2023 東西金杯のみどころ
さて、2023年の中央競馬もいよいよ明日からスタート。毎年、超難解なレースが続く東西の金杯ですが、年始めに行われる注目度の高い重賞レースではありますので、今年も簡単に見どころ解説をやっておこうと思います。
例年、両レースともあまりに紛れが多すぎて、個人的には積極的に馬券を買いたいという感覚は昔からないのですけれど、おみくじ的な意味合いで金杯の馬券を買う競馬ファンの方もいらしゃるでしょうから、それぞれ難しいレースなりに、しっかりとした根拠を持ってシミュレーションを組んで行けたらいいのかな、と。
では早速、レースの見どころを解説していくことにしましょう。
中山11R 第72回 中山金杯
中山の芝コースは、今週からCコースに替わりますので、レース序盤のペースを問わず、大枠としてはインが伸びる傾向に回帰してきそう。この点には、特に注意が必要になるでしょう。
ただしその分、ホープフルSデーの時のようなスローペース症候群に陥ることはなさそうですから、そのあたりを考慮に入れつつ内と外のバランスをどう取るか、各競馬ファンの予想力が試されることになりそうですね。
展開的には、コスモカレンドゥラ、ウインキートス、エヴァーガーデンあたりが外目の枠から積極的に出して行く形になりそうなので、1コーナーの入り口で好位から中団あたりがゴチャつく可能性も大いに考えられます。
ここでロスをつくってしまうと、後半の伸びに必ず響いてきますから、向正面に入るまでにいいポジションをいかにスムーズに取り切れるか。このあたりが、勝負の明暗を分けることになるのではないでしょうか。
ということで、このレースに関しては、変に小細工をしても何もいいことはありませんから、「三球三振か、特大ホームランか」というくらい潔く割り切って、大胆不敵なシミュレーションを組んでみようと思います。
中心には、⑭ワンダフルタウンを推します。
この馬の前走は、インで詰まって脚を余してしまいましたけど、「まともなら馬券圏内まであったのではないか」というくらいのレースはできていましたから、ここにきて間違いなく復調気配にはあるのでしょう。
あとは、その中日新聞杯組のレベルがどうだったのかという点と、一瞬の脚に欠ける分、上がりの速いレースになったら厳しいという点をどう考えるかですが、このレースに関しては、どの馬を推すにしても一定のリスクを抱え込むことにはなりますから、多少の懸念材料には目をつむってでも、人気の盲点となっている今のうちに狙ってしまったほうが賢明。最後はそう判断しました。
2番手は、⑮レッドランメルト。
この馬の前走は、前に馬を置くことができずに終始掛かり通しで、完全な負けパターンにハマっていた中での勝利でしたから、字面以上に中身の濃いレースができていたと評価しています。
ここも外目の枠を引いてしまいましたが、各先行馬たちのポテンシャルを考えると、インでドン詰まりのなるリスクが低いのはむしろプラス材料とも言えますから、4角先頭の強気な競馬でこの馬の並んでからのしぶとさを存分に活かしてほしいな、と。
3番手は、①マテンロウレオ。
シンプルに考えて、この枠は絶好枠と言えるのでしょうが、各先行馬が早めに失速するような展開になると、むしろこの枠がアダとなる可能性もありそうで、そこをどう読むかが非常に難しいな、と。
とはいえ、ワンダフルタウンを中心視する以上、この馬の評価をこれ以上下げるわけにはいきませんので、やや玉虫色の評価にはなってしまいますが、いろいろ考えてこの位置に置いておくこととしました。
4番手は、⑤フェーングロッテン。
この馬は、ややムラ駆けの傾向もありますが、この枠の並びで松若Jの騎乗だと、徹底先行策まで考えておかなければいけません。
よって、「自分のレースの形に持ち込めれば、勝ち負けできる力がある」という意味で、最後のひと枠をこの馬に使うこととしました。
