見出し画像

第66回 有馬記念の見どころ

今週末、いよいよ今年も年末の風物詩「有馬記念」が開催されます。

競馬と近い距離に身を置いていると、一年がとても短く感じられるものですが、歳を重ねるとともに、そのスピードはどんどんと増してゆくばかり。あと何回、有馬記念のレースを自分の眼で観られるのか、と逆算し始めたここ数年は、自分の中で、このレースの意味合いが少しずつ変化してきていることを、少なからず感じてしまう今日この頃だったりします。

予想のあたりはずれも、もちろん大事なポイントではあるんですけど、なにより大人がワクワクするようなレースが観られさえすれば、もうそれで満足、みたいな……。


そしてその視座から今年の有馬記念を俯瞰してみると、実にワクワク感が満載なんですよねえ~。っていうか、ワクワク感しかないって言ったほうが、より正確かもしれません。

今年は、とりたててレースレベルが高いとは思わないのですけれど、むしろそのことによりジョッキーの乗り方次第では、アッと驚くようなものも含め多種多様な結末が用意されている。そんな気がしてならないのです。


もしかしたら、1991年の「ダイユウサクだ、ダイユウサクだ!」が、あれから30年が経過した今年、「内からアサマノイタズラ、なんとなんとアサマノイタズラだ!」に塗り替えられるかもしれないし、、、


1992年の「おっと突き放しているメジロパーマー!」が、「粘る粘るパンサラッサ!」に置き換わるかもしれない。


あくまでもこれは私の勝手な妄想に過ぎませんが、このような淡い妄想さえも、何%かの確率では現実のものとなる可能性があると真剣に考えていますし、反対に終わってみれば力通りだったよね……となる可能性も十分。その意味では、結果の振れ幅が非常に大きい、予想がとってもとっても難しいレースになったとは言えるのでしょうね。


唯一、おそらく予感が当たっちゃうんだろうなと思っているのは、レースが終わって結果を突きつけられてから、「××騎手の乗り方がああだった、いやこうだった……」と、したり顔でジョッキー批判に精を出す自称競馬評論家がわんさと出現して、SNSがヒドく荒れるだろうということくらい。

まあまあ真の競馬ファンなら、信用するならする、しないならしないと決めて、結果がうまく行かなくても、後出しじゃんけん的に理不尽な批判を繰り返すようなことはないはずですし、もちろんこの研究所でも、リスクを先読みした上で、どの馬と心中するのかを判断することになります。

エッ、いったい誰のことを指してそんな話をしているのか、って???
それは、後ほど解説していくことになりますから、焦らずもう少々お待ちくださいませ。


冗談はさておき、それくらい今年の有馬記念は、ジョッキーの仕掛けどころが結果を大きく左右するレースになると思いますし、もしそこの読みを間違ったら、馬券はかすりもしなくて当たり前。なので、「こういう展開になって、勝負どころは○○だ!」と一度決めたなら、それを信じて馬券を買うのが最も賢い方法なんじゃないでしょうか。

いつもこの研究所では、「バラバラ買ったって、当たらないものは当たらない」と、まるで小姑のように口酸っぱく言っているわけですが、このレースに関しては、いつもにも増して声を大にそう叫んでおきたい。そう思っています(笑)。


そうそう、土曜日には中山大障害も組まれているので、有馬記念の見どころ解説記事は、木曜日出しにすることにしました。

トラックバイアスに急激な変化があったら嫌ですけど、今年はそれ以上にパドックのほうが気になりますから、ならば、記事の前日出しも木曜出しも大差はないでしょうし……。

では、だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、いよいよここから、レースの見どころを解説していくことにしましょう。

日曜 中山11R 第66回 有馬記念


今年の有馬記念は、個性派ぞろいのメンバー構成になっていて、その中で、飛び抜けて強いというほどの馬もいない組み合わせになりました。

したがって、自分の型にうまくハメた、あるいはうまくハマっちゃった馬は、たとえ伏兵であっても高確率で好走するけれど、自分の型にうまくハメられなかった、あるいはハマらなかった馬は、上位人気でも平気で馬券圏外に吹っ飛んでいく。そんなレースになると考えています。


そうすると、展開、道中のラップ構成、馬の前後左右の並びが、非常に大事な要素となってくるわけですが、内枠を引けて、ほぼほぼハナに行くことが確定的な②パンサラッサ騎乗の菱田Jが、序盤からどんなラップを踏んでいくのか、これが、最初の注目点になってきます。

