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第38回 ホープフルステークスの回顧

今年最後のGⅠ競走は、素質馬キラーアビリティが、先行策からの横綱相撲で完勝。初重賞制覇を、見事GⅠで飾るという快挙を達成しました。

では、早速、レースを振り返っていくことにしましょう。

中山11R ホープフルステークス


レースは、内からグランドラインが積極的に出して行って、12秒台前半のラップを安定的に刻みつつ、終始淀みのないペースに。ラップ構成がかなりタイトになった分、立ち回りの部分で後手を踏み、無駄に外を回される形になった馬には、かなり厳しい展開となりました。

また、道中で息を入れづらい流れでもありましたから、その分、最後は上がり時計を要する底力勝負。そんな中、3番手追走から後続を待ってゆっくりと追い出し、そこからしっかりと加速を踏んで後続を完封した勝ち馬は、見た目以上の楽勝だったように思います。


勝ったキラーアビリティは、こちらの想像よりも前々の位置でレースを進める形になりましたけど、前走のように意図せず早仕掛けになったわけではなく、自然体でレースの流れに乗って行ったら、結果的にスンナリと好位を取れたというだけ。よって、前走とはまったく違い、前目の位置にいても、脚がしっかりと溜まっていましたね。

それでも、この馬の本質はパンパンの馬場で切れ味を生かす競馬でこそ、と思っていたので、まったく心配がなかったわけではありませんでしたが、終わってみればそんな心配も杞憂に終わりました。ただ勝つだけでなく、スイートスポットの広さを見せつける形で楽に勝ち切れたことも、この馬にとって大きな収穫となったのではないでしょうか。


2着のジャスティンパレスは、これまでの2戦とはまったく違うレースになったにもかかわらず、終いにしっかりと脚を使えたのですから、キラーアビリティーには完敗でも、この馬としては大好走と言えるでしょう。

もちろん高いレベルで言えば、スローの番手から抜け出す競馬のほうが向いているのでしょうが、この馬も予想外のスイートスポットの広さを見せたという点では、非常に収穫の多いレースとなったような気がします。


3着ラーグルフは、枠の利を生かしてうまく流れ込んできた印象ですね。

ただし今回は、この内枠も、レース展開も、すべてが噛み合ったイメージが強く、丸田Jも落ち着いて乗れていましたから、これ以上があるかと言えば、正直、ウ~ンとはなります。馬体が増えて馬は良くなっていましたし、時計面も含めて確かによく走ってはいるのですけれど……。


4着フィデルは、うまく内を捌いてきた川田Jの手綱さばきが光りました。ただこの馬も、現状は一線級相手では足りないことがはっきりした部分もあって、あとは今後の成長に期待というところでしょうか。

6着マテンロウレオは、新馬上がりとしては非常に内容の濃いレースができていたと思います。この馬は雰囲気もそうですが、血統的に距離が伸びていい馬だと思いますので、菊花賞あたりでいいレースができれば、、、という感覚を持って、今後はこの馬の成長曲線を注視したいですね。

7着アケルナルスターは、一瞬、オッというシーンがありましたし、最後は勢いが止まってしまいましたけど、3着とコンマ1秒差なら大健闘と言えるでしょう。


10着アスクワイルドモア、11着オニャンコポンは、このあたりが妥当な着順なのではないでしょうか。さすがに今回は、穴人気しすぎだと思います。

12着コマンドラインは、そもそも能力上位ではなかったのだろうと思います。ただ、それに加えて予想どおりの出遅れがあったにしても、さすがにちょっと負けすぎのような気がしないでもありません。敗因に関しては、この後、陣営やジョッキーからコメントが出てくるでしょうから、まずはそれを聞いてから判断することにします。

13着サトノヘリオスは、4コーナーで外に飛んで行ってしまいました。ただ、外から仕掛けて行った時点で今回は無理筋だったと思いますし、なんだかんだ、ローテーションが詰まっていたことが影響したフシもありましたから、現時点では力を出し切れずの敗戦と見ていいのでしょう。あとはこの馬に関しても、関係者のコメントを聞いてから、敗因をじっくりと精査するイメージとなりますね。


さて、今年最後のGⅠとなったこのレース、事前に一騎打ちと見ていた2頭の結果が、大きく明暗を分ける形になってしまったのですけれど、これもまた、2歳GⅠらしい結果と言えばそうなのでしょう。

個人的には、サトノヘリオスの大敗は想定内と言えば想定内ではありましたが、ジャスティンパレスの2着好走のほうが、読み違い感がハンパなかったのですよね。読み違いの方向性が、朝日杯フューチュリティステークスのドウデュースと被っていることも反省材料のひとつではあり、このあたりはまだまだ修行が足りんな、と。

それでも、事前に「ほぼ負けない」とまで書いたキラーアビリティが快勝してくれたのはよかったと思いますし、結果、部分点しか取れませんでしたけど、気持ち的にはスッキリしています。有馬記念、ホープフルSと、予想がビッタビタとは行かない中で、なんとかうまいこと凌げたのはよかったんじゃないでしょうか。


さてさて、次の中央のGⅠは、フェブラリーステークスまでしばらくおあずけとなりますね。その間は、障害レース中心の見どころ解説となりますが、引き続き「本気の競馬力向上研究所」をお引き立ていただければ幸いです。

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それでは皆様、来年も良いお年をお迎えください。そしてまた、「本気の競馬力向上研究所」をどうぞよろしくお願いいたします!

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