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土曜日の障害戦(9/3)

明日は、新潟で2鞍の障害戦が行われます。

いずれもかなり難解なレースとなりますが、当たり外れはともかく、しっかりとレースのみどころについて、解説していくことにしましょう。


新潟1R 未勝利


ここは、各馬の臨戦過程がバリエーションに富んでいるため、能力比較が非常に難しいレースとなった。そんな印象を強く抱いています。

正直、新潟適性の見極めに迷う馬が何頭かいますし、初障害馬の中にも若くて素質がありそうな馬が混じっていますから、なかなか「自信満々に勝負」という感じにはならないのかな、と。


その中でいくつかのポイントを挙げると、まずひとつ目は、ファルヴォーレの障害初戦の敗因をどう評価するのかということ。

単にキャリア不足が原因だったと見るのか、そうではなく新潟適性が低かったから凡走したと考えるのか、それともその両方を疑うのか。ここの判断が、おそらく的中/不的中に直結することになるのでしょうから、この点がこのレースにおける一つの勝負の分かれ目になる。そう言っていいように思います。


そして二つ目のポイントは、アポロファントムが前走で一変した理由をどのように理解するのか。

前走から急に変わったことと言えば、鞍上が植野Jに乗り替わったことくらいしか思いつかないのですが、はたしてその理解でいいのかどうか。ここの判断も、非常に大事になってくるのではないでしょうか。


なかなかに難しいレースですが、さまざまなファクターを総合的に考慮し、中心にはシンプルに⑭リーガルマナーを推すことにします。

前走は、勝ち馬に大きく千切られてしまいましたけど、この馬の走破時計でも、同日に行われた平場オープン戦の勝ち時計とほぼ同等。しかもそこを勝ったのが、5月の未勝利戦で接戦を演じていたメイショウアルトだったわけですから、この馬自身は、ベストではないにしろ最低限のパフォーマンスは示せていた。そう考えるのが自然でしょう。

心配していたブリンカーも、特に逆効果になることはありませんでしたから、だとすると心配材料は中一週のローテーションだけ。そう考えていいように思います。

パドックでテンションが上がっていると嫌ですが、そうでなければ「最低でも勝ち負けは必至」という高評価でいいのかな、と。


2番手は、⑫プンタアレナスで。

こちらも、前走で勝ち馬に大きく千切られてしまったわけですが、走破時計は概ね及第点と言っていい水準にはありましたから、この馬自身、入障初戦としてはよく走っているほうなんじゃないかと考えます。

この馬の場合、新潟コース向きであることに疑いの余地はありませんし、レース序盤で右方向に斜飛を繰り返していた前走のレース内容を振り返ってみても、たとえ休み明けでも、一定程度2戦目の上積みを見込んでいいように思われますから、ならば位置としてはこのあたりでいい。そう最終判断しました。

あとは、簑島Jの頑張りに期待しましょう。明日の2鞍は、久しぶりに好勝負可能なラインナップになってますから。


そして最後3番手は、⑩ミリタリータンゴとしておきます。

この馬の場合、勝ち切るイメージはほとんど湧いてこないのですけれど、前走で新潟コースに対する不安を払拭しましたし、リーガルマナーとコンマ6秒差で走れている以上、逆転は厳しくとも連下候補としては他馬との比較で有力。そう評価しました。

平沢Jへの乗り替わりも、普通に考えて大きなプラス材料ですしね。


上位は、ここまでとします。

なおここは、平地オープンの馬が2頭も障害デビューを迎えることになるので、「初障害馬はすべて無条件で消し」を前提とする当研究所としては、下手に手を広げたくないのですよね。

そのため、以下の2頭も走破圏にいると承知しつつ、あえて拾う意味はないと判断しましたので、その点について、先に補足しておきます。


②ファルヴォーレは、脚を溜めるのが難しく、いい脚が長く続かないという意味で、やはり新潟コース向きという印象があまりないのですよね。

鉄砲玉タイプではないので、脚の使いどころ次第ではこのコースも克服できそうですけど、仕掛け早やだと最後に止まりそうですし、仕掛けを待ち過ぎると持続力のところで伸び負けしそうですから、確率論的にはちょっと狙いづらい。そう判断しました。


⑬アポロファントムの前走時計は、未勝利では上位と言える水準のものではありますから、ここでも通用の可能性があることは否定できません。ただ、植野Jに乗り替わったその前走は、コース取り、ペース判断とも120点と言っていいくらいの神騎乗でしたから、「もう一度やれ」と言われてもさすがに厳しいんじゃないか、と。