その他にも、馬券圏内に喰い込んで不思議のない馬が5,6頭もいるのですから、確率論で言えば、ハズレを引く可能性のほうが間違いなく高いと思っていますが、もしもおみくじ感覚でこのレースの馬券を買うのであれば、あとは「エイヤー!!」でいいのかもしれませんね。
よって、あまり私の見解を真に受け過ぎず、隠し味程度の参考情報としてご活用いただくくらいが、むしろちょうどいいのかな、と。
中京11R 第61回 京都金杯
中京は、年末の開催から引き続いてのAコース使用ですから、時間が空いた分の回復は見込めても、さすがにインベタオンリーの決着にはならないような気がしますね。
その反面、終始外々からの競馬も厳しいでしょうから、最終的には、道中でしっかりと脚を溜められた馬同士の決着になる可能性が高い。そう考えています。
展開的には、最内枠を引いたベレヌスがゲートから積極的に出していくことはほぼ間違いないものの、「ベレヌスーアルサトワ」の並びでスンナリとおさまりがつくかはなんとも微妙なんですよね。
エントシャイデンが捨て身の徹底先行策に出るとか、シュリが外目の3番手の位置を嫌って奇策を打ってくるとか、鞍上の性格面を加味して道中の並びを読もうとするならば、どちらかというとスンナリとした隊列にならない可能性のほうが高い。個人的には、そんな印象を強く抱いています。
仮にそうだとすると、「ポテンシャル面で最低限の担保があって、道中でうまく脚が溜まりそうな馬を狙うのが妥当」という判断に行き着きますから、これを唯一の手掛かりに、このレースはシミュレーションを組んでみようと思います。
中心には、③ピースワンパラディを推します。
前走の富士Sは、出遅れて挟まれて最後方と、完全にレースの流れに乗り損ねてしまいましたが、それでも、後にマイルチャンピオンシップでも好走する馬たちと差のないところまで差し込んできました。
長期休養明け2戦目であのレースができるのであれば、年齢的な衰えを懸念する必要はまったくなさそうですので、このメンバー、この枠なら、馬券圏内の期待度はこの馬が一番。そう判断しました。
2番手は、②プレサージュリフト。
今のこの馬なら、「離れた最後方をポツン」ということにはおそらくならないでしょうし、イーガンJなら、中団のインあたりは狙ってきそうなんですよね。
地味ですが、デビュー以来初の好枠を引けたことも好材料ではありますし、マイル前後の距離がベストと思えるこの馬にとって、久しぶりに適条件のレースを使える点を含めて考えると、ここはそこそこの確率で好走してくるんじゃないか、と。
3番手は、⑦イルーシヴパンサー。
この馬は、マイル戦で脚を溜めてこその馬ですから、さすがに昨年の東京新聞杯のようなハマり方はしないでしょうけど、少なくともここ2戦よりは、この馬の好走パターンに近い流れにはなってくれるのかな、と。
岩田望Jがこの馬と相性が良さそうな点も、この混戦の中ではひとつの強調材料になりますし、、、
4番手は、⑤エアロロノア。
この馬は、どう乗ってもあと一押しが足りない印象もありますが、ここはいい枠を引けましたし、福永Jなら道中で脚が溜まらないという心配もありませんので、この位置には置いておきたいですね。
スパッと勝ち切るタイプの馬ではありませんけど、うまくインを捌いての2,3着という形なら、なんとなくレースの絵面は浮かんできますし……。
そんなこんな、今年の金杯も例年どおり超難解なレースとなりました。
「東」のほうは、完全に宝くじ的な組み合わせになりましたから、あえて狙うなら「西」だと思いますけど、どちらにしても、一定の運を引き寄せないと的中はない。う~ん、やっぱりそんな気しかしません(笑)。
とはいえ、馬券が的中する人は必ずいるわけですから、フォロワーの皆さんがその立ち位置にいることを願いつつ、明日は気持ちよくレースを楽しめたらいいな、と。
それでは、皆さんのご健闘をお祈りいたします。