そして次の注目点が、少し離れたポジションで機をうかがうことになりそうな⑯タイトルホルダー騎乗の横山和Jが、どのあたりから前を捕まえに出るのか、それとも後ろの動きを待って動き出しを我慢するのか、ここの判断がこのレースの結果を大きく左右することになるのでしょう。

さらに言えば、タイトルホルダーは大外枠を引いてしまったことで、1周目の3コーナーまでに、確実に脚を使わされる形にはなるでしょう。そうすると、そのことが鞍上の意識にどのような影響を与えるのか、与えないのか、そこも気になる材料ではあります。

いずれにしても、今年の有馬記念のキャスティング・ボートを握っているのはタイトルホルダー、いや横山和Jだとははっきり言えそうですね。


ところで、もう皆さんお気づきだと思いますけど、レース後にあれこれと言われちゃいそうだなと私が考えているのは、もちろん横山和Jのこと。

もし彼が、前半で余計に脚を使ってしまったり、勝負どころでの仕掛けが早すぎたりすれば、直線で脚が上がって後続の餌食になることは目に見えているわけですし、逆に仕掛けが遅れると、それはそれで切れ味のある馬にスコーンとやられる絵面が、やすやすと想像できるわけなんですよ。

その一方で、仕掛けのタイミングに関し、その正解の幅はものすごく狭いと思いますし、よしんば完璧なタイミングでジョッキーが仕掛けることができたとしても、その時点で馬に余力が残っていなければ、それでも勝ち切れないという結果を突きつけられるわけです。

つまるところ、もしタイトルホルダーに結果がついてこなければ、その負け方がどのようなものであったとしても、結局は横山和Jが批判の矢面に立たされてしまう。そんな環境が、見事なまでに整ってしまっているとも言えるでしょう。


ただし横山和Jが、基本は積極的に乗るタイプのジョッキーであること、その反面、前に馬を置いて上手に脚を溜めるタイプのジョッキーではないことなど、基礎的な事前情報がまったくないというわけでもありません。

よってここでは、「今回、横山和Jは、きっとこんなふうに乗るのんだろう」とヤマを張った上で、もしその読みが外れたら、彼の評価を見誤った自分が悪い。そう割り切るのが、真の競馬ファンとしての正しいあり方なんじゃないか、そう考えています。


さて今度は、道中の各馬の並びと、展開について詳細に検討してみたいと思います。

②パンサラッサが内枠を引いたことで、ゲートからゴリゴリに押して行かなくとも、楽にハナを切る形に持ち込んでくるでしょうから、1周目の4コーナーまでに暴走ペースになることまではないと考えます。

問題は、正面スタンド前で菱田Jがどの程度息を入れようとするのか。そこがかなり読みづらいのですが、さすがに前走の福島記念のように、11秒台のラップを踏み続けるようなことはないでしょうし、逆に日和って13秒台まで落とすイメージも湧きづらい。なので、12秒台半ばくらいのタイトなラップを踏み続けつつ、後続を離して逃げる形になると考えるのが無難な帰結なのかもしれません。

パンサラッサの現状のポテンシャルを考えると、ある程度キツイペースで引っ張っても、4コーナーの出口くらいまでは、最低限踏ん張れるイメージにはなるので、そんなタイトな流れの中、もし3コーナー手前あたりからタイトルホルダーが自ら動いて行ったりすると、いかに持続力に長けた馬といえども、やはり最後まで脚を残すのは難しい。そうは思うのですよね。


さらに言うと、その直後から積極的に動いていきそうな⑤ディープボンドが、タイトルホルダーと歩調を合わせる形を選択するのか、それとも相手は気にせず自分のペースを優先して仕掛けていくのか、そこも重要なポイントになってくるでしょう。

ディープボンドまでもが、3コーナー手前から早めに動くようだと、後続もそれに反応しないわけにはいかないでしょうから、そうなると、前半は中団に控えていた馬たちも、持続力比べに付き合わされる形にはなります。そうすると、後方のインでじっと脚を溜めそうなそれこそダイユウサクタイプの馬や、仕掛けを遅らせて最後の最後に脚を使う昨年のサラキアタイプの馬の突っ込みも警戒しなくてはいけない。そんな気がしています。


次に、各馬のポテンシャルについて、比較していくことにしましょう。

まずは古馬勢ですが、状態面はさておくとして、このメンバーに入れば⑦クロノジェネシスの力が一枚抜けていて、2番手に⑤ディープボンドが続くというシンプルな評価でいいのではないでしょうか。

