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第74回 東京新聞杯/第64回 きさらぎ賞のみどころ


東京11R 東京新聞杯


今年のこのレースには、前年の勝ち馬と4着馬が参戦してきましたが、ナミュール、プレサージュリフトという明け4歳のフレッシュなマイラーの出走があった昨年と比べると、マイル路線を歩んできた馬の質はやや下がる印象と言えるでしょうか。

その一方で、昨年のローズS、秋華賞で強い競馬をしたマスクトディーヴァがここに参戦してきたことにより、このレースの注目度が一気に増したことは間違いないでしょう。

ただし、マスクトディーヴァの参戦に関連して気を付けなければならないのは、十分に賞金が足りているこの馬にとって、このレースへの参戦目的はズバリ「観測気球の打ち上げ」であるということ。
仮にここでいいレースをすれば、ヴィクトリアマイル、安田記念とマイル路線を歩むことになるのでしょうが、もしも距離不足を痛感させられるような結果になったとすれば、矛先を大阪杯に向ければいいだけ。
そう、そのための観測気球なのだと推察されるわけです。

そうすると、無理に結果を求めるようなレースはせず、道中は自然体で流れに乗る形になるのでしょうから、そのでもこの馬が圧倒的に強いのか。今回に関しては、我々競馬ファンとしてそんな別の視点を持ってく必要があるのではないでしょうか。


次に展開ですが、ポイントは京都金杯で玉砕的なペースで逃げたドルチェモアが、今回、どんなレースを仕掛けてくるのか。ここはひとつのポイントになりそうです。

加えて、ウインカーネリアン、トゥードジボンもレース序盤でいい位置を確保したい馬ではありますので、シンプルに考えれば、昨年のこのレース以上にはペースが流れるはず。そんな予感がしています。


ということで、前振りをウダウダと書いておきながらとはなりますが、中心には素直に⑥マスクトディーヴァを推します。

この馬にとってここはいかにも相手関係が有利ですし、明日の府中は朝に雪の予報もあって極端な高速決着にはならない可能性が高いですから、仮に最後方に近い位置からの競馬になったとしても、上位争いには絡んでこられるはず。そう考えています。

ちなみに余談にはなりますが、この馬、秋華賞の素晴らしいレース内容ばかりがいつも強調されるのですけれど、本当はローズSでエリ女勝ちのブレイディヴェーグを完封したことに対して、もっともっと目を向けるべきではないのか、と……(笑)


2番手は、⑧ホウオウビスケッツ

この馬のマイル起用は、ちょっと面白いな、と。

気性的にピンかパーかというところのある馬ではありますが、乗り方次第で昨年のダービーを勝っていた可能性まであったと評価している馬。正直、期待と不安が入り混じりますが、ここで好勝負してもまったく驚けない馬であることには違いない。そう考えてのこの位置となります。


3番手は、⑦ジャスティンカフェ

この馬の特徴は、一瞬の切れ味は優にGⅠ級。ただし長く脚を使えるタイプではないので、噛み合わないとGⅢでも取りこぼす。そんなキャラクターであると考えていいでしょう。

つまりここも、噛み合えばシンプルに勝ち負けまで持ち込めるはずだけれども、坂井瑠Jが勝ちを意識しすぎて自分から動いて行くようなレースをしてしまうと、最後のパタッと伸びが止まるケースも十分にありうる。そんな評価になります。


4番手は、⑫コナコースト

この馬の適性は、ズバリ短距離。なんならスプリント戦でもよさそうなくらいですけれど、少なくともマイルまでなら、現状は力を出し切れるとみていいでしょう。

そしてこの馬も、ジャスティンカフェ同様に自分から動いて行くと終いが甘くなるタイプの馬。その点、中山マイルで外枠を引いてしまった前走は度返しできると考えていますので、東京へのコース替わり、そして道中は自分のレースに徹する戸崎Jの騎乗でうまく脚が溜まるようなら、桜花賞2着の走りをまだまだ見限れない。そう考えています。


