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週末(1/9,10,11)の3歳戦回顧


この週末、見どころのある3歳戦がいくつかありましたね。

すぐにGⅠに直結するレベルではありませんが、今後、まだまだ成長が見込めそうな馬も何頭かいましたので、今のうちに、しっかりと振り返っておこうと思います。

土曜日 中山9R 黒竹賞


ここは、事前に超ハイレベルレースであることを指摘していたラペルーズ組が、結果的に1着から4着までを独占する非常にわかりやすい結果となりました。

今週の中山ダートは、金杯デーとは打って変わって、砂厚のバランスが非常に良くなって、とてもフェアな条件でレースが行われたと思います。12月の開催は、逆に内の砂が深すぎる印象もあったので、ようやく本来あるべき姿に戻った印象ですね。

条件がフェアであれば、脚質面に関係なく、純粋に能力の高い馬が上位に来るのは当然のこと。1着~4着まで、ラペルーズ組の6、2、4、9着馬の順で入線したことは、まあ、そうでしょうね~、というシンプルな結果だったと思います。


勝ったティアップリオンは、前走、スタート直後に挟まれて後方からのレースになり、3コーナー手前から大外をマクってくる大味な競馬をしていました。今回は、互角のスタートからハナを主張し、決して楽なペースではなかったものの、地力の高さにものを言わせて、しっかりと勝ち切りました。

2着のディールクルムは、読み通り今回も出遅れましたが、このフェアな馬場なら、地力にものを言わせて追い上げてくることができます。時計面では、前走ほど走れていないという見方もできますが、内容的には、その能力の高さを十分に発揮していると評価できるでしょう。ただ、この手のタイプは、新潟や中京の千八を使ってくると、かなりの確率で取りこぼします。中山でも、金杯デーのような馬場になったら、やっぱり危ない人気馬になりますから、この点は、是非、頭の片隅に置いておいてください。

3着メイショウムラクモは、スムーズなレースができずに、完全に脚を余してしまいましたね。道中の捌きや、4角のコース取りがもっとスムーズだったら、確実に上位2頭に肉薄していたでしょう。能力的には、上位2頭と差がないので、この馬も、まだまだ馬券の対象にできる非常にいい馬だと思います。

4着ショウリノカンパイは、相手関係が楽になったことと、自身のレースぶりにも進境があったことで、あわや馬券圏内かという見せ場をつくってきました。今回は、噛み合った中での4着なので、上位馬をすぐに逆転するのは難しそうですが、さらに相手関係が軽くなれば、普通に上位候補に位置付けていい馬なのではないでしょうか。

5着ピースマッチングは、時計的によく走っていると思いますが、今回は相手が強かったことと、自身、もう少し脚抜きのいい馬場の方がよかったという面はあったと思います。とはいえ、脚質的に大崩れがないタイプでもありますから、次走、今回と同様に時計のかかる馬場でのレースになっても、引き続き上位候補の扱いでいいでしょう。

しんがり負けのルーパステソーロは、まだまだ気性が幼いですね。能力的にこんなものではないので、未勝利勝ちした時のように、序盤はソロっと追走して、向正面で一気にマクリ切るような競馬ができれば、次走で一変する可能性も残されているでしょう。こういう安定性に欠けるタイプの馬は、好配当を連れてきてくれることも多いので、今回の凡走で安易に見切らない方がいいと思います。


…にしても、です。ラペルーズ組の上位3頭で決まって、3連複が51.1倍。これは、さすがに異常なオッズですよね。どうしてこんなおかしなオッズになるのか、正直、理解に苦しみます。こちらの利益だけを考えれば、シンプルに予想してこのオッズなら、棚から牡丹餅ならぬ棚からフォアグラ的な話ですが、オッズに影響力を持つプロの方々は、いったい何をやっているのかと、、、

やっぱり、競馬ファンのレベルを上げるためには、僕らアウトサイダーのよりいっそうの頑張りが不可欠であることを、痛感させられるような結果になったとも言えるのではないでしょうか。

