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週末の障害戦回顧(1/14,15)

この週末は、小倉で3鞍の未勝利戦が行われました。

レースレベルが低かったこともあってか、初障害馬が大車輪の活躍。「初障害馬はいないもの」として扱う私としては、正直、未勝利戦引退の時がいよいよ近いのか……という非常に複雑な気持ちになりました。

こちらの思いを素直に言葉にしてしまえば、私たち一般の競馬ファンが、障害試験の映像すら観ることができない現在の環境の中で、初障害馬のポテンシャルをいったいどうやって正しく評価すればいいのか、という話なんですよね。


ファンの眼には見えないところで鍛錬を積んでいた馬が、いきなりレースで結果を出して馬券の対象になる。私には、これが健全な競馬だとは到底思えないのですけれど、皆さんはどうお考えになるでしょうか?

この状況が今後も続くようであれば、「未勝利戦撤退」は現実的な選択肢になってくるのだろうと考えていますが、もしかすると一過性の出来事で終わる話かもしれませんので、しばらくは状況の推移をそっと見守ることにしたい。そう今は考えています。


では、早速、この週末に行われた各レースを振り返っていくことにしましょう。


土曜 小倉4R 未勝利


ここは、初障害馬のゴールドフレームが、センスのいいレースぶりで見事に完勝。

水分を含んだ馬場の分を考えれば、時計面もほぼ及第点でしょうから、これは先々楽しみな馬が現れたな……という評価でいいように思います。


2着のテイエムナイスランは、経験馬最先着ですから、中心視していたこちらとしても、大いに納得の結果となりました。

案の上、無理をしなければ飛越は安定していましたし、勝負に行った最終障害はちょっと危なかったですけど、あそこでリスクを負わないのは勝負師ではありませんから、「伴Jがキッチリ乗ってくれてのこの結果」と見ていいのではないでしょうか。


3着アスタースウィングは、想像以上に西谷Jがうまく乗ってきた印象もありましたので、まずは彼にゴメンナサイですね。

それでも離された3着までだったのは、やはりこの馬のベストが阪神コースであることを、逆説的に裏付けたということになるのでしょう。


4着ドンシャークは、一段ずつ階段を上っている印象ですし、次の5Rだったら、机上の計算では勝っていたことになりますので、過度な評価はできませんけど、次あたり、ちょっと警戒しないといけない水域までは入ってきた。そんな印象を持ちました。

5着ロンギングバースは、ハナを切るレースで見せ場はつくりましたけど、テイエムナイスランの徹底マークに遭う形では厳しかったですね。それでも、前走よりはレースぶり、体調とも格段に前進していましたので、中身のあるレースはできたのかな、と。

6着バレッティは、そもそもレースに参加できませんでした。力はある馬だけに、ちょっともったいないですね。

7着ブレイニーランは、頼みの綱であった小倉コースでこの走りしかできないとなると、いよいよお先真っ暗感が増幅しちゃったな、と。


土曜 小倉5R 未勝利


ここは、初障害馬のワンツーフィニッシュで、勝ち時計も4Rと比べて2.7秒も遅い決着となりましたので、事前の想定どおり、かなりの低レベルレースであったと評価すべきでしょう。

勝ったホッコーハナミチは、決して道中をロスなく運べたわけではなかったですし、レースぶり自体も、初障害馬らしいギクシャクとした走りでしたから、ここは相手関係の貧弱さとこの馬の平地力でギリギリ勝ち切った。そう評価するのが妥当な気がしています。

ただしこういう馬は、次走以降、さらなる上積みを見せてくるのが常ですので、勝ち時計が遅いからと言って、「オープンじゃ無理!」と現時点で断じるのは、やや早計かなとも思いますね。


2着ライブリスマイルは、まさにビックリ仰天の走りを見せてきました。ここが初障害、平地力に乏しく、馬体も明らかに太目残り……という中での好走ですから、よっぽど障害センスが高いのでしょう。

3着ダンツキタイは、これでも経験馬最先着ではありますから、まずはこちらの期待に応える走りはしてくれたと思っています。走破時計も、だいたい想定に近いところでは走れていますので、「力は出し切ってのこの結果」と考えるのが自然でしょう。

4着モーニングアヤメは、馬体減り、道悪と悪条件が重なった中では、よく走っているほうだと思います。

5着シングンジョーイは、なかなか折り合いがつかず、力を出し切れなかったですね。パドックでテンションが上がっていたわけでもないのに、これだけ道中で行きたがったとなると、次走以降も安定して走れるのかどうか、やや雲行きが怪しくなってきたのは事実でしょう。

6着メイショウキョウジは、レースセンスにみどころはあるものの、やはり最後のひと押しが足りない印象でした。小倉で終いの踏ん張りが増すかと思いましたけど、結局は今までとほとんど一緒だったな、と。

8着フェブキラナは、見せ場はつくってきましたけど、勝ち負けに持ち込むところまでは足りず……。少しずつ良くなっているのは間違いありませんが、あとふた押しくらいないと、勝ち負けまではしばらく難しいのかもしれません。


日曜 小倉4R 未勝利


いや~、ここは「未勝利を脱出するシーンはもうないのではないか」と一度は思われたスリーケイエヌが勝ち切りましたね。

「競走生活でワンチャンス」というくらいの超絶低レベルレースにぶつけて、それを見事にモノにしてしまったのですから、この馬は「持ってる」ということでいいのでしょう。

こちらの想定タイムよりもコンマ7秒速く走れたのは、ハナに行って切れ味不足を補った分。それがなければ、勝ち切れなかった計算になるわけですから、「北沢Jの好判断あっての勝利」という言い方もできそうです。


2着スマートルミエールは、好位で脚を溜める競馬を選択して上昇を見せてきましたね。まあ、「この組み合わせだから好走できた」という面は否めませんけど、この馬なりにやれることはやれた。そんな印象ではありました。

3着イロゴトシは、ここを使って次はさらに良くなりそうなレースぶりでしたから、走破時計は遅いですけど、この先まだまだ時計は詰まってくるという理解でいいように思います。

4着カサデガは、最後に失速しましたが、初障害としては及第点以上のレースができていたのではないでしょうか。この感じなら、次走で相手が強化されても、ソコソコ走れそうなイメージは湧いてきますね。


そして、中心視したデザートスターは5着。

う~ん、最終障害で左に身体をひねるアクロバットな飛越が飛び出してしまいましたね。あれがなければ……というレース内容ではありましたけど、そんな悪癖があることをよく理解した上で、この馬を推したこちらサイドからすれば、このアクシデントは仕方がなかったのだと、一応、あきらめはつきます。

まあ、あそこまで行っていただけに、悔しいは悔しいですけどね。

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