GⅠでの好走実績がある⑪アリストテレス⑬アカイイトは、ともに低レベルレースでの好走に過ぎませんし、③モズベッロは、展開と馬場に恵まれての好走。さらに①ペルシアンナイトは、マイルGⅠでの勝利があるだけですし、②パンサラッサの現状は、意外性のあるGⅢホースという位置づけがせいぜいですから、これらの馬たちでは、よほど展開がハマらない限り、ここで勝ち負けを演じるのは難しい。そう考えていいように思います。


次に3歳勢ですが、実績NO.1は⑩エフフォーリアで間違いなく、それに⑯タイトルホルダー、⑨ステラヴェローチェが続くというのがシンプルな評価。

ただし、なんだかんだ菊花賞の上位2頭は、理由はともかくセントライト記念で敗れた組だったわけですから、その後のソーヴァリアントの圧倒的なパフォーマンスの分も含めて考えると、中山コースなら⑭アサマノイタズラまでが走破圏に入ってくると考えていいように思います。

あとはこの中山2,500mという舞台で、エフフォーリア、タイトルホルダー、ステラヴェローチェの3頭に、皐月賞からのプラスマイナスがそれぞれどれくらいあって、そこにアサマノイタズラがどこまで絡んで来られるのか、そこをよく精査すればいい。そんなアプローチでいいんじゃないでしょうか。


そして最後に、古馬勢と3歳馬の比較ということになります。皐月賞馬のエフフォーリアが天皇賞秋を勝ち、ダービー馬のシャフリヤールがジャパンカップで3着。ともにコントレイルと直接対決して、勝ち負けはともかく、少なくともまともな勝負ができたという事実がありますから、まずはこれをベースにして、力関係を検討していけばいいでしょう。

そこで問題になるのが、クロノジェネシスやディープボンドが、コントレイルと直接対決していないということなんですよね。なので、ここは想像に頼るほかないのですけれど、イメージとしては、仮に中距離で直接対決した場合、クロノジェネシスとディープボンドの間にコントレイルが挟まってくるという感じでしょうか。まあいずれにしても、いい勝負になるくらいの評価にはなるのでしょうね。

とすれば、エフフォーリアは、力さえ出し切れればこのメンバー相手にも勝ち負けができる計算が成り立ちますし、タイトルホルダー、ステラヴェローチェ、アサマノイタズラの3頭でも、流れが向くなり展開がハマるなりすれば、十分に勝負圏内に入って来られる可能性を秘めた馬。そう評価していいのではないでしょうか。

ここで一旦小括しておくと、古馬勢では⑦クロノジェネシスと⑤ディープボンドの2頭が有力で、そこに3歳の4頭、⑩エフフォーリア、⑯タイトルホルダー、⑨ステラヴェローチェ、⑭アサマノイタズラがどこまで絡んでくるのか。今年の有馬記念は、そんなレースの構図になっていると考えます。


では、ここからは個人的な評価を。なんだかんだ注目を集めるレースですから、今回は評価を下げた馬も含め、全頭にコメント入れておくことにしましょう。


中心は、⑦クロノジェネシスで行きます。

この馬に関しては、なにより厩舎のコメントが弱気ですし、調教の動きがひと息なのも事実ですので、絶好調でないことだけは確か。その程度はともかくとして、状態面で死角があるのは間違いありませんから、自信満々に推せるところまではいかない。それが率直な思いではあります。

ただしこの馬、これまでも万全でない状態でレースを使ったことが何回かあったわけですけど、そのすべてで、絶好調ではないなりにしっかりとした結果を残しているのですよね。凱旋門賞を除けば、デビュー以来ただの一度も掲示板を外していないことが、この馬の精神力の強さの証明だとも言えますから、たとえ万全の状態ではなかったとしても、このメンバー相手に大きく崩れるとはちょっと考えづらいな、と。

さらに言うと、枠もいいところを引けた印象が強くて、奇数番で出遅れたら嫌だなというのはありますけど、五分に出れば内からエフフォーリアにプレッシャーをかけられる位置でレースを進められそう。そうなれば、ポテンシャルNO.1の馬が、レースで最高の立ち回りを期待できることにもなりますから、たとえデキがパーフェクトではなくても、能力の高さと枠順の良さで、すべてを克服できる。そう判断しました。