日曜日 5R 3歳未勝利


このレース、今後、ちょっとポイントレースになりそうなので、軽く取り上げることにしました。

失格明けのソーヴァリアントが、JRAから明確な説明がないまま出走してきたのにはちょっと驚きましたが、その件はさておくとして…。

勝ったグローリアスサルム、3着のジルブラスは、ディオスバリエンテ組の5、4着馬なのですよね。当時3着だったアサマノイタズラは金杯デーに未勝利を勝ち上がっていますから、どうやらディオスバリエンテ組は、時計以上にメンバーが揃っていたよう。当時2着のボーデンが、次走確勝級であることは当然として、苦しい競馬で勝ち切ったディオスバリエンテの次走は、要注目ということになりそうです。

堀厩舎の良血馬なんで馬券的妙味はまったくありませんが、今後、クラシック戦線を賑わす存在になっていく可能性も十分。そういう意味で、皆さんにも、ディオスバリエンテという馬を、ちょっとだけマークしておいてもらいたいと思います。

日曜日 中京11R シンザン記念


ここは、ロケットスタートからスンナリとハナを切ったピクシーナイトが、悠々と逃げ切り勝ちを収めました。

トラックバイアス的に、積極的に前に行った馬が残るであろうことが容易に予想される中で、外枠からロスなくハナを取り切った福永Jの手綱さばきは、ほぼ神業レベルだったと思います。馬も一戦ごとに成長していて、パドックの雰囲気も抜群。まあ、あれだけスンナリとハナを切れれば、その時点でほぼ勝負あったの感もありましたね。


2着のルークズネストは、なんとか五分に近い形でゲートを出られて、中団でギリギリ折り合うことができていました。幸Jからは「掛かり気味だった」というコメントも出ていますが、少なくとも、はじめて常識にかかるレースができたのは事実でしょう。

そうなれば、やっぱり素質的にこのメンバーなら通用するんですよね。直線で伸びない馬場の外目に出しても、最後までしっかりと脚を使って、バスラットレオンを交わし切ったのは立派だったと思います。


3着のバスラットレオンは、かなり厳しい競馬になってしまいました。スタートが今ひとつで、ピクシーナイトに楽々と前に入られ、さらに外からロードマックスに掛かり気味に来られて、前半は促しながらの追走。普通なら、大失速してもおかしくない競馬になっていましたね。

それでも3着を死守したのは、やはり地力の高さがなせる業。どうにも噛み合わない競馬が続いていますが、この敗戦で、大きく評価を下げる必要はありません。ただし、ここで賞金を加算できなかったことはかなり痛い。この先のローテーションが厳しくなりそうなことは、あまりいい材料ではないでしょう。


4着ククナは、ルメールJができることはすべてやりきった結果として、この着順でした。まあ、この馬場で外から差し切れという方が無理な話ですし、人気を裏切ったというよりは、むしろよく走っての4着だと思います。

まあ今回は、さすがに人気しすぎで、そこまでのポテンシャルがある馬ではないでしょう。それでも、桜花賞戦線では、確実に上位を争える馬ではありますから、これからもうまく付き合っていく必要がある馬という評価に変わりはありません。


5着セラフィナイトは、とても勝負にならない位置から、大外をよく伸びてきたと思います。パンパンの馬場ならもっと走れそうなので、どこかでうまく賞金を上積みできれば、NHKマイルCあたりで見せ場をつくれそうな気もするのですよね。今回は、非常に厳しいレースになった中で、本当によく走っていると思います。

14着カスティーリャは、レース前からテンションが高く、返し馬の時点でひどく発汗していました。馬体面は悪く見えませんでしたが、今回は、メンタルの部分で、走れる状態に戻っていなかったという評価になります。


