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2024_ニュージーランドT/阪神牝馬S/桜花賞の回顧


今週も、週末に行われた重賞レースについて、簡単に振り返っていくことにしましょう。


土曜 中山11R ニュージーランドT 


ここは、全体のレースラップが12.7 - 11.6 - 11.7 - 11.3 - 11.6 - 11.9 - 11.7 - 11.9

残り1,000m~800mのところが最速となるやや特殊なラップ構成となりましたが、全体として見れば、差し馬勢にとってかなり苦しい展開になっていたことがよくわかる数字ではあるのでしょう。


勝ったエコロブルームは、横山武Jらしく前半から位置を取りに行って、そこからひと脚使っての差し切り勝ち。直線で進路を切り替えるロスがあった中での完勝劇でしたので、結果的に見れば、ここでは力が一枚上だったという評価になるのでしょう。

ただし、レースレベル自体が極端に高かったという印象はありませんでしたので、NHKマイルカップで勝ち負けを演じるには、もう一段パフォーマンスを上げて来ないと厳しいのかもしれませんが。


2着ボンドガールは、よく言えば好仕上がり、悪く言えば成長があまりないビジュアルでの出走となりましたが、なんだかんだ最低限の格好はつけてきました。

ただしこちらも、デビュー戦の圧倒的なパフォーマンスからすればかなりもの足りない走りではありましたので、一度使って本番で勝ち負けというほどの感じもなかったのかな、と。


3着ユキノロイヤルは、自分のレースをやりきって大健闘の3着。この展開、この走破時計なら普通に走れる馬ではありますので、もしかすると他の有力馬が走らな過ぎたという側面があるのかもしれません。

4着カズミクラーシュは、悪くない走りはできましたけど、結果論で言えば、マイルの距離はやや短かったということになりそうです。

7着エイムフォーエースは、森泰斗Jに乗り替わって中団からレースを進め、ペースを見越してインを通す競馬。結果は出ませんでしたけど、今後につながる内容の濃いレースはできたのかな、と。

15着ブライトマンは、展開が向かなかったにしても走らな過ぎ。今回の敗因は、正直よくわからないですね。


◎エコロブルーム → 3番人気1着
○ブライトマン → 7番人気15着
▲エイムフォーエース → 15番人気7着
△カズミクラーシュ → 5番人気4着

自己評価 6/10点


土曜 阪神11R 阪神牝馬ステークス 


ここは、全体のレースラップが12.6 - 11.1 - 11.7 - 12.0 - 12.1 - 11.3 - 10.8 - 11.4

スローな入りから、全馬手応えに余裕を持って最後の直線に向き、そこから究極の瞬発力比べが展開されるレースの形となりました。


勝ったマスクトディーヴァは、互角のスタートからインのポケットの位置を取り切り、そこからキッチリと抜け出しての快勝でした。

ペースがペースだけに、着差がわずかなのは致し方ないのですけれど、やはりマイルの距離は少し短いのかなという感じもあって、今回は勝利という結果だけが目立つ収穫だったように思います。


2着ウンブライルは、苦手だった瞬発力比べにもしっかりと対応し、着順以上の好内容で好走してきました。以前のこの馬なら、おそらくキレ負けしていた気がしますので、今回は実り多き走りができたのではないか、と。

3着モリアーナは、完敗の3着という内容。ただし今回は、位置取りの差が出た印象も強く、脚質的にやむを得ない部分もあったのかな、と。

5着ドゥアイズは、前半で位置を取れず「はっきり負けるならズバリこのレースパターン」というところにズッポリとハマってしまいました。つまり今回は力負けではないということになりますので、この凡走で大きく評価を落とす必要はないように思います。

7着モズゴールドバレルは、ハナに行けず3番手の外というポジションではキツかったですね。もともとポテンシャル面で見劣る馬が、展開面の恩恵を受けられなければ、見せ場なく凡走したのも致し方ないことでした。