それでも、できることなら、最終判断はパドックを見てからにしたいところではありますけど……。


2番手は、⑤ディープボンドにします。

常識的な話をすれば、パンサラッサを自分から追いかけると、追走力のあるステイフーリッシュでも福島記念で止まったわけですから、そういうタイプの馬を狙っていいのか、というのはあるんですけど、この馬に関しては、天皇賞春が、基本、追っかけちゃいけないディアスティマを追っかけて好走しているので、そこは過度に心配しなくともいいのかな、と。

コントレイルが引退した今、露払い役はお役御免となりましたし、フォワ賞のレースぶりを見れば、この馬は春からもう一段階、さらに強くなっている印象もあるんですよね。ならば、上がり時計がかかる底力比べのレースになって、しぶとくしぶとく粘り通す姿を想像してもいいんじゃないか、と。


3番手には、⑭アサマノイタズラを抜擢。

う~ん、内枠を引けば、本当はもっと上の評価をしようと思っていたのですがね……。この枠でも、ポツンにならない位置でうまく内に入れられたらいいのですが、宇宙人的な騎乗が多い田辺Jですし、外枠を引いてしまったことで、客観的に見て好走確率が下がったことだけは間違いないでしょう。

ただそれでも、この馬の中山適性の高さはやはり特筆もので、おそらくマツリダゴッホ並みの異常な相性の良さがある。そんな気がしてならないのですよね。

過去のレースを振り返ってみれば、内回りでその威力が削がれるわけでもないですし、有力各馬の仕掛けが早まりそうな展開面の恩恵も確実に受けられそう。ならばこの馬にも、ダイユウサクになれるチャンスが十分すぎるほどあるはずですし、外枠のリスクを考慮したとしても、やはりこの位置には評価すべき。そう判断しました。


そして、4番手を挙げれば、⑩エフフォーリアになるでしょう。

評価を下げた理由はいくつかあるので、そこは以下、ちゃんと説明しておこうと思います。

まずは、距離。ハイレベルだったダービーで2着と走ってはいるので、この条件をまったくこなせないとは思っていないのですけれど、ダービーで苦しい競馬をしていたのはむしろシャフリヤールのほうだったので、どうしてもそこが気になって仕方がないのですよね。そこが致命傷にはならないけれど、やはり少しの割引は必要かな、と。

次に、展開。基本、横山武Jは出し切る騎乗が売りのジョッキーですから、おそらく勝負どころから自分で仕掛けていくんだろうと考えられます。標準的な流れなら、この馬の追走力をすれば何ら心配は要らないのでしょうが、この距離のレースでパンサラッサが刻むハイラップを自ら追いかけて行くと、そこでの負荷がジワリジワリと最後に効いてくるんじゃないか、と。これも、致命傷になるとまでは言えないですけど、今回はジョッキーの強気な仕掛けが裏目に出る可能性が高い。そう思っています。

そして最後にもうひとつ、この枠の並びがなんとも嫌なんですよね。10番枠自体は問題ないのですけれど、パンサラッサ、タイトルホルダー、ディープボンドが積極的に出して行く中で、その直後のインはペルシアンナイトやウインキートスがベタ付けしてきそうですし、それよりも下げると、今度は内からクロノジェネシスのルメールJに外に張られてしまいそう。いずれにしても、道中で最低でも1頭分は外を回されそうな雰囲気がプンプンと漂っているのですよ。

振り返ってみると、今年に入ってからエフフォーリアが出走した共同通信杯、皐月賞、ダービー、天皇賞秋の4走は、いずれも完璧な位置で流れに乗れていての結果。つまり、もしここで、道中で少しでもロスを生じることになったとすれば、それを克服してまで勝ち切るほどの力が本当にあるのかなと、どうしても疑いの目を向けざるを得ないのです。

なんだかんだ、こうした小さなロスが積み重なると、いかにポテンシャル上位のエフフォーリアでも、苦しい競馬になる可能性が高い。最終的には、そういう結論に至りました。

それでも消さなかったのは、この馬の成長力と横山武Jの上昇度に敬意を表す必要があると考えたから。こちらが懸念したとおり、仮に道中でいろいろあったとしても、さらにその上を行くパフォーマンスを示してくる可能性を完全に否定はできない。かなり悩んだんですけど、最終的にはその分も考慮に入れて、一応上位評価の一角には置いておくという判断になったというわけですね。


その他、①ペルシアンナイトは、この馬にもわずかながらダイユウサクの再現がありうるとは思うのですけれど、そのスイートスポットはあまりに狭すぎますから、そこに賭けるというのはさすがにやりすぎかな、と。

