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第24回 新潟JSのみどころ

明日は、新潟ジャンプステークスが行われます。

この週末はジャンプレースがひと鞍しか組まれていませんから、なんとか的を射たみどころ解説ができるといいのですが……。

では、早速、レースのみどころを解説していくことにしましょう。

新潟8R 新潟ジャンプステークス


このレースの主たるポイントは、例年、「新潟適性」というスパイスをどれくらい利かせて予想を組み立てるか、なのですが、今年に関しては、どうやらそれだけでは足りないようですね。

そうなんです、これだけ乗り替わりのオンパレードになると、この乗り替わりの分をどこまでレースシミュレーションに反映させるべきか、この点を慎重に判断しないといけないというわけ。

ただでさえ、実績馬と上がり馬の間に大きな力差が存在しない組み合わせなのに、「新潟適性」と「乗り替わり」という2つの要素を上手に組み込まないといけないのですから、「今年も、なかなかに難しいレースになっちゃったなあ~」というのが、正直な感想でしょうか。


このレースの構図を単純化して言えば、東京ジャンプステークス上位組に対して、他の路線から来た馬たちがどこまでやれるか、という形になっていると見ていいのでしょう。

ただし、その東京ジャンプステークス組が抜けて強いというほどのレベルではありませんでしたから、東京JS組を偏重するのはかなり危険ですし、さらに前走の着順を額面通りに評価するのもいかがなものか。そんな印象が強いので、最後は、自らの引き出しの中にあるものを信じ、レースシミュレーションを組み立てて行くしかないのでしょうね。


また、展開面をどう読むかも難しい……。東京JSで前に行ったケイティクレバーとホッコーメヴィウスがここも先行策を取るのでしょうが、今回はブリンカーを着用して以降、行きっぷりが別馬のように変わったザメイダンに、前走で早めの仕掛けが功を奏したトワイライトタイムもいます。

なので、少なくとも簡単に「行った行った」が成立するとも思えないのですが、その一方で、後続の仕掛けどころをどう読むかも微妙なので、そこのさじ加減も非常に難しいな、と。

う~ん、同じメンバーで10回やったら、馬券圏内3頭の組み合わせは、おそらく10通りになるような気がするのですよね。いや~、ホント、困りましたね。


ということで、ここはどこから入るべきか相当に悩みましたが、さまざまな要素を総合的に判断して、①アサクサゲンキを推すことにしました。

その根拠ですが、まずは単純なポテンシャル比較で、この馬が最上位であること。今の障害界において、昨年のイルミネーションJS組が頭一つ抜けていることはこの研究所で何度も説明してきましたが、そこで後のGⅠ好走馬に先着を果たしたのがこの馬。ならば、この重賞のメンバーに入っても、能力的にヒケを取らないことは明らかなのですよね。

そしてもうひとつの重要な要素は、石神Jへの乗り替わり。この馬は、長らく熊沢Jが主戦を務めてきたわけですが、手が合うのは、もっとソロっと乗るタイプのジョッキー。その意味で、昨年の牛若丸JSでコンビを組んだ森一馬との相性が抜群だったのは、言ってみれば、必然のことだったのかもしれません。

ということはつまり、当たりの柔らかい石神Jへの乗り替わりによって、この馬のパフォーマンスが一気に上がる可能性が極めて高いということ。ならば、口を割って行きたがって大敗を喫した前走はノーカウントでいいですし、相手関係を吟味しても、太刀打ちできないような相手はいませんから、シンプルにこの馬を中心視すればいいのかな、と。

あえて不安点を挙げるとすれば、ズバリコース適性。まあ正直、新潟適性の部分だけは大きな課題で、その分を割り引いても足りると判断しましたが、さて、どうなりますか。


2番手には、⑫ゼノヴァース

なにはさておき、東京JSで最も強い競馬をしたのはこの馬ですし、敗因も最終障害で大きくスピードダウンしたこととはっきりしていますから、大きなアクシデントもなく普通に走れさえすれば、今回は涼しい顔をして巻き返してくる。そう考えています。

しかもこの馬は、本場の固定障害よりも、ローカルの置き障害が得意なタイプ。その点、新潟へのコース替わりも大歓迎ですから。


3番手には、⑧ザメイダン

この馬は、2走前にブリンカーを着用して一変したわけですが、その前々走が新潟で好時計勝ちですし、何より、レースぶりにまだまだ余裕がありましたから、もしあの走りを再現できるようなら、ここでも再度勝ち負けを期待できるのかな、と。

3番手としたのは、ここが長期の休み明けになる点と、展開面をいくらか割り引いたため。そう理解してください。


4番手は、④マリオ

この馬は、オープン昇級後の3戦とも、脚を余して負けているのですよね。もともと切れる脚がないので、不利を受けやすいタイプの馬ではありますし、ここも突き抜けるまでのイメージは持ちづらいですけど、勝負どころから自分で仕掛けて行くようなレースができると、このメンバーが相手でも、十分に馬券圏内までありうる。そう考えてのこの位置となります。


上位はここまで。

③ヴァーダイトは、いかにも新潟コースが合いそうなイメージですし、この馬の将来性を考えたら怖い位置にいる一頭にはなりますが、斤量が増えての速い時計の決着に一抹の不安を感じた分だけ、今回はあえて評価を一枚下げることとしました。

⑤ホッコーメヴィウスは、重賞を勝つ力があることを認めた上で、コース実績はあっても本質的に新潟向きではないこと、ここは展開面で厳しいレースになりそうなこと、その2点を理由に消すこととしました。

⑨ケイティクレバーも、タイプ的に新潟がベストとは言い難いですし、展開面も微妙。さらに、鞍上も北沢Jに乗り替わるとなると、前半から積極的に行き過ぎて最後に失速。そんな絵面を描いて消しましたが、さて、どうなりますか。

⑩ワーウルフはここでも力は足りますし、新潟も得意でチャンスはありますが、西谷誠Jに手が戻るのは、どうしたって大きなマイナスでしょう。小野寺Jの連続騎乗なら、狙い目も十分だったのですけど、、、

⑪ニューツーリズムにも、チャンスはありそうですね。ただ、ちょっと難しいところのある馬なので、乗り替わりはいくらかマイナスでしょう。馬のタイプ的には、伴Jと手が合いそうなんですけど、やっぱり小野寺Jの連続騎乗のほうが、期待度はやや上だったかな、と。

⑬トワイライトタイムは、力的にギリギリ足りるかどうかという位置にいると思うんですよね。そうなると、新潟適性の分で選外にはじき出されちゃう。そんな判断となります。「小野寺Jがなぜこの馬?」ってところは、ちょっとだけ気になりますけど。

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