見出し画像

第27回 NHKマイルカップのみどころ

明日は、東京競馬場でGⅠNHKマイルカップが行われます。

昨年は、レースレベルが高かった弥生賞組と桜花賞組のワンツーフィニッシュとなりましたが、今年は、ハイレベルだったと言える前哨戦が見当たりませんから、基本は、多くの馬にチャンスがある大混戦という見方でいいように思います。

ということは、展開面だとか、ちょっとしたコース取りの差だとかで、着順に差がつくレースになる可能性が高いということですから、そこらへんの見極めを、とにかく慎重にやっておきたい。今年は、そんなレースの全体像になっているような気がしますね。

では、早速、レースのみどころを紹介していくことにしましょう。


東京11R NHKマイルカップ


今日は、まず最初に、各馬のポテンシャル比較からはじめていくことにしましょう。

前哨戦のレベルはイマイチで、どのレースも五十歩百歩なのは確かですが、その中でも、特にレースレベルが低いレースも混ざってはいるので、その点には、特に注意しなければならない。そうも思います。

そこで、あくまでも個人的な理解にはなりますが、各前哨戦をザックリと分類してみると、以下のようなイメージになるのかな、と。

【標準レベル】
朝日杯フューチュリティステークス、弥生賞、皐月賞
【標準よりやや下】
桜花賞、アーリントンカップ
【標準より下】
ファルコンS
【低レベル】
シンザン記念、ニュージーランドT

つまり、ハイレベルと言える前哨戦はなかったけれど、各レースには、それなりのレベル差がある。そう考えていいのではないでしょうか。


そうすると、朝日杯FS2,3着のセリフォス、ダノンスコーピオンの2頭と、弥生賞5着ながら、レース内容は勝ち馬と互角と言えるレベルだったインダストリアの3頭が、頭一つ抜けているとみてよさそう。

ただし、その後ダノンスコーピオンは、共同通信杯で惨敗を喫し、完璧に立ち回ったアーリントンカップで、休み明けのキングエルメスと先に抜け出したタイセイディバインを捉えるのがやっとだったところを見ると、これら上位3頭でも、道中の立ち回りひとつでは、平気で馬券圏外に飛んで行く可能性が高い。そうも言えるような気がしますね。

つまり、このメンバー、この枠順で10回レースをやったら、勝ち馬がコロコロと変わる程度の力差しか存在しない。そんな言い方が、できるのかもしれません。


次にトラックバイアスですが、土曜日の競馬を見ている限り、極端な内外の有利不利はないフラットな状態だと思います。

ただし気配としては、だんだんと外差し有利な傾向が出てきそうな雰囲気もあって、9Rに組まれている湘南Sの結果次第では、多少の調整が必要になってくるケースも考えられますから、その点に関してだけは、頭の片隅に置いておいたほうがいいのではないでしょうか。


そして、最後に展開。特に今年は、ここがレースの行方を大きく左右するような気がするのですよね。

ハナはジャングロでほぼ決まり的な感じもありますが、その後ろの並びが非常に読みづらいくらいで、いずれにしても、極端なハイペースにはならないんじゃないか、と。

そうすると、馬群が固まって折り合いを欠く馬も何頭か出てくるでしょうから、好位から中団あたりでリズム良く運び、直線で馬場のいいところに持ち出すことができた馬に、勝機が訪れる可能性が高いと考えるのが自然なのでしょうね。


ということで、あれこれと考えを巡らせてみた結果、個人的には、⑪インダストリアを中心視することにします。

この馬は、前走でデッドポジションとも言える馬群の外の位置に追いやられ、かなりリズムの悪い追走となってしまったわけですが、それでもなんとか脚を溜め、最後の直線でひと脚使えたという事実は、今回のレースに向けての大きなアドバンテージになるんじゃないかと思うのですよね。

この枠でレーンJなら、道中は前に馬を置きつつ、いつでも馬場の外に進路を切り替えられる位置で流れに乗ってくれる可能性が高いですから、そもそものポテンシャルが上位であると考えるのなら、この馬を最上位に評価する以外の帰結はありえない。そんな判断となりました。

