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日曜日(10/4)の注目レース回顧


昨日の記事で紹介したレースについて、今日はしっかりと回顧しておこうと思います。

中京4R 芝2,000m 2歳未勝利戦


ここは、注目馬として紹介していたスパイラルノヴァが、逃げの手に出て快勝。ハナにこだわっていたわけではないでしょうが、包まれるのを嫌って安全策を取る形になりましたね。

結果、単勝1.5倍の一本被りでしたから、馬券的にどうもこうもありませんが、勝ち時計は2勝クラスの長久手特別を勝ったカントルと1秒1差ですから、十分評価に値する内容だったと思います。まあ、ここでハナを切ったことは次走に向けての心配材料にもなるわけですが、初戦で好勝負を演じたランドオブリバティやトーセンインパルスとの比較からも、昇級しても十分に通用しそうな気がします。

また、今回のスパイラルノヴァの勝利によって、ランドオブリバティ組は4着馬までがすべて勝ち上がったことになります。レース当時は、それほどレベルが高い組み合わせだとは考えていませんでしたが、結果的に見ると、実はハイレベルのメンバー構成だったことがわかるんですよね。

ダノンザキッド組のように、すぐにハイレベルだと断言できる組み合わせもあれば、ランドオブリバティ組のように、その時はすぐにハイレベルだとわからない組み合わせもある。またヴェールクレール組のように、着順と馬のポテンシャルがリンクしないケースもあるから、競馬は難しいのですけれど、だからこそ、自分の眼でそこのところをしっかりと見抜くことができれば、競馬メディア依存型のファンとは完全な差別化を図ることができるというわけです。

ここを訪れてくださったビギナーの方にも、是非、このからくりを理解してもらえたらと思います。

中山8R ダ1,800m 2勝クラス


ここも、事前の予想どおりトランスナショナルゼノヴァースの一騎打ちになりました。結果、ゼノヴァースが勝利を収めたわけですけれど、レース内容的にはほぼ互角だったと思います。

正直に言うと、これも事前の予想どおりテリオスベルが淀みのないペースで逃げてくれたので、もう少し時計が出てもよかったのかなとは思いますが、今週の中山ダートは、少し時計がかかっていたこともあるので、まずは2頭ともほぼ期待どおりの走りを見せてくれたと言っていいでしょう。

この2頭に関して言えば、馬券的妙味は今後もあまり期待できません。ただ、タイキブリザードとサクラローレルが、かつて中山ダート1,800mの平場戦で好勝負を演じた時のようなワクワク感があったのは事実。今後、「あの平場戦って、実はスゴイメンバーだったよね」みたいに語り継がれるようになったらいいなと思います。

また、2勝クラスの安定勢力であるアルーフクライが力を出し切っての5着同着だったことを考えると、3着ヴォートルエロー、4着テリオスベル、5着同着デルマオニキスの3歳馬3頭も、実に内容の濃いレースをしていると思います。まあ、ヴォートルエローとデルマオニキスに関しては、年初の段階ですでに強い相手と好勝負を演じていたので、「地力強化」というよりは「復調」という表現の方が合うのかもしれませんが…。


中山11R GⅠスプリンターズS


秋のGⅠ第一弾となったこのレースは、グランアレグリアが大外一気のド派手なレースぶりで勝利を収めました。やはりというかなんというか、レース結果を大きく左右したのは、昨日の記事で指摘したとおり、外有利の極端なトラックバイアスだったと思います。また、ただでさえ外有利な馬場になっていたところ、ビアンフェがモズスーパーフレアに競りかけるような展開になったことも重なって、前受けした組にはかなり苦しい流れになっていました。

勝ったグランアレグリアは、出負け気味のスタートでもまったく慌てることなく、脚の溜まる位置で落ち着いてレースを進められたことが勝因と言えるでしょう。これ以上なく展開がハマったのは事実でも、一番人気馬に騎乗して後方2番手でじっとしていなきゃならないというのは、なかなかに痺れるはずです。それをこともなげにやってのけるルメールJは、やっぱりメンタルがしっかりしているなと改めて感心させられます。

2着のダノンスマッシュは、正攻法の競馬で勝ちに行っての結果ですから、完敗の2着でもいいレースをしたと思います。川田Jも、前日は中京で乗っていたのに、この日最初の芝のレースへの騎乗となった中山2レースで、トラックバイアスを完全に読み切った騎乗をしていました。ですから、ダノンスマッシュでもコース取りを間違える心配はなかったわけですが、やはり最高のコース取りで力を出し切ってきました。このあたりは、川田Jが競馬ファンには直接見えないところでも、本番に向けてしっかりと準備を重ねていることの表れであり、この点は大いに評価されてしかるべきだと思います。

3着アウィルアウェイは、完全にハマりましたね。本来、エイティーンガールがこういう競馬をしてもよかったのですが、そこは松山Jの判断が素晴らしかったということになるでしょう。

4着ミスターメロディも、自身最大の長所である機動力を存分に生かす競馬で善戦しました。結果的にこれでも仕掛けが早かったわけですが、決め手に欠けるこの馬の特徴を考えると、もっと仕掛けを遅らせたからといって上位馬との差が詰まったのかは疑問。福永Jが最高の騎乗をしてもこの結果だったと評価するのが、やっぱり妥当なのでしょう。

5着クリノガウディーは、序盤に脚の溜まらない位置取りになってしまったことが痛かったですね。それでも終いはしっかりと脚を使ってきましたから、すべてが噛み合っていれば2着くらいまであったかなとは思いますが、今回は極端な外枠でしたし、それを考えればよく走っていると思います。

10着モズスーパーフレアは、やっぱり完全にトラックバイアスに殺された感じですね。もちろんビアンフェに競りかけれれて松若Jが手綱しごく形になったのも堪えてはいますが、それがなくともどのみち勝ち負けには加われなかったと思います。そんなわけで敗因ははっきりしていますから、この敗戦で評価を落とす必要はないでしょう。条件が整っているレースでなら、GⅠでも狙っていっていい馬だとは思います。

13着ダイアトニックの敗因は、100%コンディション不良。パドックでもゴツゴツとした歩様が気になりましたし、この馬は走る前から勝負になっていませんでした。能力的にはGⅠでも足りることはすでに証明済みですから、まずはしっかりと立て直してほしいなと思います。

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