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土曜日の障害戦(1/29)

今週も、小倉で計3鞍の障害戦が行われます。

中でも、明日行われる牛若丸ジャンプステークスは、実績上位馬が軒並み除外の憂き目に遭って、あちこちで物議を醸しているようですね。ルールはルールなんで、それに則って動いている関係者が不利益を被ることがあってはならないのですが、確かに競馬ファン目線で見ても、現状のルールにカイゼンが余地があることは間違いないように思われます。

JRAには、頭数が揃わないと予想される平地戦を、先手を打って障害オープン戦に差替えてしまうとか、実現可能性が高いなんらかの対応を、早急に講じてほしい。そう願います。

では早速、明日行われる2鞍について、見どころを解説していくことにしましょう。


小倉4R 未勝利


ここは、馬柱をひと目見てわかるくらい、完全な「一強多弱」というメンバー構成。

ただ、その一強のレースぶりが恐ろしいほど破天荒なので、圧倒的な能力差を背景にレース全体をぶち壊しつつ、という道中の運びになるでしょうから、最後、どの馬が2着争いで主導権を握れるのか。そこの読みが、このレースの最重要事項になってくるような気がしています。


そして、その一強とは言うまでもなく③ノストラダムスのこと。

ここもオーソドックスなレースにはならないでしょうが、落馬さえしなければ、さすがに最後はしっかりと勝ち切るのかなというイメージにはなりますね。この馬のレースを初めて観る競馬ファンの方からしたら、かなり胃に悪いレースになるとは思いますけど……(笑)


ということで、問題はやはり2着争いとみます。

ノストラダムスのスタートは、いつもどおりゆっくり。序盤はソロっと最後方を追走して、馬がハミを取り出したら無理に引っ張らず、外々を徐々に進出して、早い段階で先頭まで押し上げてしまう。おそらくそんなレースになるでしょうから、変にノストラダムスにケンカを売りに行ったりせず、いかにこの馬に干渉されずに道中をやり過ごせるかが、2着争いの結果を分ける大事なポイントとなる。そんな見立てになるでしょうか。

また、2着争いに絡んできそうな各馬のポテンシャル比較も、なんだかんだかなり微妙で、時計と実績面だけを見れば、内から②アドラメレク、④グリニッチヴィレジ、⑨プレイヤーサムソンの3頭が一歩リード。ただし、この3頭のポテンシャルなら、⑦ハディアや⑧セツメンノトビウオあたりが、入障2戦目で一変してくるようだと、簡単に順番をひっくり返されてしまうくらいの優位性しかない。そんな評価になるのかな、と。

要するに、単純な各馬のポテンシャル評価に、前走からの上昇度を加味した上で、道中でいかにノストラダムスの動きにかく乱されることなく、最後まで自分の力を出し切れるか。そこを突き詰めない限り、このレースの的中はないという帰結になるのでしょうね。


ということで、さんざん迷ったのですが、2番手には⑧セツメンノトビウオを置くことにしました。

この馬の初戦は、飛越が慎重でレースの流れに乗ることができず、終始後方のままレースを終えることになってしまったわけですが、単純に時計面だけを見れば、日曜日の未勝利戦で上位人気になるレッドゼノンよりも速いわけですから、そこに前走からの上昇度を加味すれば、ここで2着争いを制するだけの力を持ち合わせているんじゃないか、と。

さらには、道中でノストラダムスにマクられる形になると予想される先行各馬にとっては、被せられて嫌気を差したり、ハミを噛んで行きたがったりするリスクがあるわけですけど、この馬は、脚質的にノストラダムスと干渉する可能性が低いわけですから、そこにも一定の優位性がある。最終的に、そう判断しました。


3番手にも、ここが入障2戦目となる⑦ハディアを採ります。

こちらは、もともと前に行けるタイプの馬ですし、勝負どころから過剰に外を回らされた前走のレースぶりからも、今回、大幅な時計の短縮が可能と見ています。安定感のある上野Jの連続騎乗というのも、この馬を上位に推すひとつの安心材料にはなりますしね。

気性面に課題がある分、ノストラダムスにマクられた時にどうかという不安はあるのですが、その点を除けば、セツメンノトビウオとほぼ同等の評価をしてもいい。そう考えています。


上位評価は、ここまでとします。

②アドラメレクは、ここに入れば2着争いで能力上位ですし、平地時代も含めて小倉との相性はいいほうなので、普通に走れば、、、なんですけどね。ただ、もともと気難しいところのある馬ですし、西谷誠Jにその「普通に」を期待するのも、ちょっと躊躇してしまうところがあるので、今回は思い切って評価を下げることにしました。

④グリニッチヴィレジは、やっぱりスンナリ先行が理想のタイプなので、今回は、道中でノストラダムスに干渉されそうなのが嫌なんですよね。自分の競馬ができれば、プレイヤーサムソンは逆転してきそうですし、十分に馬券圏内の期待もあるわけですけど、使い詰めで体調面の上積みが見込めないこと等々も含めて考えると、上位評価まではちょっとどうなのかな、と。

