週末(5/8)の3歳戦回顧
NHKマイルCの回顧は、後ほど別立てでやることにしているので、ここでは、土曜日に行われたダービートライアルのプリンシパルと、東上最終便、京都新聞杯についてのみ、振り返っておこうと思います。
土曜 東京11R プリンシパルステークス
ここは、番手で流れに乗ったバジオウが、後続の追撃を悠々と退けて完勝。地力で、ダービー出走の権利をもぎ取ることに成功しました。
ラップ的には、完全に先行馬がレースを支配する流れになっていたので、バジオウにとってすべてがうまく噛み合う形にはなっていたのですが、それでも、完璧な形で追ってきたディオスバリエンテを逆に突き放しているのですから、そのパフォーマンスは称賛に価すると考えていいと思います。
ただし、バジオウ目線で言えば、自分の最大限の力を発揮したら、普通に勝ってしまったというだけなので、この内容だと、本番でセントポーリア賞で後塵を拝したグレートマジシャンを逆転するのはかなり難しいでしょう。先行してひと脚が使える点に魅力はありますが、さすがに本番では厳しいんじゃないでしょうかね。
2着のディオスバリエンテは、すべてが完璧に運べた結果の2着。これだけ何もかもが噛み合った中で、最後、バジオウに引き離されたとなると、2着好走というよりは、底が割れてしまったガッカリ感のほうが強い印象もありました。
このレースぶりを見ると、二千でも距離が長そうな印象もありますし、本質的には、東京が不向きなのかもとは思ってしまいますよね。3番人気で2着なら、一般的な評価ではよく走ったということになるのでしょうけど、個人的には、期待ほどの器でなかったショックのほうが大きいですね。
4着ヴァイスメテオールは、出遅れて後ろから。さすがにこの先行有利な流れの中では、勝ち負けに持ち込むのは難しかったと思います。それでも、自分の脚はしっかりと使えているので、悲観するような内容ではなかったかな、と。
まあこちらは、現状、本番でどうこうというレベルの馬ではないので、昨年のアリストテレスのように、菊花賞に向けて夏場に力をつけてくれたらいいですね。
土曜 中京11R 京都新聞杯
中京の芝コースは、基本インベタ天国になっていて、差しが決まるにしてもインからという傾向が出ていました。ただし、年初のシンザン記念あたりの週の傾向とは異なっていて、内一頭分だけが固いというような不公平な馬場でなかったことには安堵しましたね。
ペースは序盤から流れ、仕掛けも3コーナー手前からと厳しいペースに。その分、トラックバイアスを味方につけたルペルカーリアも、最後の最後で後続に捕まってしまったと見るのが妥当なのではないでしょうか。
勝ったレッドジェネシスは、前日の見どころ解説でも触れたように、やはり本格化の兆しを見せていることは、どうやら間違いなさそうです。デビュー当初に比べ、確実にフットワークには力強さを増していますからね。
ただし今回の勝利は、レース全体としてペースが流れたこと、そして川田Jの立ち回りが完璧だったことで勝ち切れたとも言えるので、ただちに本番でどうこうと言える内容ではなかったかな、と。ただし、本番が淀みのない厳しい流れになれば、最後、大外から差し込んでくるシーンも無くはないのでしょう。少なくとも、それくらいの期待を抱かせてくれる内容ではあったと思います。
2着のルペルカーリアは、自分の力は出し切っていると思います。その意味では、優れた"ものさし"としての役割は十分に果たしてくれたかな、と。この内容を見ても、現状では、一線級相手に勝負を仕掛けられるレベルにないことは明らかですから、この先、大きな期待をするなら秋以降、という判断でいいのではないでしょうか。
3着マカオンドールは、レッドジェネシスの通ったコースをなぞるように伸びてきました。位置取りを考えると、よく伸びてきたとは言えますが、内容的には、まったく勝ち負けに関与しない3着であるとも言え、現状のこの馬の力では、重賞を勝つのは難しいという現実を突きつけられたような気がします。
ただしこちらは、現状、どんなレースになっても崩れない分、器用貧乏を露呈する形にはなっているものの、勝った2戦がともに外からのマクリですし、意外性を秘めていることも確か。キャラ的に、菊花賞で穴をあけるタイプに合致してはいるので、夏の成長をしっかりと見極めたい馬であることは、ここで指摘しておきたいですね。
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