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週末(8/22,23)の2歳戦回顧


先週の金曜日、「明日(8/22)の注目2歳戦」という記事を書いていたので、その振り返りとともにその他で気になった何頭かの2歳馬についてメモを書いておこうと思います。

まず22日(土)最初の注目レースとして紹介した札幌1R芝1,800mの未勝利戦は、シュヴァリエローズ組のヴィゴーレが勝ち、バニシングポイント組のタスマンハイウェイが2着。オーソクレース組の上位人気2頭は完敗を喫し、ダノンザキッド組のアレクサンドロスも直線で伸び切れずの4着という結果になりました。

結果的に見れば、勝ち時計や道中のラップはほぼ標準と言えるものでしたから、1、2着馬が初戦から確実な前進を見せたことで好走できたと捉えるのが正しいのでしょう。一方で、トーセンガーリー、ロードリスペクトのオーソクレース組の2頭は、もともと初戦の内容が物足りなかったわけで、さすがにちょっと人気しすぎでしたね。トーセンガーリーは出遅れが主な敗因と見られそうな気もしますが、それがなくとも勝ち負けまでは難しかったと思います。

注目していたアレクサンドロスも、初戦同様にピリッとした脚を使うシーンがなく伸びずバテずの結果となりましたが、サンマッハのマクリに惑わされた影響が大きかったのも事実。未勝利戦の標準レベルのメンバーなら、詰めは甘くとも常に上位を賑わせる存在であることは間違いなさそうです。そう考えると、ダノンザキッド組ですぐに未勝利を脱出できそうなのは、当時5着だったパタゴニアあたりまで。この札幌1Rは、そんなヒントを与えてくれたと言えるでしょう。


今度は、この札幌1Rの結果を持って臨んだ小倉2R芝1,800mの未勝利戦。札幌1Rのアレクサンドロスをものさしにして考えれば、ダノンザキッド組4着のフランクエトワールが、ここで勝ち負けを演じる公算が高いと事前に予見できたはずなのですよね。

土曜朝の時点での小倉芝コースは、圧倒的にイン有利のバイアスがありました。そのため外枠から出たフランクエトワールにとって、1コーナーで約5頭分ほど外を回され、4コーナーでも外に大きくはじかれた不利はかなり堪えたはずです。その分、さすがに勝ち馬を捉え切ることはできませんでしたが、このレースで一番人気だったラーゴム組3着のレッドジェネシスをしっかりと抑え込んでの2着なら上々の結果。ダノンザキッド組のレベルの高さを、まざまざと見せつける結果となりました。

もちろん3着のレッドジェネシスにも展開が向かなかったのは事実ですが、よりロスが大きかったのは明らかにフランクエトワールの方でしたから、この2頭の間には見た目以上の力の差があると見ていいでしょう。僕的には、金曜日の記事でフランクエトワールがレッドジェネシスに先着する可能性が高いことをチラリと匂わせていたつもりなので、「このオッズの差はいったい何だったのか!」と改めて言いたい気持ちになってしまいますね。結果2着と3着では、五十歩百歩だとツッコミを入れられてしまうかもしれないけれど…(笑)


せっかくの機会なので若干補足しておきますが、レッドジェネシスは初戦同様、前半の行きっぷりからしてひと息でしたから、今後も同じようなレースが続きそうな予感がします。顕著な外差し馬場にでもならない限り、次走以降も差してきて届かずのレースを繰り返す可能性が高いので、良血で成績が安定しているからという理由で単勝を買い続けると、いつか必ず破産する。そんなタイプの馬であることを、ここでしっかりと押さえておいた方がいいと思います。

こうなってくると、俄然、ダノンザキッド組3着のテンバガーの次走以降のレースぶりが楽しみになります。初戦を観る限りでは、どうも切れる脚はなさそうにも思えますが、モーリス産駒でも母系や馬の形からはっきり距離は伸びた方が良さそうなので、復帰戦でインパクトのある勝ち方ができると、1、2着馬同様にクラシック路線に顔をのぞかせる存在になれるかもしれないですね。


このほか、日曜日にデビュー勝ちを飾った3頭についても簡単に触れておこうと思います。

まず、日曜新潟5R芝1,800m戦を勝ったルドヴィクス。スローペースからの逃げ切り勝ちとはいえ、後ろからバジオウが迫ってくると、迫られた分だけまた伸びるという実に味のある勝ち方をしました。

時計的にも及第点には達していますし、追って味がありそうなところを見ても、おそらく控えてもレースができるタイプのはず。馬体やフットワークの良さは目立っていましたから、さすがに現時点でクラシック云々を言えるレベルにはないものの、これから着実に力をつけていくタイプという印象を受けました。同厩のオーソクレースほどの華はなくとも、地味に力をつけて行ってほしいなと思わせてくれる存在ではありますね。


続いて、日曜小倉5R芝1,800m戦を勝ったグラティトゥー。圧倒的人気のディープモンスターが発走除外になった影響で押し出された一番人気になっていましたが、好位のインで上手に脚を溜め、直線を向いて一気に抜け出すセンス抜群の圧勝劇を見せてくれました。

まだ馬体面には緩さが残りますし、ゲートを出てからの出脚もひと息でしたので、完成度はまだまだの印象を受けたのも事実。それでいて、相手関係はともかく後続を5馬身離す完勝ですから、この馬も十二分に今後の活躍を期待させてくれるだけのパフォーマンスを見せてくれたと思います。とはいえ、あんまり焦らず、もう少し成長を促してからレースに復帰してくれるのが理想でしょうか。


最後は、日曜札幌5R芝2,000m戦を勝ったエフフォーリア。この馬は、まだまだ仕上がり途上だったと思いますし、レース内容も平凡。現時点では、相手関係にも恵まれて新馬勝ちできたと考えるのが妥当かもしれません。

ただしこの馬、スケール感は抜群なんですよね。鹿戸雄一厩舎の馬にしては華奢な印象を一切受けませんし、完成されてくれば相当に走ってきそうな印象もあります。新潟、小倉を勝った2頭とは違って、基本的に人気先行タイプになる印象がぬぐえない分、馬券的な妙味はそれほど感じないものの、キャリアを重ねて行けば十分に上のクラスでも活躍できるだけの素質を秘めた馬であることは、どうやら間違いなさそうです。

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