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週末の平地レース回顧(9/12,13)


今週から、秋競馬がスタート。夏場を休養に充てていた馬たちも、続々と戦線に復帰してきましたね。今日は、週末に紹介した注目レースのほか、何頭かの馬について簡単にメモしておこうと思います。


土曜日中京1R 2歳未勝利戦


インフィナイトの能力を測る意味で注目していたベルヴォーグですが、結果は一番人気で5着と、期待を裏切る形になってしまいました。

馬体が12kg増えていて、若干、パドックの気配が地味に映ったのは事実ですが、道中のポジショニングも絶好でしたし、「本当に、それで伸びないの?」という感じで、一瞬、肩透かしを喰らったような感覚に陥りました。一応、掲示板は確保したとはいえ、明らかに詰めが甘いシゲルセンムにも先着を許していますから、これは『完敗』という以外、形容のしようがない敗戦だったと思います。

この結果を踏まえると、インフィナイトのポテンシャルを過大評価している可能性も考えられるため、改めてインフィナイト組の次走の結果を振り返っておく必要が出てきたわけですが、実は、当時離された3着以下だった馬でも、それほど次走の成績は悪くないのですよね。

まず、当時3着だったトーセンメラニーと4着だったバライロノキセキは、ともに次走で3着。さらに8着だったルースは札幌に転戦して見事に勝ち上がっていますし、9着だったニシノソメイノも見せ場十分の3着と健闘しています。

この結果を見る限り、インフィナイト組がハイレベルだったとまでは言えないものの、レースレベルが低かったということはさすがにないでしょう。そうすると、やはり今回のベルヴォーグの負け方は実に不可解にも映りますから、厩舎やジョッキーからどんなコメントが出てくるのかにも注目しておく必要がありそうです。


土曜日中山8R 1勝クラス


ここは初ダートとなったトランスナショナルが、まさに一変の走りを見せてきました。ゴール前での余裕のある脚色もそうですが、1コーナーで大きく外に振られる不利があった中での勝利も立派で、この馬のダート適性の高さをまざまざと見せつけてくれる格好となりましたね。

この内容なら、昇級しても即通用の印象が強いですし、日曜の中京8Rを勝ったハギノリュクスともども、ダート界の新星としてこれから大活躍してくれることを期待したいところです。

ちなみにこの馬、同じジャスタウェイ産駒ということもあってか、馬のシルエットがダノンザキッドに少し似ているのですよね。だとすると、ダノンザキッドは、もしかしてダートでも相当に強いのかも…。なんて、ついついそんな妄想をしてしまいました(笑)


土曜日中山9R アスター賞


ここは、人気のドゥラモンドが、出遅れて大外を回らされる大味な競馬を強いられながらも、最後まで止まらずしっかりと勝ち切ってきましたね。馬体面も確実に良化していましたし、開幕週の馬場を大外ひとマクリで勝ち切るのは、そう簡単にできる芸当ではありません。

したがって、当初の僕の想定よりもスケールが大きい馬であることは間違いなさそうで、若干の軌道修正が必要だなとは感じました。ただ、このレースのメンバーレベルはかなり低かったですから、ただちにクラシック候補というのはちょっと言い過ぎの感もあります。まあ今日のところは、さらに相手が強くなる次走のレースぶりに要注目というくらいにしておいて、あえて断定的な評価をしないでおこうと思います。


土曜日中山11R 紫苑ステークス


ここは、レースぶりに注目していたラヴユーライヴが、まさかの出遅れ。開幕週の馬場を味方につけることができずに、12着完敗という結果になりました。パドックではなんとか落ち着きを保てていたものの、やはり-18kgの馬体は細く映りましたから、札幌→栗東→中山の輸送を含む中2週のローテーションは、この馬にはやや厳しすぎたということになるのでしょう。

致命傷となった出遅れも、ゲートの中でキョロキョロして落ち着きを欠いていた分、ゲートが開いてもすぐに対応できなかったものでしたから、やはり、フィジカル、メンタルの両面で力を出し切れる状態ではなかったと見るのが正しいのかなと思います。まあこの敗戦で、秋華賞の目はほぼ完全に無くなりましたから、今後は馬の体調重視でレースをセレクトして行ってもらいたいところですね。


日曜日中京10R ムーンライトハンデキャップ


一応、このレースの勝ち馬、アドマイヤビルゴにも少しだけ触れておこうと思います。ご存知の方も多いと思いますが、この馬、圧倒的な一番人気に推されていた前走の京都新聞杯を勝っていれば、おそらくダービーでも上位人気に推されたであろう素質馬なんですよね。

3勝クラスのここを、休み明け、かつ外々を回る横綱相撲で勝ち切ったのは掛け値なしに立派。このレースを快勝したことで、おそらく菊花賞の秘密兵器的な立場を確立したことにはなるのでしょう。たしかに、3勝クラスで勝ち負けできる3歳男馬は、菊花賞で勝ち負けできる可能性が十分という過去のデータもありますから、当然、要注目の一頭ということにはなるのだと思います。

ただ個人的な感覚では、この馬がGⅠで勝ち負けする姿があまり想像できないのですよね。

これは、データとは明らかに乖離した独自の見解なのですが、長年、馬を見続けてきた者の直感というか何と言うか、どんなに具体的なデータを突き付けられても譲れない感覚みたいな…。もちろんこうした見立てが外れることも往々にしてあるのですけれど、でもこういった自分ならでは感覚というものを、ずっと大事にしていくことが大切かななんて思ったりもしています。

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