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週末(3/27,28)の3歳戦回顧


戦前から楽しみにしていた土曜阪神の毎日杯。

期待どおり、いや期待を超える壮絶なレースになりました。土曜中山の伏竜ステークスと併せて、しっかりと回顧していきたいと思います。

土曜 中山10R 伏竜ステークス


ここは、12月のラペルーズ組上位馬と、着実に力をつけてきた関西馬が激突する形となりましたが、結果は、前走の中京戦を圧勝してここに臨んできたゴッドセレクションの完勝となりました。

それにしても、いくら軽めの馬場だったとは言え、この1:52.1は強烈な時計ですよね。雨が降ってさらに馬場が軽くなっていた日曜のマーチSに換算しても7着相当なんですから、フェアな条件でやったら、マーチSでも楽に掲示板、下手したら勝ち負けだったわけです。

ちなみに、日曜最終の2勝クラス戦の勝ち時計が、やや重で1:53.1ですから、このゴッドセレクションの勝ち時計は破格中の破格と評価していいでしょう。馬のキャラ的に、揉まれてどうかの不安はありますから、まずはスンナリ先行が条件にはなりますが、かなりの出世を期待していい馬であると考えていいでしょう。

また、最近、急激に力をつけてきた中井Jの未来が、この馬の出現で大きく変わる可能性をも秘めているような気がします。人馬共にですが、これは新星誕生の予感がしますね。


2着には、ラペルーズ組からメイショウムラクモが喰い込んできました。この馬の長所は、どの位置からでも競馬ができること。2着に敗れたとは言え、1:52.6という時計は十分に胸を張れるものですから、この先の活躍は、すでに約束されたも同然の気がしています。

3着ゴールドハイアーは、前に行けない脚質ゆえ、どうしても差し届かずのパターンが増えてくるとは思いますが、それでも、メイショウムラクモを追い詰めた脚はさすがのひと言。軽いダートだとちょっと怖さはありますけど、時計のかかるダートなら、かなりのところまで出世できると見ていいでしょう。


その他、5着にティアップリオン、7着にグランツアーテムと、ラペルーズ組上位馬が健闘を見せていることにかんがみれば、4着タイセイアゲイン、6着ユアヒストリーにも高い評価を与えるべきなのだと思います。

距離が合わなかったとはいえ、高い能力を秘めたレディバグが8着に沈んだくらいですから、上位陣のスケール感は、かなりのものがあると考えておきたいですね。

ちょうど、昨晩のUAEダービーで、タケルペガサスが4着と健闘したことを踏まえても、この世代のダート界は、ものすごいハイレベルである可能性もありそう。この先の海外遠征も含め、俄然、ワクワク感が増してきた感じがしています。

土曜 阪神11R 毎日杯


ここは、結果的に上位人気4頭の勝負となりましたが、中でも勝ったシャフリヤールと2着グレートマジシャンのパフォーマンスは、この後の反動が心配になるほどえげつないものだったと思います。


まずは、勝ったシャフリヤール。この1:43.9という時計は、いくら阪神が超高速馬場だったとはいえ、破格中の破格でにわかに信じがたいレベルですし、この時計を、完璧なレースができたわけではない中でマークしたことも、強烈なインパクトを残しました。

実際、出遅れ気味のスタートから、位置を取りに行くのに一定の脚は使っていますから、この馬が完璧なレース運びをしたら、いったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうかと、今からワクワクしてしまいます。

その中で、あえて気になった点を挙げるなら、これまでの2走と比べると、馬体のシルエットも走るフットワークも、兄アルアインに似てきたことでしょうか。千八~二千あたりで持続力を生かす競馬が合っていた兄に姿が重なってくるとすれば、果たしてダービーの舞台でどうなのという疑問は正直浮かんできます。

ただまあ、今、それを言っても仕方がないですからね。ダービーで好勝負に持ち込めるだけのポテンシャルを見せつけた、というところまでで、現段階では十分なのだと思います。


2着のグレートマジシャンも、驚愕の走りを見せてくれました。

輸送の影響もあったのか、馬体が少し減っていましたし、レース前の気配だけを言えば、前走のセントポーリア賞のほうが上だったと考えてもいいでしょう。

ただそんな中で、終始、外目を通す正攻法の競馬でシャフリヤールに迫った脚は、実に迫力がありました。決して完調とは言えない中で、これだけのパフォーマンスを示してきたことにはかなり驚かされましたし、とにかく反動は心配ですけど、もしまともな状態でダービーに出走できたとすれば、今度はシャフリヤールを逆転する可能性が高いような気がしています。

っていうか、ダノンザキッド相手でも、勝ち切っちゃうところまで想像できますよね。あとは、賞金。足りるといいのですが……。


3着プログノーシスの走りも、圧巻だったと思います。1戦1勝で中一週、普通はこのレベルでまともに戦えないですよ。最後、上位2頭には離されましたけど、この馬の1:44.2でも破格ですし、ホント、いい馬だな、と。

ただし、この馬は、今後どうするんでしょうかね。個人的には、無理にダービートライアルとか使わないで、じっくりと成長を促してほしいとは思いますけど、さて、どうなりますか……。


4着ルペルカーリアも、普通なら勝っていて不思議でないくらいの見事な走りを見せられたと思います。この馬の1:44.4という走破時計でも、十分すぎるほど優秀ですし、レースぶりも安定感を増してきましたから、もういつでも重賞を勝てるレベルにあると考えていいでしょう。

ただまあ、クラシックに固執しないのなら、自己条件から徐々にステップアップしていく方法もありますから、気持ち的には、無理せずじっくりと育てて行ってほしいなとは思います。


いや~、今年の毎日杯は、ホント衝撃的なレースでしたね。

これで牡馬クラッシック戦線の戦力図がぼんやりと見えてきたことにはなりますが、皐月賞はともかく、今年のダービーは予想しがいのあるハイレベルの組み合わせになりそう。

こういうワクワク感のある年って、ちょくちょくあるもんじゃないんです。だから、5月の府中決戦が今から楽しみで仕方ありませ~ん(笑)

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