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第58回 クイーンカップのみどころ

明日は、東京でクイーンカップが行われます。

ただ、府中は夜まで雪の予報ですし、「美浦からの輸送がはたしてスムーズに行くのか」ということを考え合わせると、一定の確率で中止のパターンはありそうですね。

さらに言えば、仮に予定どおりの開催となった場合でも、馬場状態がかなり微妙な塩梅になりそうですし、各馬の体調面も、関東馬なのか関西馬なのかによって、それなりに有利不利が出てきそうな印象もあります。

よって、可能な限り……ということにはなりますけど、締切直前ギリギリのタイミングまで最終結論を出すのは待つべき。そんな気がしています。


とは言いつつ、バフっとした情報を出すくらいのことなら、前日のこの段階でもできると言えばできますからね。

精度が普段よりも下がることを織り込んでいただくことが大前提とはなりますが、よろしければご参考にしていただければ、と。


では、早速、それぞれのレースの見どころについて、解説していくことにしましょう。


東京11R クイーンカップ


ここは、出走メンバーをざっと見渡してみると、実績上位の阪神ジュベナイルフィリーズ組に対して、昇級組と新興勢力がどの程度まで戦えるのか。そんな図式になっている気がします。

ただ、舞台が阪神から東京に替わることで、阪神ジュベナイルフィリーズ組の着順がそのままこのレースに反映されるとは言い切れませんし、伏兵馬たちの臨戦過程もバラバラで、どの馬に好勝負のチャンスがあって、どの馬には厳しい戦いになるのか、そこの見極めが非常に難しいな、と。


次に展開面ですが、ここは、これまでずっとダートを使ってきたニシノカシミヤが主導権を握りそうな組み合わせとなった以上、永野Jの判断ひとつで、ハイにもスローにもペースが振れるわけですからねえ~。

雪の影響でトラックバイアスがどちらの方向に振れるのかもやや読みづらいですし、これらの点を考え合わせると、各馬のポテンシャル比較だけにとどまらず、レースシミュレーションを構築することに関しても、非常に困難を伴う印象となります。

う~ん、このレース、非常にやりがいは感じますけど、やはりかなり難解ではありますね……。


ということで、ここは⑩グランベルナデットの成長力に欠けてみたいと思います。

この馬の前走は、タイトな流れを外を回って自分から勝ちに動いての圧勝。勝ち時計も、当時の時計の出方を考えれば優秀な部類に入りますので、今のこの馬の充実ぶりなら、このメンバーに混じってのマイル戦でも、互角以上には戦えそう。そう考えました。

ちなみにこの馬、デビュー戦となった東京のマイル戦で6着に敗れていますけど、当時は出遅れと直線でのドン詰まりがあって完全に脚を余していましたから、ベストの条件でないのは確かでも、決して力を出せないコースだとは思っていません。

前走のテンの行きっぷりにもみどころがありましたし、明日は馬場が湿って時計がかかりそうな点も、この馬に味方してくれそうですし。


2番手は、⑤ウヴァロヴァイト

この馬は、デビュー戦でドゥアイズと大接戦を演じているくらいですし、未勝利勝ち当時のレース内容も同日の新馬戦を勝ったシンリョクカ以上のものがありましたから、馬体面に大物感こそないものの、ここで格負けするような存在でもない。そう考えています。

前走は、超スローに巻き込まれて結果的に脚を余すレースになってしまいましたが、ある程度ペースが流れての地力勝負を想定するのであれば、ドゥアイズとほぼ互角かややこちらが上。それくらいの評価はしてもいいんじゃないか、と。


3番手は、その⑦ドゥアイズ

この馬に関しては、前走でマイル戦に対する適性を見せてきましたし、これまで一度も大きく崩れたことのない戦績から見ても、ほぼ確実に上位争いをしてくるのではないかと考えているところです。

ただ、前走で先着を許したシンリョクカとの比較から、他馬を力で圧倒できるほどの存在ではなく、あくまでも道中をうまく捌いてこられることを前提にしての上位争い。そんなさじ加減でちょうどいいんじゃないかと、最後は判断しました。


4番手は、①オンザブロッサム

この馬は、ダノンザタイガーの追撃を振り切ったデビュー戦の内容が強かったので、舞台が当時と同じ東京コースに替わり、距離短縮でスピード能力を存分に生かせると考えるならば、意外に侮り難い存在にはなってくるのかな、と。

キャラクター的に、インのポケットにスッと控える上手なレースができるタイプの馬でもありますから、人気薄の一発があればおそらくこの馬。そんなふうに考えてみました。


その他、モリアーナは、コース適性バッチリのところに加えて理想的な好枠を引けましたので、一定の確率で巻き返してくるのだろうとは考えています。ただし、胆力に賭ける鞍上の近況からすると、自爆のリスクは当然避けられないのでしょうし、前走が負け過ぎに映る点もやはり気にはなりますから、ノーチャンスではないと知りつつも、わざわざ拾うほどのこともない。そんな判断となりました。

フェアリーS組の各馬に関しては、条件替わりで一定の前進がありそうなリックスターやミシシッピテソーロを含め、相対的な比較でやや足りないのではないかと考えているところです。

消した馬の中で、最も怖いなと感じるのはハーパー。この馬は、明らかに中距離タイプの走りをしていますから、切れ味を求められるような流れになってしまうと、瞬発力の質の部分で相対的に劣るのかな、とは思うのですけれど、そのウィークポイントも、馬場悪化で補える可能性はあるだけに、やっぱり怖いのは怖いんですよね。この馬には、まだまだ伸びしろが大きそうな印象もありますし……。

ウンブライルは、東京コースに替わって多少は前進してくる期待もありますが、阪神ジュベナイルフィリーズ当時のみどころ解説でも触れたとおり、時計面、戦ってきた相手関係とも、この世代の一線級と互角に戦える裏付けがまったくないのですよ。決して前走からの変わり身を全否定するわけではありませんけど、あえて穴人気しそうなこの馬を拾っておくべき理由も特にないのかな、と。

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