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第68回 東京大賞典の回顧

皆さま、新年あけましておめでとうございます!

本年も「本気の競馬力向上研究所」をお引き立てのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、当研究所ではいくつか昨年のやり残しがあったので、少し時間が経過してしまって恐縮ですが、ひとまず今年一発目の投稿は、東京大賞典の回顧からスタートすることにしましょう。


2022_12/29 大井 東京大賞典


このレースのラップ構成は、12.4- 12.1- 12.8- 13.4- 12.8- 11.9- 11.7- 12.7- 12.4- 12.8。

序盤は、押してハナを奪い切ったショウナンナデシコが、うまいことマイペースを落とすことに成功しましたが、その先、前日に行われたホープフルSのように淡々とレースが進むことはありませんでした。

向正面でリンゾウチャネルが外から動いたことに呼応して、残り千m地点でペースアップ。そのことにより、先行各馬は早めのペースアップを強いられることとなったため、結果的には、勝負どころで動かずに脚を溜めていた3頭が上位を独占するという非常にわかりやすい競馬になりましたね。

ただし、馬場状態が違うので単純な比較はできませんが、6月の帝王賞よりも大幅に時計が掛かっていることを見ても、レース全体のレベルとしては、かなり低調だったなという印象も残りました。


勝ったウシュバテソーロは、「このメンバーなら差し切れるだろう」という相手関係の中で、見事にレース展開まで向いたのですから、「そりゃあ勝ち切って当然でしょ」というレースになりました。

この馬自身は、いつもよりも序盤で位置を取りに行った分、終いの弾け方にやや鋭さを欠いた印象もありましたけど、それも重箱の隅をつつくような話でしかなく、内容的にはひとまず完勝という評価で問題なし。そう考えています。


2着ノットゥルノは、序盤の位置取りが完璧だったこと、勝負どころで動けないポジションにいたことでむしろ逆にうまく脚を溜められたこと、大井コースに高い適性を有すること、調子が近走よりも上向いていたこと……などの合わせ技による好走と評価しています。

現状の武Jの手腕だと、昨年のダービーを勝ったドウデュースもそうでしたけど、勝手に展開がハマってくれない限り基本的に好走は望めませんから、その意味では、今回はすべてがうまく行った結果としての2着。個人的にはそう理解しています。


3着メイショウハリオは、確かに絶好調にはない印象を受けるデキではありましたが、大枠としては力負けでしょう。帝王賞の時は、偶然の産物が重なって完璧な捌きができましたけど、元来、不器用なこの馬の負け方としては、非常に想像しやすい絵面だったのかな、と。

レース後のジョッキーのコメントでは、向正面でレースが動いたことを敗因のひとつに挙げていたようですが、実際のところは、外から被せられて意図せずハミを取ったのは一瞬で、むしろ外の各馬の動きを利用してうまくレースを進められていたほどでしたから、あんまりコメントを真に受けないほうがいいと個人的には考えています。


4着サンライズホープは、リンゾウチャネルが向正面で外から被せに来たことによって、想定よりも早めに動き出さなければいけなくなったのが厳しかったな、と。

それでもこの着差ですから、思いどおりのレースにならなかった中では頑張っているほうと言えるでしょう。ただこの馬の場合、気性的な問題を抱えている分、「ひと呼吸待ってから追い出す」という戦法が使えませんから、ちょっと意地悪に言えば、その弱点を露呈しただけとも言えるのですがね。


5着ライトウォーリアは、ゲートからの出脚が鈍く、インの苦しい位置に押し込められてしまったのが非常に痛かったですね。

レースの形としては、惨敗してもおかしくはなかったと思うのですが、最後は外に出して盛り返す脚を見せていましたから、もしもスンナリと前に行けていれば……と考えると、ちょっと悔しい敗戦になってしまったんじゃないか、と。


6着ショウナンナデシコは、後続馬から早めにプレッシャーをかけられる苦しい展開になってしまった割には、よく頑張っているほうと言えるのかもしれません。ただ、昨春の一番いい時のデキになかったのも、おそらく間違いないのだろうと思いますけど……。

7着ラッキードリームは、レースの形としては悪くありませんでしたし、もう少し動けるかなと思っていたのですがね。一応、これでも地方馬の中では2番目の着順ですから、こちらの狙いが大きくズレていたとは思わないですけど、それでもちょっと買い被ったところがあったのは事実なので、そこは真摯に反省しないといけません。



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