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第19回 ヴィクトリアマイルのみどころ


東京11R ヴィクトリアマイル


このレースは、「格」という部分でそれなりの力差がありそうな組合せとなりました。

その中で、展開の紛れや近走の充実度を生かす形で、伏兵陣がGⅠで実績を残してきた各馬にどこまで肉薄できるか。この点が、今年の主な見どころとなりそうです。


ポテンシャル面では、人気どおりナミュールとマスクトディーヴァの2頭がやや抜けているとはいえそうです。

あとは、この2頭がそのポテンシャルを如何なく発揮できるかどうかで、もしも死角があるとすれば、道中の位置取りが悪くなった時に前受けした馬に出し抜かれる形なのかな、と。

よって、あえて人気に抗うのだとすれば、前受けする馬の一発を狙うという選択になるのでしょうが、はたしてその少ない確率に賭けることが妥当な判断と言えるのかどうか、慎重に判断したいところではあるでしょう。


ということで、ここは⑥マスクトディーヴァを中心視することにしました。

この馬は、枠の並び的にもそこそこの位置を取れそうな組合せではありますし、前走もウンブライル相手にノーステッキでの楽勝でしたから、スムーズなレースさえできれば崩れる要素はほぼ無いのかな、と。

あとはゲートですが、東京新聞杯はそもそも他馬と同じタイミングでゲートが開いていないのですから、今回はあれほど大きな出遅れを想定する必要はありませんので、ならばそこをあまり神経質に考える必要はないと最終判断しました。


2番手は、③スタニングローズ

この馬は、長期休養明けの大阪杯で内容の濃いレースをしていましたので、デキに関しては絶好調だった秋華賞に近い状態で使ってこられるのではないか、と。その秋華賞を振り返ってみると、レース内容ではナミュールが上かという印象はあったものの、立ち回りのうまさで見事に勝ち切った事実は見逃せないでしょう。

そして今回も、対ナミュールという観点では枠の並びがこの馬に味方していますし、当時の力関係が大きく変わっていないのだと仮定すれば、少なくとも今回もナミュールと互角かそれ以上の走りを期待してもいい。そう判断してこの位置に置くこととしました。


3番手は、⑤ウンブライル

この馬は、3歳時はハイペースの差し馬という印象で、ハマった時だけ好走するタイプの馬とみていたのですが、上がりの速い競馬で外から差してきた前走を振り返ってみると、以前のイメージは一旦クリアにしたほうがいいのかもしれません。

また、以前は大外からでないと伸び切れない印象もあったのですけれど、今のこの馬なら馬群を割って伸びてきそうなイメージが普通に湧いてきますので、ならばこれくらいの位置には評価しておかないといけない。そう判断しました。


4番手は、⑬モリアーナ

この馬は、東京のマイルが間違いなくベストですし、脚の使いどころが難しいタイプではありますけど、捌きひとつでウンブライルを逆転できる位置にはいるとみています。

そしてこの鞍上なら、少なくとも外々を回して伸び切れずという残念なレースはしないでしょうから、一か八かのイン差しを含めノーマークにはできないと判断し、最後のひと枠で拾うことにしました。


なお、ナミュールに関しては、武Jに乗り替わること、ドバイ帰りのややキツいローテーション、枠の並び的に展開負けのリスクが考えられること等を総合考慮し、今回はあえて選外扱いにすることを決断しました。

もちろん、本来であればマスクトディーヴァとの一騎打ち濃厚なのでしょうが、多頭数競馬ではそう簡単な帰結にはならない可能性も当然視野に入れておくべきですし、そもそも論として、この鞍上で楽に勝ち負けに持ち込めるほどの大きなアドバンテージまでは感じられませんので。


フィアスプライドは、レース条件、枠の並び、展開ともピッタリハマりそうな印象ですので、怖いのは怖いですけどね。ただ、一線級を相手に好戦するためには、何から何までハマらないと苦しい印象もありましたので、2,3着の目は当然のごとく頭にありつつも、今回は割り切って選外扱いとしました。

コンクシェルは、マイペースの逃げに持ち込めばワンチャンスあっていい印象なのですが、出脚がさほど鋭くない馬だけに「本当に単騎逃げに持ち込めるのか」という部分にまず最初のハードルがありますし、よしんば理想の展開に持ち込めたとして、「長い東京の直線でこの相手に最後まで抵抗できるのか」という課題もありますので、好走確率は決して高くないと最終的に判断しました。

フィールシンパシーにとっては枠の並びが理想的で、展開上、最も有利に運べる立場にはいるのでしょう。ただ、いくら展開がハマり切ったとしても、このメンバー相手に最後まで踏ん張り切れるイメージが湧いて来なかったので、こちらも今回は選外扱いでいいという判断に至りました。

その他、ハーパー、ドゥアイズあたりにもわずかながら馬券圏内のチャンスがありそうですが、ナミュールを消してこちらを拾うというのはさすがに説明がつかないので、この2頭はシンプルに消しでいいのかな、と。


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