②パンサラッサは今が成長期のようですし、一発の可能性を秘めてはいると思うのですけれど、やはり距離が気になるのですよね。レース序盤をだましだまし入って、実質二千メートルのレースに持ち込めればチャンスは広がるでしょうが、今の菱田Jにそれを期待するのは酷でしょうから、つまるところ今回は、いいところ見せ場止まりまでと判断しました。

③モズベッロは、地味ながら体調面は良化しているようですし、展開面もここはズバッとハマりそう。その意味で、掲示板は十分にありうると思っているのですけど、今の馬場だと、後方一気を決めるなら器用さも兼ね備えたアサマノイタズラのほうに分があると考えました。

④メロディーレーンは、アイドルホースの一頭ですし、ホント、頑張ってほしいですけどね。ただ、冷静に見れば、さすがにここでは苦しいでしょう。

⑥ウインキートスは、道中スローで立ち回りのうまさが求められた時に好走するタイプですから、パンサラッサがつくる流れは、この馬には向かないと思います。そもそも、力関係的にどうかというものありますし、、、

⑧ユーキャンスマイルは、さすがにこのメンバーに入ってどうもこうもないでしょう。インを上手に立ち回って入着でもあれば、それこそ万々歳なのかな、と。

⑨ステラヴェローチェは意外性がある馬ですし、乗り替わりがいいほうに出れば、ノーチャンスとまでは言えないような気がします。ただし、展開が完璧にハマり切っても、エフフォーリアを逆転できる可能性が少しあるかどうかくらいの力関係でしょうから、ならばあえて積極的に狙う必要まではないような気がしています。

⑪アリストテレスは、先日のジャパンカップの見どころ解説の時も書きましたけど、基本はGⅡクラスの馬だと判断しているので、流れは向きそうですけど、それでも足りないのではないでしょうか。

⑫シャドウディーヴァは、ここ2走のレース内容は評価していいと思いますが、それでも、このメンバー、この条件で好走できるかと言えば、さすがにちょっと厳しいのかな、と。

⑬アカイイトは、前走がフロックだとまでは思っていませんが、掲示板に載った他の面々は、牝馬限定のGⅢレベルの馬たちばかりですからね。よって当時は、能力上位の馬たちが自爆したと考えるほうが自然なので、ここも展開はハマりそうですけど、それでも前走の再現があるかと言えばちょっと話が別なような気がします。

⑮キセキは、このメンバー、この枠だと前には行けないでしょうから、差す競馬でハマり待ちを期待する形になりそう。ただその形だと、全盛期でもメンバーが揃ったGⅠでは足りていませんでしたから、引退レースのここで、突然パワーアップするはずもなく、、、ではありますね。


そして、最後に⑯タイトルホルダーですね。

個人的には、鞍上が完璧なレースをすれば、ここでも勝ち負けに持ち込める馬だと考えているのですが、それを今の横山和Jに求めるのは難しいという判断で、バシッと潔く消した格好になります。

おそらく横山和Jは、ゲートから手綱をしごいて出していくと思いますし、そうすると、やはり1周目の3コーナーまでに脚を使う形にはなってしまうでしょう。それで、リズムを失わずにスンナリと単独2番手が取れればまだいいですけど、正面スタンド前に入っても馬が行きたがる素振りを見せる可能性もありますし、いずれにしても、ロスのない完璧な立ち回りをしてくる可能性は限りなくゼロに近い。そう考えているのですよね。

じゃあそれでもこのメンバー相手に勝ち負けできるのか、と言えば、さすがにそれは厳しいのではないでしょうか。能力の高さは認めますし、コース形態自体は合っていると思いますが、今回は枠や展開、鞍上の技量やキャラクターを含め、諸々の条件がさすがに厳しすぎる。そんな判断になりました。

まあ、これで横山和Jが完璧に乗って勝ち負けに持ち込んで来たら、それこそ「あっぱれ、ゴメンナサイ!」でいいと思っています。むしろ、こちらにひと泡ふかすくらいの騎乗を横山和Jが見せてくれたら、それはそれでうれしいくらいですけどね。


さて、日曜日の夕方には、どんな結果が待っているのでしょうか。

的中してもしなくても、まずは全馬が力を出し切れるような素晴らしいレースが展開されたらいいな、と。そして、読者のみなさんの馬券が的中することも、併せて願っていようと思います!

サポートは任意です。 この記事があなたのお役に立てた時だけでかまいませんので、サポートしてもらえたら励みになります!