◎マスクトディーヴァ → 1番人気1着
○モズゴールドバレル → 5番人気7着
▲ドゥアイズ → 2番人気5着
△モリアーナ → 3番人気3着

自己評価 4/10点


日曜 阪神11R 桜花賞 


ここは、全体のレースラップが12.5 - 10.8 - 11.2 - 11.8 - 11.8 - 11.4 - 11.2 - 11.5

これは、阪神ジュベナイルフィリーズの全体ラップ12.4 - 10.7 - 11.3 - 12.0 - 11.8 - 11.3 - 11.4 - 11.7と非常に酷似していますし、トラックバイアスもかなり外有利にシフトしてきていましたので、こうなると阪神ジュベナイルフィリーズの1,2着馬が順番を入れ替えてワンツーフィニッシュしたことは、ある意味、自然の成り行きだったのかもしれません。

もうひとつ付け加えておくと、3,4着にはエルフィンステークスの1,2着馬が順番どおりに入線する結果となりましたので、今年の桜花賞は、ステップレースのレベル比較を正確に行えていて、かつ当日のトラックバイアスをキッチリと読み切れた競馬ファンは、狙いすまして馬券を的中させることが可能なレースであった。そんな言い方ができそうです。


勝ったステレンボッシュは、結果的に外目の枠を引いていたことが味方した印象もありましたが、後続から差してくる馬の目標になったにもかかわらず他馬の追撃を抑え込んだレースぶりは見事でした。

ただ、走破時計、ラップ構成が阪神ジュベナイルフィリーズとほぼ同じという部分で言えば、成長力がひと息だったという見方もできますので、オークスに向けて盤石の地位を築いたとまでは言えないのかもしれません。


2着アスコリピチェーノは、4角で内からステレンボッシュに弾かれたのが痛かったですね。

それでも最後まで勝ち馬に喰い下がったのはさすがで、この馬も成長はひと息でしたが、持てる力をしっかりと発揮してよく走ったと思います。


3着ライトバックは、折り合い面を考えてか最後方待機を選択。その分、今までになく折り合いはピッタリでしたけど、さすがにあの位置から差し切るのは厳しかったですね。

それでも、レース内容的には一番強いレースをしていますので、今回の3着は、大健闘というよりも本当に惜しい3着とみるべきなのかな、と。


4着スウィープフィートも、ライトバックと同様に極端な待機策から目立つ脚を使って差してきましたけど、結果的に対ライトバックではやはり劣勢だったということになります。

それでも、この馬としてやるべきことはちゃんとできていたように感じましたので、「完敗ではありつつもこの馬なりによく走った」という評価が妥当でしょう。


5着エトヴプレは、一瞬勝ったかというシーンを作ったのですから、大健闘の掲示板と評価していいように思います。

8着クイーンズウォークは、終始馬場の悪いインを走らされることとなりましたし、思った以上に鞍上が強気に乗ったことで、結果論ではありますがこの馬の持ち味がうまく生きなかったように見えました。


11着イフェイオンは、レース序盤からゴチャつくインに閉じ込められて追走のリズムがつかめませんでしたので、やや消化不良のレースになってしまった印象を受けました。

最後は馬場の悪いインから伸びかかっていましたし、それでいて着差がコンマ7秒差なのですから、噛み合っていれば違う結果があってもよかったのではないかと思うのですよね。もちろん、結果は結果としてきちんと受け止めますが、当研究所的には非常に悔しいレースになってしまったな、と。


◎イフェイオン → 8番人気11着
○ライトバック → 7番人気3着
▲スウィープフィート → 6番人気4着
△クイーンズウォーク → 3番人気8着

自己評価 1/10点


う~ん、この週末の重賞は、やや消化不良で終わってしまいました。

とくに桜花賞は、中心視したイフェイオンが力を出し切れずに敗れるという結果になりましたので、来週の皐月賞こそは、結果はともかくスッキリするレースになってくれることを切に祈りたいと思います。

それでは引き続き、「本気の競馬力向上研究所」およびメンバーシップ馬券裁判男が本気でつくった競馬質問箱をどうぞよろしくお願いいたします!


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