ベストは千八かもしれないですけど、二千よりはマイルのほうがいいことだけは確かですから、その点も強調材料になってきますし、、、


2番手には、⑤キングエルメスを指名します。

この馬の前走は、インのポケットに押し込まれて、非常にリズムの悪い追走になってしまっていましたし、休み明けで馬体が減っていて、体調面も今ひとつの状態に見えたのですよね。

その中での3着は、負けて強しという印象を持ちましたし、勝ち馬がここではポテンシャル上位のダノンスコーピオンだったことを考えると、休み明け2戦目でもっとスムーズなレースができれば、ここでも十分に通用していいはず。そんなふうに考えました。

そもそもですが、京王杯2歳S組の2,3着馬は、その後阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯FSで内容の濃い2,6着なのですから、そこを完勝したこの馬が、このメンバー相手に通用しないことはないんじゃないかと思うのですよね。なので、状態面がまともで、かつスムーズなレースができれば、という条件は付きますけど、この馬が勝つシーンまであっていいように思っています。


3番手には、⑦タイセイディバインですね。

まず、ファルコンSで一番強い競馬をしたのはこの馬ですし、前走も、先に抜け出したところをダノンスコーピオンに出し抜かれただけですから、こちらも負けて強しという評価をしていいように思います。

今回は、枠もいいところを引けましたし、道中を馬群の中でジッと我慢できれば、必ず最後にひと脚使える馬ですから、ここは「気がついたら馬群の中から差してきた」みたいなレースを期待したいな、と。


そして最後4番手に、⑱ダノンスコーピオンですね。

この馬をこの位置にしたのは、大外枠で脚が溜まらないリスクが高いと考えたことと、共同通信杯の惨敗があまりに不可解だったことの2点を割り引いた結果。そう捉えてほしいですね。

正直なところ、最後まで消しちゃおうかと迷ったんですけど、朝日杯FSで最も強いレースをしたのはこの馬ですし、前走でもなんだかんだ2,3番手評価の馬に先着しているわけですから、いろいろと割引材料があるのは事実でも、最後の最後に拾っておくという判断に落ち着きました。


ここからは、その他の馬の評価にも触れておくことにしましょう。

まずは、④セリフォス。この馬のポテンシャルを持ってすれば、ここでも通用することは明らかなのですが、今回に関しては、枠の並びが微妙で位置取りが悪くなる可能性が高いこと、そして、福永Jに乗り替わる点も、馬のキャラを考えると、どちらかと言えばマイナス材料になりえること、主にこの2つを重視して、消すという判断に至りました。

すぐ外の枠に、出脚がいいキングエルメスとトウシンマカオが入ったのは最悪に近い並びですし、ゴリゴリと追ってこそ持ち味が生きる馬にアタリの柔らかい福永Jというのも、「う~ん」という感じがあるんですよね。

まあ、福永Jにうまく捌かれちゃったらゴメンナサイなんですけど、確率論的に、そうなる可能性は高くないと考えたので、このような結論になった。そう理解してほしいですね。


次に①マテンロウオリオンですが、こちらはここ2戦の相手関係が弱かったという評価で消します。同じ理由で、③ソリタリオ⑬ジャングロにも、高い評価は要らないな、と。

②ソネットフレーズに関しては、対セリフォスで劣勢である点とこのローテーションを嫌って、⑥トウシンマカオは距離延長を嫌って、それぞれ評価を下げました。

⑧アルーリングウェイには、ワンチャンスありそうな気もしますが、キングエルメスが番手の位置を取り切ると考えているので、そうなったら厳しい位置に追いやられてしまうでしょうし、⑨ダンテスヴューにも、ちょっとの怖さはあるんですけど、ここまではさすがに拾い切れません。

あとは、⑯プルパレイですね。この馬には意外性があるので、最後方待機から大外一気みたいな競馬をやられると、ちょっと怖さはあるんですけど、確率論で考えて、ハマり切る可能性は低いという評価に落ち着きました。


う~ん、去年はうまく行ったレースだけに、「できれば今年も!」とは思うんですけど、冷静に見て、そう簡単なレースではないとも思っています。

もちろんズバッと行けば最高ですけど、正直、単勝だけでもヒットしたら御の字。そんな感覚ですかね。

ではでは、読者の皆さんの明日の健闘をお祈りしつつ、今日はこのあたりにしておくことにしましょう。

サポートは任意です。 この記事があなたのお役に立てた時だけでかまいませんので、サポートしてもらえたら励みになります!