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週末の障害戦回顧(3/12,13)

いや~、阪神スプリングジャンプは非常に見ごたえのあるレースとなりましたね。馬券を買っていなくても、ジャンプレースファンなら誰しもが興奮するレース。そんな素晴らしい戦いになりました。

一方、日曜日に中山まで行われた未勝利戦は……

では早速、各レースを振り返っていくことにしましょう。


土曜 阪神8R 阪神スプリングジャンプ


西谷誠ワールド全開!

ひとことで言えば、そんなレースだったと思います。大出遅れ、道中の強引なマクリ、最終障害の着地失敗……。そのすべてが西谷誠Jらしく、それでいて結果を伴ってしまったところが、競馬の奥深さと言えるでしょう。

レース前からエイシンクリックのポテンシャルの高さを見抜けていた私からしても、この強引な競馬をして勝ってしまうとは、さすがに想像していませんでしたから……。


余談ですけど、個人的には、この令和の時代にヒシアマゾンみたいな競馬をする馬が現れるとは、夢にも思わなかったですね。昔と比べて、ジョッキーのレベルが上がり、そして馬のレベルも格段に進歩を遂げる中、一年ぶりのレースであんな強引な競馬をして、それでいながら一線級の馬たちをなぎ倒してしまうとは、、、

「THE 破天荒」。レースを観戦し終えて、エイシンクリックと西谷誠Jを率直に評するとすれば、もはやこの言葉以外は見つかりませんね。


さて、ここから本題に入っていくことにします。

勝ったエイシンクリックは、問答無用の強さでしたから、これはもう、中山グランドジャンプ本番でも、有力馬の一頭に名乗りを上げたと言っていいように思います。

ただ、こんなタイプの馬ですから、もう一度、本番で同じレースができるとは限らないところが難しい。最終障害の着地ミスに関しても、新潟の未勝利戦で落馬した時とまったく同じミスを鞍上が犯しているわけで、今回はたまたま馬の体勢が大きくは崩れず落ちなかったですけど、本番の大障害コースで今回と同じことをやれば、十中八九落馬することが目に見えているわけですし、、、

う~ん、この馬の取捨は、GⅠ本番に向けて準備しておくべき大きな課題となってきそうですね。


2着レオビヨンドは、非常に収穫の多いレースになったと思います。

まず何より、高田Jとの相性が良いとわかったことが大きいですね。さすがに平沢Jと同じ、とまでは言えないですけど、ズブいところのあるこの馬を高田Jはしっかりと動かせていましたから、この感じなら、中山グランドジャンプでコンビ継続となった場合も、大いに期待できるんじゃないかと見ました。

安定感という意味で言えば、明らかにエイシンクリックよりも信頼度は高いですからね。


3着オジュウチョウサンは、今の自分の力はしっかりと出し切れた。そう評価しています。同じ負けるにしても、飛越や折り合い面はほぼ完ぺきと言える内容でしたから、昨年の今頃よりも、体調面がしっかりしていることは確かなのでしょう。

ただ逆説的にはなりますけど、それでいて最後に脚が上がってしまったところを見ると、そこはもう、年齢的な衰えという言葉でしか説明できません。

いかに斤量面で不利だったとはいえ、今回の走りが今のこの馬の限界。そう考えていいのではないでしょうか。あとは、本番で経験値の高さを生かして巻き返せるのかどうか、注目はその一点ですね。


4着ビーオールアイズは、折り合って上手なレースができていましたけど、まだこのレベルでは勝負にならないという感じでしたね。

この感じだと、本番では完全に敵失待ち。現段階の評価では、掲示板候補の一頭くらいの位置になりそうです。


5着タガノエスプレッソは、暮れの中山大障害の時よりも馬の気配は良かったと思いますし、この距離で序盤にムダ脚を使わされる展開となった割には、最後まで踏ん張っているという見方もできるでしょう。今回のレースの組み立てだと、一昨年の絶好調時でもどうだったか、という感じもありましたから……。

ただ、「それにしても負け過ぎ」という評価もまた、間違ってはいないように思います。この内容からすると、やはり年齢的な衰えは否めないと考えたほうがいいのでしょうから、本番での一気の巻き返しまでは厳しいのかもしれないですね。

そんな中でも、今度は弱者の競馬に徹することにより、ギリギリ馬券圏内のチャンスはわずかに残っている。そんな気がしないでもありませんが、、、


6着ベイビーステップは、終始後続にプレッシャーをかけられる厳しい展開の中では、よく粘っているほうだと思います。もし今回、エイシンクリックの存在がなかったらはたしてどうだったか、というくらいの走りは見せられましたから。

この感じだと、この馬はどこかで重賞を勝てそうな気もしますね。展開面に注文はつきますが、この手のタイプはいきなり結果を出すことが多いですから、その点には、特に注意が必要だと思います。伴J、ここは着外に敗れてしまいましたけど、レース内容的には、今週もグッドジョブでした。


7着フリーフリッカーは、レースの流れに乗り損ねた部分がありましたけど、現状は一線級で通用するほどの力はまだない。そんな結果でしたね。


日曜 中山4R 未勝利


ここは、やはり実質2頭立てのレースでしたね。

ゴール前での攻防が、事前に描いていた未来予想図のとおりになったこと、その中でもバルンストックの伴Jが、最後まであきらめない渾身の騎乗で、スタンドのファンをどよめかせたこと。みどころらしいみどころは、この2つだけだったかな、と。


勝ったレオアルティメットは、この形なら持ち前のしぶとさを生かせますから、並んだらどこまで行っても抜かせないというこの馬らしい競馬ができたと思います。時計も大幅に詰めてきましたし、この馬なりにほぼ満点に近い走りができた。そう言っていいのではないでしょうか。

2着のバルンストックは、さらにレースぶりで良化していましたし、最後に競り負けたのは、併せた相手が悪かっただけでしょう。この馬自身、よく走っていると思いますし、本場の競馬にも不安は感じさせませんでしたから、少頭数での2着でも、収穫の大きいレースになった気がします。


3着以下の各馬は、、、う~ん、どんぐりの背比べになってしまった印象ですね。

その中で、ここが初障害戦だったルレーヴドゥリリにとって、収穫の多いレースになったはと言えそうですが、その他の3頭に関しては、特段新しい発見があったわけでもなく、「シンプルに走ってシンプルに大敗した」という評価でいいように思います。

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