コース的にも、福島により適性を感じる馬でもありますから、前走と同じだけ走ったらここでも通用するけれど、その期待値はそれほど高くない。そう評価しています。

新潟4R オープン


ここは、先々週に行われた平場のオープン戦ほどではありませんが、基本的には、未勝利に毛が生えた程度の低レベル戦。そんな認識でいいように思います。

よって、馬券圏内の可能性という意味では、半分以上の馬にチャンスがありそうな雰囲気もありますから、重視するポイントが一つでもズレたらかすりもしないという残念な帰結になりそうですけど、そこは日和らず、しっかりと攻めて行ったほうがいいレース。そう理解しています。

そんな中、ここは前走で草野Jが騎乗していた馬が4頭も出走してきたのですよね。この乗り替わりによって大化けする馬が出現するのかどうか、そこの読みも重要になってきそうだな、と。


ということでここは、あれこれと悩んだ結果、④フィードバックを中心視することにしました。

前走のナギサ組は、同日の未勝利戦と比べても勝ち時計が似たり寄ったりの凡戦でしたが、その中で最も内容の濃いレースをしていたのがこの馬。いつもどおり草野Jのコース取りが甘く、道中であれだけロスをつくっていてはさすがに厳しかったですけど、馬のほうはオープンでも通用の目途が立つ上々の内容で走れていたように思えるのですよね。

よってここは、小牧加Jに乗り替わるだけでも大きなプラス材料なのに、加えて3キロ減の斤量で戦えるのですから、シンプルに考えてもナギサを逆転してくる確率はかなり高い。そう言えるような気がします。

新潟コースも、これまで結果こそ出ていませんが、過去2戦はともに草野Jがレースの流れに乗り損ねたものであって、不得手どころかむしろ適性は高いと感じられるくらいですから、ここは思い切ってこの馬を狙って行ってもいいんじゃないか、と。


2番手は、①マイネルグロン

この馬の前走は、コレといって見せ場もない大敗に終わりましたが、走破時計自体は悪くありませんし、メンバーレベルを考えれば、「目立たないけど、実はよく走っているほう」と言える気がするのですよね。

しかもその前走は、休み明けで草野Jの騎乗。叩いた今回、伴Jに乗り替わるのは大きな魅力ですし、「意外に新潟コースでも大丈夫そう」という感じもあったので、人気の盲点になりそうなここは、思い切ってこの位置に置いてみても面白いのかな、と。


3番手は、⑤テトラルキア

ブリンカー着用がどう出るかですが、この馬は間違いなく新潟向きですし、前走の福島戦の内容も悪くないという中においては、上位に評価する価値が十分にある馬。そんな気がします。

あとは、前走時に減っていた馬体が回復しているかどうか。概ね10kgくらい増えて出てくるのが理想ですから、パドックではその点を特に注視しておくといいのではないでしょうか。


4番手は、③シャリオヴァルト

この馬は、相手に恵まれた中での新潟戦以外、オープンではほぼノーチャンスの馬ですから、ここはまさに千載一遇の好走チャンス。そんな言い方ができるのかもしれません。

ただし年齢も年齢ですし、勝負どころで仕掛け遅れると、新潟コースでもそこでジ・エンドという明確なウイークポイントを抱えていますから、さすがにこれ以上の評価は難しかった。それが本音ではありますね。


上位評価は、ここまで。

次点は⑦ショウナンサルヴォですが、この馬は脚の使いどころが難しいタイプなので、少しだけ評価を下げました。ただし上位に評価した馬たちとの力差はほとんどありませんから、パドック状態によっては、順番を入れ替えることを検討してもいいかもしれないですね。

ところで、ちょっと余談ですが、明日の難波Jの騎乗馬は、ファルヴォーレにしろこのショウナンサルヴォにしろ、脚の使いどころが難しいクセ馬が見事に揃った印象だな、と。

両頭とも完璧に乗ったら1日2勝もありうるけれど、少しでも乗り損ねると両頭とも着外までありそうな雰囲気ですから、馬券的な話とは一旦切り離し、明日は難波Jの騎乗ぶりに注目してレースを観ると、競馬ファンの皆さんの予想力UPにつながるような気がします。

是非ともそんな視点も持ちつつ、明日は障害レースを楽しんでもらえたらうれしいです。


閑話休題、人気になりそうな⑨ナギサですが、こちらは前走、控える競馬で結果を出したことは大収穫だったと思うのですがね。

ただそれでも、本質的に新潟コースが合うタイプとも思えないですし、ここは展開的にも楽な形になりそうもありませんから、斤量増の部分を含めて考えると、人気なら迷わず消しでいい。そう判断しました。

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