その他、ウインカーネリアンは、昨年同様のマイペースの先行なら、今年も勝ち負けに持ち込めるはずなんですけどね。ただ、昨年よりは外差しが利きそうな印象もある馬場状態ですし、前半でそれなりに消耗を強いられそうなメンバー構成になったことを考慮すると、今年はジャスティンカフェに先着するのも難しい。そんな結論に落ち着きました。

ウンブライルは、NHKマイルカップがハマった印象の2着でしたし、このメンバーに入ると絶好調でもどうなのか……とはなります。ここは鞍上とGⅠ好走の実績で人気しそうですけれど、当研究所独自のものさしに当てはめると、シンプルに圏外扱いとなります。

京都金杯組は、レースレベルに疑問アリと判断して全馬消しとしました。

アスクコンナモンダ、ルージュリナージュの2頭にも、ハマれば馬券圏内のチャンスがありそうですけど、その少ない確率に賭けるという選択にはならないな、と。


京都11R きさらぎ賞


ここは、ビザンチンドリーム、シヴァースという1戦1勝馬をどう評価するか。そこが最も重要なポイントになりそうです。

ただ、他の馬たちも臨戦過程がバラバラですので、レースの格にとらわれずステップレースのレベルを慎重に検討しながら結論を導かないといけないという点において、今年は例年以上に難しいレースになったという印象が強いな、と。


ということで、ここは⑫ビザンチンドリームの素質の高さに賭けてみようと思います。

1戦1勝の人気馬をいきなりの重賞で中心視するというのは、当研究所のポリシーに99%反することではあるのですけれど、この馬に関してだけ言えば、皐月賞、ダービーを勝つ可能性を秘めた素質馬であると考えていますので、ここは例外的な扱いをすることにしました。

前走など、阪神の内回り戦で後半1,000mのラップが12.6 - 12.3 - 11.7 - 11.5 - 11.3のところを大外ブン回しでの差し切り勝ち。
こんなレースは数年に一度あるかないかでしょうから、そんな驚くべきパフォーマンスをデビュー戦で示せる馬なら、この厳しい条件も楽々と突破できるはず。そんな期待込みの推しとはなりますが……。


2番手は、⑨ジャスティンアース

この馬は、前2走がともにロスの多い競馬となりましたが、それでも長く脚を使って好勝負を繰り返した点は評価に値するでしょう。

完成度としてはまだまだの印象ですけど、ここはあまりペースが速くなりそうにもありませんので、前付けできること馬にとっては、展開面での恩恵もあるのかな、と。


3番手は、②インザモーメント

この馬の前走は、1コーナーまでに仕掛けて位置を取りに行った分と、距離が幾分長かったことで最後にパッタリと止まった印象もありました。

今回、レース条件は申し分ありませんので、クセを知る鮫島克駿Jに手が戻るのあれば、少なくとも掲示板、うまくすれば勝ち負けまであっていい存在なのだろうと考えています。


4番手は、⑩ブエナオンダ

この馬、前走で人気を裏切る形にはなりましたけど、相手が結構そろっていた中でロスの多い競馬になってしまっては、渋い3着という結果も致し方なかったのではないでしょうか。

ミカエルパシャ比較で言えば、ファーヴェントよりはこちらが上という判断になりますので、最後のひと枠はこの馬でいいのかな、と。


その他、ファーヴェントは完璧なレースをした前走の走りがもの足りなかったですからね。キャリアが浅い分、一気の成長があれば話は別ですけど、前走程度のパフォーマンスだと、ここでは通用しないのではないか。そんな見立てとなりました。

ウォーターリヒトは、後方からとはいえあのハイペースを引っ張りっきりの手応えで追走していましたので、本質的にはマイラーだったということなのでしょう。その点、1ハロンの距離延長はマイナス材料に映りますので、ここは差して届かずと決めつけることにします。

ヴェロキラプトル、シヴァース、レガーロデルシエロあたりにも、ここならワンチャンスありそうなイメージが湧いてくるのですけれど、他馬との総合的な比較から、この3頭にはぶっちゃけ手が回らなかったですね。


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