チャンピオンズカップの回顧


競馬って、本当に面白い!!

結果は、昨年のこのレースの1~4着馬が、今年も1~4着を独占。1着馬と4着馬の着順が入れ替わったことはあったにしても、想像を超える好配当になりました。

このレース、自分の力でちゃんと予想して馬券を買った競馬ファンは、馬券の種別はともかくとして、おそらく普通に的中したんじゃないかと思うんですよね。

別に奇をてらったわけでもなく、普通に予想してシンプルに馬券を買ったら、結果、好配当馬券が的中しちゃった、みたいなケース。そうそう、こういう成功体験を積み重ねていくことで、予想力というのは、少しずつ向上していくのだと思います。


一方の僕はというと、積極策を選択すると読んだモズアスコットが前に行けなかったことで、完全に展開の読みを外しているのですよね。

超ハイペース想定で、前が消耗しかけたタイミングでクリンチャーが一気に仕掛けるレースをイメージしていたのですが、実際は、道中で緩むところがない地力勝負に。その結果、当然の如くクリンチャーは見せ場なしのレースに終わったわけですが、クリンチャーに期待していた役割を、前々の位置でインティが担ってくれたことによって、チュウワウィザードとゴールドドリームの2頭は、ほぼ事前の読み通りのレースができた、みたいな…。

つまり、ボーリングで言うところの"裏"ですよね。全然狙い通りじゃないのに、結果オーライ。「俺はついてない」という人が圧倒的に多い競馬の世界だけど、いやいやどうして、こんなラッキーパンチが当たることだって、当然あるんです。

的中した時は、それがラッキーパンチでしかないことに、自分ではなかなか気付けなかったりするもの。そこを冷静に自己分析できるかどうかも、予想力向上のための、非常に重要なポイントになるのでしょう。


さて、ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、ここからいよいよ本題のレース回顧をしていくことにしましょう。


勝ったチュウワウィザードは、終始、クリソベリルをマークする形でレースを進めていきました。道中の手応えはあまり芳しくないようにも見えましたが、それは、昨年の春、平安Sを勝った時と似たような感じ。おっつけ通しでも、終いしっかりと伸びてくるのが、この馬の最大の長所ですね。

戸崎Jの追い出しのタイミングも、実に見事でした。瞬時に反応できないクリソベリルのウィークポイントを、完全に見透かしたかような一気の出し抜きが、完璧なタイミングで決まったと思います。ここまですべてがうまく噛み合えば、この快勝劇も、ある意味、当然の結果だと言っていいのではないでしょうか。


2着のゴールドドリームは、しっかりと現状の力を出し切る見事な走りだったと思います。ゴール前で、しっかりとインティを交わし切ったところなんかは、さすがのひと言でした。

ただ、今回は内枠の利を生かし切った感もありますし、さすがに全盛期の力は望めない現状でもあるので、次走も好勝負必至とまでは言えません。枠順や相手関係をしっかりと精査した上で、最終判断を下すことになりますから、その点は注意しておきたいポイントだと思います。


3着のインティは、ちょうど1年ぶりに力を出し切るレースができました。好走できた要因は、馬のコンディションが上がっていたこともありますが、モズアスコットとヨシオに挟まれた難しい枠から、大きなロスなく番手を取り切った武Jの手腕によるところが大きかったと思います。

非力で決して万能とは言えない武Jですが、インティのように、行きっぷりはいいけど難しさがあるというタイプの馬との相性は抜群。勝ち切るところまではいきませんでしたが、見事なエスコートだったと言えるでしょう。


断然の一番人気に推されたクリソベリルが4着。パドックの気配を見る限り、追い切り後の調整が功を奏した感じはありましたが、やはり完調にはひと息の状態だったと思います。それでも、外枠の不利を最小限にとどめた川田Jの手腕は見事でしたし、チュウワウィザードに出し抜けを喰らった後も、ジリジリと盛り返すように伸びていた馬のほうも、さすがのパフォーマンスだったと思います。

また、昨年のこのレースを勝っているとは言え、器用な脚を使えない分、決して中京との相性がいいとも思えないのですよね。つまり、今回の敗戦は、いろいろと不利な条件が重なってのもので、決して力負けではないということ。コンディションさえ普通の状態に戻れば、次走、即巻き返しと考えるべきでしょう。


6着カフェファラオは、ルメールJが完璧に乗ってもこの着順でした。やはり、あまりに人気が過剰だったと思います。今回に関しては、決して力負けではなく、状態面にもの足りなさを残していたことが、第一義的な敗因であると考えるべきではないでしょか。

気になるのは、単に馬の状態が元に戻っていないだけなのか、それとも馬に成長がないのか、そのどちらなのかということ。適性面から言えば、フェブラリーSで巻き返してくる可能性が高いとも言えるわけですが、もし早熟タイプだったとすると、またしても人気を裏切る結果になってしまう可能性が高いということもできます。そこのところをどう判断するか、競馬ファンの眼力が試されているような気がしますね。


11着クリンチャーは、直線で進路が塞がりましたが、スムーズに捌いてきたとしても、おそらく6着くらいまでだったでしょう。

このレースのように、道中、ペースダウンする場面がないと、この馬の長所は生かされません。つまり、今回は三浦Jがどう乗っても、上位進出は難しかったということ。この馬の特長が生かせるような流れになれば、一線級相手に通用するシーンがあっていいのではないでしょうか。


簡単に総括すると、このトリッキーなコースで、1~4着馬が2年連続で同じ顔触れになるということは、上位4頭の能力が抜けている証しであるとも言えます。

現ダート界では、このコースが苦手で出走を回避したオメガパフュームを加えた5頭が、完全に抜きんでた存在であることを改めて示す結果になったと言えるのかもしれませんね。

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