阪神ジュベナイルフィリーズの見どころ


明日は、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズが行われます。

なんと言っても注目は、JRA史上初の白毛馬によるGⅠ制覇なるかでしょう。それでは早速、見どころを解説していきたいと思います。


まず、阪神の芝コースですが、荒れた見た目とは裏腹に、普通に速い時計が出ています。特に外回りのレースでは、条件戦でも、普通に10秒台のラップを踏んでくる感じ。したがって、印象としては、スピードとパワーの両面が求められる馬場になっているような気がしますね。

バイアス的には、直線最内も良くないけれど、時計が出ている分、終始、外々もアウトという感じで、ある程度先行して、直線で馬場の真ん中あたりから抜け出してくる馬が活躍していました。おそらく明日も、似たような傾向になるでしょうから、きっと通ったコースによる泣き笑いが当然起こるのでしょう。


次に、純粋な能力比較をしてみようと思います。ちょっと順番がおかしいと思うかもしれませんが、ここはまず、ファンタジーS2着の⑫オパールムーンの話から。この馬が、新馬戦で3着に負かしたククナがアルテミスSで2着。この2頭、新馬戦の内容はほぼ互角だったので、ファンタジーSとアルテミスSとでレースレベルに大きな差はなかったということができます。

次に、アルテミスSで3着だったテンハッピーローズは、サフラン賞で⑦サトノレイナスの2着。ただし、サフラン賞の着順は、3コーナーからのコース取りの差が大きかったので、サトノレイナスとテンハッピーローズはほぼ互角の力と見ていいでしょう。

今度は、アルテミスSでテンハッピーローズと僅差の4着だったストゥーティに着目します。先週、中京で行われたこうやまき賞では、ストゥーティは野路菊Sの2、4着馬に先着を許しての3着。その野路菊Sの勝ち馬ホウオウアマゾンは、未勝利戦とデイリー杯2歳Sで、スーパーホープと僅差の勝負ですから、マイネルジェロディが勝った未勝利戦でスーパーホープを抑え込んで2着した⑮エイシンヒテンは、⑦サトノレイナスと互角かそれ以上のポテンシャルを秘めていることがわかります。

その⑮エイシンヒテンが勝った白菊賞の2、3着馬は、③ジェラルディーナが3着に敗れた新馬戦の2、1着馬。すなわち③ジェラルディーナも、もう少しロスのないレースができれば、⑮エイシンヒテンに肉薄するだけの力を持っているということがわかるんですよね。

そうすると、アルテミスSの勝ち馬⑥ソダシとファンタジーSの勝ち馬⑱メイケイエールが、能力だけの比較で言えばやや優勢。その次に⑫オパールムーンと⑮エイシンヒテンがきて、その後に僅差で③ジェラルディーナ、⑦サトノレイナスあたりが続くという形がなんとなく見えてきます。

ザックリとした感覚で言うと、これらの6頭に札幌2歳Sでソダシと僅差の勝負をした⑪ユーバーレーベンと、比較が難しいながら、レースセンス抜群で新潟の新馬戦の内容が秀逸な⑯インフィナイトを加えた8頭が、走破圏内にいるという見方ができるのかなと思っています。


さて、ここからは、この8頭に順番を付けていくことにしましょう。

中心は、⑥ソダシ。先行できて、10秒台の脚を使えるこの馬は、能力的に上位なのはもちろんのこと、今の阪神の馬場傾向にもフィットしているので、シンプルに勝つ確率がもっとも高いと考えていいと思います。

問題は、この枠。今まで外から被されるような競馬をしたことがないこの馬が、ここは馬群の中でレースを進めざるを得なくなると思うのですよね。周囲のマークもきつくなりますし、包まれて今までのように能力全開といかない可能性も大いにありそう。なので、このメンバー、この枠順で10回レースをやったら、勝つのは3回か4回くらいかなと思うのですが、それでも他の馬よりは高確率で好走できると判断して、この馬を本命視することにしました。

2番手には、⑭ポールネイロンの番手でも我慢が利きそうな⑮エイシンヒテンを推します。血統や戦績はやや地味に映りますが、先に解説したとおり、能力の比較上、まったく見劣ることはないですし、馬場のいいところを選んでレースを運べそうなのも大きなプラス。逃げた前走でも、直線できっちりと加速できていますから、番手からタイミング良く抜け出す形になると、勝ち切る場面まであっていいでしょう。気性的にあてにならないところはありますが、この人気なら、大きく狙っていってもいいかもしれないですね。

3番手は、⑯インフィナイト。正直、能力の比較は難しいのですけれど、新馬戦の回顧記事でも書いたように、この馬のポテンシャルは相当高いと思うのですよね。枠的にも、先行2頭の外から出して行って、スーッと内に寄せていくような北村友J得意な形に持ち込めるはず。ならば、3番手よりも下げる理由はないかなと思います。

4番手は、③ジェラルディーナ。前走は辛勝でしたが、外々を回る苦しい競馬で勝ち切ったことには価値がありますし、前述のとおり、⑮エイシンヒテンと大きな力差がないなら、控え目程度には狙ってみる価値があるかなと。混戦になって、岩田康J独特のアクションで馬群を割ってくるシーンが、なんとなく目に浮かぶんですよね。


広げても、馬券の対象はここまで。その他の馬にも当然チャンスはありますが、そこは潔く割り切るのが得策でしょう。

⑱メイケイエールは、マイルの外枠では、リズムよく道中を運ぶシーンは想像できないですね。武Jは、先を考えて無理にでも抑え込むレースをしてくるでしょうから、能力の高さは認めても、ここで馬券を買う価値を見い出すことは難しいですね。

⑦サトノレイナスは、おそらく、終い、確実に脚を使ってくるでしょう。ただ、ルメールJでちょっと過剰人気な感じもしますし、関西への輸送も多少は気にはなりますから、能力的に圏内ギリギリなら、差して届かずの決め打ちでいいかなと。

⑫オパールムーンは、脚質面が馬場にフィットしなさそうなのと、馬体が減っていそうな点が気になります。鞍上に作戦面での信頼感がないことと、成長力に欠けるヴィクトワールピサ産駒であることを含め、ここはシンプルに嫌って見たいですね。

⑪ユーバーレーベンは、ちょっと怖さがあるんですけど、この馬も馬体が減っていそうです。さらに、ゲートに不安がある馬が、奇数番でM.デムーロだと、レースにまったく参加できない可能性もありそう。ならば、わざわざ少ない確率に賭ける必要もないので、シンプルに消そうと思います。


まあ、キャリアの浅い馬たちのレースになるので、いろいろと紛れがありそうですけど、ソダシには、なんとか力を出し切るレースをしてもらいたいですね。どちらかというと胆力に欠けるところがある吉田隼Jですが、ここ一番で強気な競馬ができるかどうか。

もしそれができれば、結果は自然とついてくるはず。新馬戦直後からその走りに注目していた身としては、客観的な評価は別として、このレースで歴史的偉業が達成されることを心から祈っていようと思います。

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