その⑨プレイヤーサムソンは、前走、差す競馬で一定の前進を見せてきましたから、ここでもノーチャンスではないのでしょう。ただ、いずれにしても、圧倒的に決め手に欠けるのは事実ですから、この馬を選ぶくらいなら、伸びしろが期待できる馬たちを上位に採りたかった。そんな判断ですね。

小倉8R 牛若丸ジャンプステークス


さて、本来とは違うところで話題をさらってしまった感のあるこのレースですが、有力馬がキレイに除外されてしまったことにより、かなり混沌とした状況に陥ってしまったような気が……。

正直、10回やったら、10回とも馬券圏内の組み合わせが違ってきそうなメンバー構成ですから、どこかひとつにポイントを絞り込んで、そこの読みが外れたらゴメンナサイというくらいの割り切りがないと、予想の的中は期待できない。大局的に見れば、そんなレースなのだろうと思っています。


そこで、「じゃあ、どのファクターにフォーカスして予想を組み立てるべきなのか」という話になるわけですけど、そう、ここはメンバーの中に先行馬が少ないんですよ。よって個人的には、この展開面が、間違いなく勝負を分けるポイントになるんじゃないか、そう考えています。

前々でスンナリと運ぶ、またはインのポケットに固執してコースロスなく運ぶ。こういったレースをした馬に、より多くの可能性が転がり込むんじゃないかと思うのですよね。道中の並びを正確に予測するのは困難ですけど、「この馬は、おそらくこんなレースをするんだろうな」と想像できる馬は数頭いますから、その中から上位候補を絞り込んでいく。それくらいしか、一歩でも的中に近づく方法はないのかなって。


ということで、ここは③ホシルミエールを中心視することにします。

この馬は、インのポケットの位置を取れた時とそうでない時で、まったく違う結果になってしまうような難しい馬なんですけど、この馬はなぜか引きが強くて、今回も見事に内枠を引き当てたんですよね。しかも、自分より内の2頭は出脚が鈍いタイプの馬ですし、すぐ外に出脚のいい馬がいるわけでもありませんから、少なくとも襷までは、インのポケットの位置をしっかりと確保できるんじゃないか、と。

その後は、白浜Jのエスコート次第という面はあるのですが、他馬に比べて恵まれたところが圧倒的に大きいと思えたので、「詰めが甘くてスイートスポットが狭い」という決定的な弱点を抱えるこの馬でも、今回は、ソコソコの結果を残してくれるのではないか。そう考えることにしました。


2番手は、⑤アイファーアクターで。

この馬は、上野Jが騎乗すればソコソコいい位置が取れますし、これは地味な要素ではあるんですけど、他馬と比べて距離に不安がないのもいいと思うのですよね。

速い時計の勝負はダメ、決め手も不足気味と、こちらもわかりやすいウィークポイントを抱えた馬ではありますが、この条件、このメンバー構成であれば、好位から惰性で流れ込むような競馬でも、好走の可能性は十分。そう判断しました。


3番手は、⑭テイエムクロムシャで行きます。

こちらは、レースぶりに自在性があって、どの位置からでも競馬ができますし、ここは大外枠ですが、小坂Jならどこかで内に潜り込んでくれそうな気もします。ならば、器用な脚をチョロチョロと使って、終いはジリジリと伸びてくれそうな気がするんですよね。

2走前に敗れたフィードバックとの比較からも、このメンバーなら勝負になっていいくらいの力があると考えることもできますから、地力上位とは言えない中でも、これくらいの評価をしてもやり過ぎではない。いろいろ考えて、最終的にそう判断しました。


それでそれで、アーとか、ウーとか、かなり迷ったんですけど、やっぱり最後に①ビーオールアイズの名前は挙げておかないとダメだな、と。

なんだかんだ、ここに入れば実績NO.1ですし、枠もいいところを引けましたから、脚質面の不利はあっても、消すところまではやり過ぎ。そう判断しました。

キャラ的に、弱い相手に確実に勝つというタイプでもないので、人気とのバランスはあまり良くないのですけれど、そもそも人気がどうなるかよくわからないレースでもありますし、費用対効果を意識してあえてこの馬の評価を下げるほどのこともない。そう思い至りました。


上位評価はここまで。このほかにも、勝負圏内に絡んできてもいい実力馬が複数頭いるのですけれど、基本的には人気の一角を形成しそうな馬たちですから、ならばあえて手を広げる意味もないですからね。

⑧セデックカズマは、ここは森一馬Jから平沢Jという超豪華な乗り替わりですが、この馬と最も手が合うのは植野Jだと思うのですよね。しかもこの馬は、ゲートで遅れる不安がありますし、レースでの折り合いの難しさ、詰めの甘さもありますから、力は十分に通用しますが、この大混戦の中で、あえて不安要素が多い人気馬を拾う必要もないのかな、と。

②シャリオヴァルトは、瞬時のギアチェンジが下手なので、器用さが求められる小倉は不向き。⑥マイネルパラディには先行できる怖さがありますが、こちらは距離延長がマイナス材料。⑩タガノファジョーロは乗り替わりがマイナスで、ちょっと気になる⑦ショウナンサルヴォだと、ベースとなる基礎能力が少しだけ足りないのかな、と。

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