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第41回 ニュージーランドT/第66回 阪神牝馬Sのみどころ


明日は、中山でGⅡニュージーランドトロフィーが、阪神でGⅡ阪神牝馬ステークスが行われます。

ニュージーランドトロフィーは、GⅠ馬の参戦があって先々に向け例年以上に重要な位置づけのレースとなりましたし、阪神牝馬ステークスのほうは、片やヴィクトリアマイルを意識しながら、もう一方で日曜日の桜花賞に向け馬場状態をチェックする場にもなりますので、ともに見逃せない大事なレースになるという見立てでいいのではないでしょうか。

では、早速、それぞれのレースの見どころについて、解説していくことにしましょう。


中山11R ニュージーランドトロフィー


ここは、各馬のステップレースがバラバラで、能力の比較がしづらいレースとなりましたが、大枠としてソコソコの力差がありそうな組み合わせとなった印象が強いですから、あまり奇をてらったようなシミュレーションを組む必然性はないのかな、と。

ただしその反面、使い詰めの馬の体調面が維持されているのか、休み明けの実績馬の仕上がり状態がどうか、折り合い面に課題を抱えている馬がちゃんと力を出し切れるか、はたしてまともな馬場でレースが行われるのか……など、紛れる要素に事欠かないのも事実ですから、何かの拍子に全体のレースレベルが下がった時には、なんでもアリの大乱戦になる可能性も否定はできない。そうも言える気がしています。


あとは、展開ですね。

エエヤンが押し出されてハナに行く可能性が高そうですが、そうなった時にうまく息を入れて先行できるのか、それとも3走前の東京戦の時のように暴走してしまうのか。

それによって道中のペースも大きく違ってきますので、このレースはエエヤンのレース運びをどう読むか、そこが最も大事な予想のポイントとなってきそうだな、と。


ということで、ここは⑭モリアーナを中心視することにします。

今年は朝日杯フューチュリティステークスよりも阪神ジュベナイルフィリーズのほうがレースレベルが高かった中、阪神ジュベナイルフィリーズ3着のドゥアイズと前走で僅差の勝負を演じたこの馬は、ポテンシャル的にはむしろ上位の存在であると考えています。

また、前2走に関しては、鞍上が常識的な騎乗をできていれば結果は違ったものになっていたでしょうから、小細工をしたくてもやれないこの枠を引いたことで、むしろそれがプラスに作用するのではないか、と。

今の中山のマイルは、勝負どころから外を回して差してくる馬に有利な馬場でもありますから、今回はこの馬が好走できる条件が揃っているのではないかと評価しました。


2番手は、⑤エエヤン

個人的な見解としては、今のこの馬なら逃げる形になってもギリギリ我慢が利くのではないかと思っているのですよね。

少なくとも、このレースでイニシアチブを握る存在であることは間違いありませんし、小細工の必要がない条件設定なら、鞍上の不安定さもさほど気にはなりませんので、外有利なトラックバイアスの分を割り引いてこの位置となりましたが、最終的にこの馬の力は出し切れるだろうと判断しました。


3番手は、⑧ドルチェモア

正直な気持ちを言いますと、ここはこの馬を消したくて仕方がなかったのですがね。朝日杯の勝ち時計は、前週の阪神ジュベナイルフィリーズに当てはめると7着相当、このレースにも出走しているミシシッピテソーロを下回る平凡さですし、3戦3勝のGⅠホースではありますが、率直に言ってものすごく強いという印象がない馬でもありますので……。

ただ、ここは枠の並びが最高になりましたし、相手関係にもかなり恵まれた中、番手外の位置からスムーズに運べそうな条件が揃った状況においては、さすがに消すところまでは行かず、最終的にこの位置が妥当と判断した次第です。


上位は、この3頭とします。

他の馬たちに関しては、基本、この上位3頭の自爆待ちになりそうですので、一角崩しの可能性は十分だとしても、無理に手を広げる価値はないと判断して全馬ぶった切ることとしました。


阪神11R 阪神牝馬ステークス


このレースは、枠の並びが明暗を分けそうな印象もありますし、ここもハナに行くであろうウインシャーロットが距離を意識したペース配分で臨んでくるのか、それとも小細工はせずに自分のレースに徹するのか……により、結果が大きく左右されそうなんですよね。率直に言って、パッと見の印象以上に難しいレースになったな、と。

ただし、阪神芝外回りは、外からの差しも決まるようなコンディションになっている現状ですので、よっぽどのスローにでもならない限り、普通に考えてインベタオンリーの決着となるとは考えづらく、ある程度、ポテンシャル面が反映された順当な結果に終わる可能性も十分。そんな見立てもできるでしょう。

あとは、中間に降ったまとまった雨の影響がどこまで残るのか。そこも、レース結果に大きく影響してくるのでしょう。

う~ん、やっぱり自信をもってひとつの結論を導き出すのが難しい……。そんな印象です。


ということで、ここは⑤ママコチャを中心視します。

この馬にとってここは枠の並びが最高に近い形となりましたから、ウインシャーロットの番手外をスムーズに追走する形に持ち込めるようなら、そこからひと脚を使ってスッと抜け出してきそう。

力勝負になりやすい阪神コースというのもいいですし、今回はこの馬が重賞を勝つための条件がキレイに揃った気がしています。


2番手は、④フラーズダルム

この馬は、ここにきてレースぶりに安定感が出てきましたし、スローになっても後ろから差せる切れ味を持ち合わせていることは、ここでの大きな武器になってくるのではないでしょうか。

阪神のマイルもこの馬にとって適条件となりますので、今回もなんだかんだゴール前で外から強襲してくると見て、この位置に評価しておきたいと思います。


3番手は、⑧ピンハイ

この馬は、常に馬体減りとの戦いになっていますが、実績的にここでは完全に一枚上の存在ですからね。

クセをよく知る高倉Jに手が戻ることも、特にマイナス材料とはなりませんので、得意の阪神コースに戻って相手が軽くなる以上、この位置には拾っておくべき存在なのではないかと考えたところです。


4番手は、⑦ルージュスティリア

この馬は、ここでも楽に通用する力がありますので、勝ち切るシーンまであっていい存在であることは確かなのですがね。

ただ、昨年のチューリップ賞で大出遅れをぶちかました印象が未だに拭えませんし、加えて、川田Jが先週のダービー卿CTで大きく出遅れたという記憶をまだ完全には消し切れていないこともありますので、ここは最後のひと枠にコソっと拾っておくことでひとまずお茶を濁すことにしました。

ややヘタレな判断ではありますが、自らの頭の中でうごめいているイメージを常に大切する私のスタイルからすると、この対応も致し方ないのかなと思っているところでもあります。


その他、ウインシャーロットに関しては、今回はこの馬のストロングポイントが生きるレース条件ではないと判断し、評価を落とすことにしました。この馬には、ここに至るまでずっと苦楽を共にしてきた「仲間」というくらいの意識があるわけですが、感情と客観的な判断はまったくの別物ですので、いっさいの忖度なしに消すのが正しい判断なのではないか、と。

イズジョーノキセキとディヴィーナは枠が……。うまく前に馬を置く形に持ち込めればチャンスはあるのですけれど、確率論的にどうしても拾い切れなかったですね。

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