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役に立つジョッキーおもしろコネタ


先週末は、ルーキージョッキーの初勝利あり、若手ジョッキーの重賞初勝利ありと、騎手にスポットライトが当たるシーンが特に多かったですね。

今日は、先日のレース結果を眺めながら、ちょっとコーヒーブレイク的な感じで、役に立つジョッキーおもしろコネタを紹介してみようと思います。

1 松本大輝騎手初勝利

この土曜中京6Rは、ヴァルキュリアの大出遅れ、ダッシュつかずからはじまり、その後、大外をブン回した挙句、最後は加速ラップで差し切ってしまういう激レアなレースになりました。

それにしても松本Jは、まだまだ粗削りですね~。いいところのあるジョッキーだとは思うのですけれど、今回の初勝利は、ほぼ馬につかまっていただけになってしまいました。まあ、こういうレースが観られるのも、デビューしたてのルーキージョッキーがポテンシャルの高い馬に騎乗しているからとは言えるのですが、それにしてもド派手なJRA初勝利になったと思います。

……にしても、馬は強かったですね。いかに相手が貧弱だったとは言え、長期休養明けでこの勝ちっぷりはお見事のひと言でしょう。

2 古川奈穂騎手初勝利

この土曜阪神6Rですが、これはもう反則級のレースでした。GⅠレベルの力を持っているバスラットレオンが、平場のレースに出てきて単騎逃げ。しかも52kgの斤量で出走したのですから、正直に言って「落ちない限り負けない」くらいの状況だったと思います。

馬にはまだ余力があったように見えましたが、最後はジョッキーに余力がなくなってしまって、終い1ハロンは12.0かかっているんですよね。デビュー以来、古川奈Jが騎乗する馬のオッズを見ていると、なぜかそこそこ売れているんです。う~ん、応援馬券という趣旨ならば、こちらも理解できるのですが…。

もちろんひとりの若者を応援したい気持ちは僕にもあるのですが、プロになった以上は、女性だろうが男性だろうが関係ありません。藤田菜Jがデビューした時も思ったのですが、メディアがまるでアイドルのような扱いをすることにはまったく賛成できないですね。この研究所では、今後、彼女に対するリスペクトの気持ちは持ちつつ、他方、シビアにその騎乗ぶりを評価していく予定です。

3 永島まなみ騎手初勝利

こちらは同じ逃げ切りでも、古川奈Jの初勝利とは少し内容が違っています。他のジョッキーが控えてくれたことは確かですが、なにより、永島Jのゲート内の姿勢がいいですし、好スタートの確率が高いのも必然と言えるでしょう。

なのに、永島Jのストロングポイントが語られる場面が、なぜか少ない。超絶に非力なところは、今後、少しずつでもカイゼンしないといけないけれど、ゲートセンスの良さは、これから場数を踏めばどんどんと磨かれていくはずです。現段階で、明確なストロングポイントを持っていることは大きな武器になると思うので、これからの彼女の成長に期待したいと思います。

4 西村淳也騎手重賞初勝利

「えっ、ここで!?」とツッコミを入れたくなりますけど、何はともあれ、ギベオンの逃げ切り勝ちは見事でした。

すでに2年前あたりから頭角を現し始めた西村淳Jですが、制裁やらなにやらでもたついているうちに、後輩の斎藤新Jや団野Jに追い越されてしまった感もありました。確かに、戦法が逃げと番手に偏る傾向が強く、その点で柔軟な戦略を持って乗れる斎藤新Jや、動き出しのタイミングが光る団野Jと比べて、やや物足りなく映る場面がないわけではありませんよね。

それでも、馬をしっかりと動かせる若手の有望株であることには変わりがないので、このタイミングでの重賞勝ちが、大きな飛躍のきっかけになる可能性もあるでしょう。特にローカルでは強いジョッキーですから、春の新潟あたりで大暴れしてもらって、それをきっかけに大きなチャンスを掴んでくれることを期待したいと思います。

5 原優介騎手が代打騎乗で特別戦勝利

日曜中山10R、田辺Jの落馬負傷によって、急遽トーラスジェミニの鞍が回ってきたわけですが、トップハンデを背負う自厩舎の馬で、積極的なレースメイクをして、ゴール前、差し返して勝ったのは素晴らしかったですね。ゴール直前で、馬を追うアクションのギアが一段上がったところなんかも、単勝馬券を買っていたファンなどからしたら、ものすごく熱くなったんじゃないでしょうか。

原Jは、能力は高いのにここまでスポットライトが当たる機会に恵まれなかったわけですが、この"代打ホームラン"をきっかけとして、大きく飛躍してくれることを祈りたいと思います。デビュー以来の経過については、先週アップした記事をご覧ください。

そうそう、原Jのお手馬ビゾンテノブファロは、必ずどこかで穴をあけるはず。だって、能力を正当に評価されていないですもん。まあ、今週末のスプリングSでは、さすがにキツイですけど…。

6 国分恭介騎手がリアンヴェリテで本領発揮

いや~、このレースはマジで痺れました!

以前、この研究所で取り上げたリアンヴェリテが、国分恭Jのエスコートで大きな見せ場をつくりましたね。ちなみに当時の記事は、こちらを。

前半3ハロンを、12.0 - 10.4 - 11.1という芝千二でも厳しいくらいの暴走ラップを踏んでおいて、最後の最後まで粘り通しての2着。これは、もはや常識では説明しきれない話なんですけど、リアンヴェリテは元々そういう馬ですし、そのことを国分恭Jは熟知しているということでしょう。

馬の個性を生かす騎乗とはまさにこのことで、これは、武Jや福永J、ひいてはルメールJでもできないことだと思います。国分恭Jは、こういう個性派の馬に乗せたらピカイチなんですよ。11番人気であわやの2着。ホント、グッドジョブでしたね。


今日は、あれこれと役に立つジョッキーおもしろコネタを紹介してみました。ジョッキーの個性というのは、グッと深掘りしてみると非常に勉強にもなりますし、ノンフィクションの物語としても本当に面白いものです。

本研究所では、JRA騎手評価シートをマガジンとして公開していますので、興味のある方は、是非、ご購読いただけたらと思います。


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