だからといって崩れなさそうな馬を中心視し、それで安直に結果が出るのかといえば、おそらくそうはならないのでしょうし……。


ということで、中心には、⑧ギガバッケンを推します。

この馬の前走は、最終障害で減速して一旦後退する苦しい形となりながら、最後の直線で驚異の盛り返しを見せるといった非常に内容の濃いレース内容でしたから、混戦になればなるほど、この馬のしぶとさと伴Jの腕力が生きてくると思うのですよね。

課題は、前段でも指摘したように最終障害をスムーズにクリアできるか、ですが、前走はそれこそ止まってしまうくらいの減速ぶりでしたから、それに比べれば少しはマシに飛んできてくれるのではないか、と。

もしもその程度のロスで済むようであれば、最後の直線でのバテ合いで浮上してくるであろうという確かな感触があるので、最後はこの馬のしぶとさに賭けてみようと決断しました。


2番手は、③フィードバック

この馬は、昨年の3着馬ですし、前がゴチャっとして、後ろがバラける展開になりそうなここは、草野Jのコース取りの甘さが致命傷になることはないのではないかと思うのですよね。

前の馬たちがけん制し合ってペースが上がらないと厳しいですけど、ここは道中でいろいろありそうな組み合わせではあるので、最後の重いダートのところで、一気の差し脚を披露してきてもおかしくはない。そんなふうに考えてみました。


3番手は、①サンティーニ

こちらは、スンナリとした流れに持ち込めるようなら勝ち切るシーンまで想像できるのですけれど、どうしてもギガバッケンとの干渉は避けられない位置での競馬になるはずなので、削られての着外もあり得るのかな、と。

さらに最終障害の飛越は、ギガバッケン以上に不安でしかたがないので、最終的には、このあたりの位置でお茶を濁すのが妥当だろうという判断に落ち着きました。


4番手は、⑦アノ

この馬は、東京の未勝利戦でサンティーニに先着しているように、最後の直線がダートなら、追い比べで必ずひと脚使える馬ですからね。

2走前は、道中で動いた分、チグハグなレースになって勝ったサンティーニに離されましたけど、それでも着差は1秒6しかありませんでしたから、「前がやり合ってスタミナ切れを起こしたところを、後ろでジッとしていたこの馬が最後の最後に大外から強襲する」みたいなレースの形も、絵面としては十分に想像できる。そう判断しました。


その他、まとも走れば一番強いのだろうと目されるジェミニキングですが、ここ2走の落馬が決して偶発的なものではなく、雑な飛越が重なった中で発生した必然性の高いアクシデントであったと考えられるので、今回も力を出し切れる公算は低いと判断し、割り切って消すことにしました。

また、人気の一角に推されそうなダイシンクローバーは、中山コースも問題なくこなせる馬ではあるので、ここも大崩れはないと思うのですけれどね。ただ、楽な相手にしっかりと勝ち切るというタイプの馬でもありませんし、重いダートでの最後の追い比べが吉と出るようにも思えませんから、またしても最後の詰めを欠いて掲示板の真ん中から下のほう止まり。そう決め打つことにしました。

テリオスルイは、前走で本場の固定障害をこなしましたから、ここもノーチャンスではないと思うのですが、前受けする馬たちに騎乗するジョッキーの面子を考えると、おそらく楽な競馬はさせてもらえないような気はします。最後の重いダートでの追い比べにも不安は残りますし、ちょっと今回は推せる材料に乏しいのかな、と。ここで負けて、次走の小倉で巻き返すほうが、むしろこの馬らしい気もしますし……。


そんなこんな、中山新春ジャンプステークスも例年どおり超難解なレースとなりました。

日曜日の未勝利戦も含め、希望として必ずどちらかひとつはヒットさせたいところなんですけど、正直、客観的に見ると、2連敗も覚悟しないといけないメンバー構成ではあるのですよね。

ただまあ、あんまり目先のレースばかりに気を取られていてもいけませんから、例えばですけど、「テリオスルイが、次の小倉戦ではたしてどんなレースをするのだろうか」みたいなことを想像しながら、明日のレースを観戦するくらいの心の余裕も大事。そんな気もしています。

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