馬券的には、完全に福永Jにしてやられた格好ですが、ルークズネストをしっかりと拾えていて、ククナをちゃんと消せているので、自分的には納得できる結果ではありました。見どころ解説としては上々、ただし、最後のまとめが0点。そんな感じになってしまって、その点は、ただただ申し訳なく、、、

月曜日 中山11R フェアリーS


このレース、結果的に見ると、ジョッキーの心理が大きく結果を動かすレースになってしまいました。

中山の芝コースは、正月明けから日曜日の中盤あたりまで、はっきり外伸び傾向が顕著だった中で、日曜日の最終レースから、月曜日の5R、10Rと最内を通った馬の逃げ切り勝ち3連発。これが、津村Jのまさかの向正面マクリを誘発したことは間違いないでしょう。

確かに、日曜日の後半から、外伸びのバイアスが徐々に薄れつつあったのは事実ですが、逃げ切りが決まるようになったのは、ジョッキーたちが外伸び馬場を意識して、ペースがスローに振れたことが大きかったのですよね。ただ、そこを無視して、向正面で11.0なんてラップを踏んでマクリ切ったら、そりゃあ~粘り切れるわけがありません。

その結果、前受けした馬たちにとってもかなり苦しい競馬になって、外から差してきた馬のワン、ツー、スリーになりました。


勝ったファインルージュは、ルメールJのペース判断が見事だったのもありますが、馬自身も、距離延長をモロともせずに突き抜けたわけですから、中山のマイルという条件でも、しっかりと自分の力を出し切ってきたのは見事でした。

まあ、ハマったのは事実なんですけど、この馬自身、まだ底を見せてもいませんから、相手に恵まれただけの重賞勝ちと決めつけるのは、やや危険かもしれないですね。次走が試金石、そう考えていいと思います。


2着のホウオウイクセルは、予想どおり、外枠の利を生かせた格好になりました。ただ、今回は、すべてがうまくハマった印象も強いので、桜花賞戦線でどうこうという雰囲気は、正直感じませんね。

3着ベッラノーヴァは、一旦下げて大外というイメージどおりの競馬で好走してきました。さすがに突き抜けるところまでは行きませんでしたが、丸山Jの冷静な判断は光りましたし、馬の方も、現状の力はしっかりと出し切れたと思います。

ところで、昨日、2年続けてフィリアプーラの再現は…、みたいな書き込みをしてしまったのですが、それは2年前の話でしたね。最近、どうにも記憶が錯そうすることが多くなってしまいまして、もう、ホント、お恥ずかしい限りです。


4着テンハッピーローズは、クールキャットのマクリの影響を受けたのは事実でも、さすがに、もう少し頑張ってほしかったなと思います。う~ん、サトノレイナス、ククナとの比較から、もっとやれるはずだと思うのですけれど、ここは、一度、立ち止まって考えたほうがいいのかもしれまえん。

余談ですけど、シンザン記念のククナの走りを見ても思うのですが、ソダシ以下、阪神ジュベナイルF組のレベルは、それほどでもないのかなという印象を、最近、抱くのですよね。この感じだと、現状1戦1勝のアールドヴィーヴルやレフトゥバーズあたりが、桜花賞で一気に主役の座を勝ち取る可能性もあるのかなと、、、

9着シャドウファックスは、この厳しい展開になってしまうと、素材の差がはっきり出てしまうのは仕方がないことだと思います。クールキャットのマクリがなければ、少なくとも大敗することはなかったでしょうから、このメンバーでは完全に力不足だったと断定してしまうのは、ちょっと危険な印象もありますね。


馬券的には、ヒモ的な位置づけで挙げた馬のワン、ツー、スリーですから、これはもう、笑うしかありません。

でも、これもまた競馬。的中せずとも、こういう中身の濃いシミュレーションを続けていけば、必ず、こちらに追い風が吹く瞬間があるものです。個人的には、結果だけを見て一喜一憂することなく、精緻な予想の組み立てを継続していくことに、これからも力を注いでいこうと思っています。

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