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第63回 京成杯/第70回 日経新春杯のみどころ

明日は、中山で京成杯、中京で日経新春杯が行われます。

では、早速、それぞれのレースの見どころについて、解説していくことにしましょう。


中山11R 京成杯


例年、ここはクラシックに直結することがあまりないレースとなっていて、エイシンフラッシュのような例外は当然ありますが、将来、条件クラスを脱出できないくらいのポテンシャルの馬でも、ソコソコの勝負になってしまうケースが多いということは、ひとつ頭に入れておいたほうがいいでしょう。

つまり、力があれば、少しくらい距離が長くても好走してしまうとか、逆にここが適距離であれば、少しくらいポテンシャル面での不安を抱えていても、なんだかんだ勝負になってしまうということがたびたび起こるレース。そんな言い方もできるのではないでしょうか。


今年のメンバーをざっと見渡すと、例年どおり距離延長組の参戦もありますから、距離適性とポテンシャル面のバランスを上手に取りながら、うまいことシミュレーションを組んでいかないと、おそらく結果にはつながらないのでしょうね。

特に、キャリア一戦とか二戦の馬の評価は慎重にしないといけなくて、そこをザックリとやってしまうと、あとで後悔することにもなりかねない。そんな気がします。


展開面では、グラニットの単騎逃げはほぼ確定的であるものの、あんまり道中でスローにペースを落とすと、ガツンと引っ掛かりそうな馬も何頭かいますから、嶋田Jのペースメイク次第で、結果が変わる可能性はあるのだろうと考えます。

いずれにしてもこのレースに関しては、、道中で何が起こるのかを完全に読み切るなんて到底不可能ですから、最終的には、自分なりの拠り所をキッチリと見定めた上で、あとはそれに沿って淡々とレースをシミュレートしていくしかないのでしょう。


ということでここは、素直に⑦セブンマジシャンを推します。

この馬は、中山コースにも、この距離にも実績があって、「メンバーが揃っていた年末のホープフルSでも、大きくは負けていない」という確かな実績がありますから、もしも死角があるとすれば、この詰まったローテーションだけなのかな、と。

とはいえ、さすがに体調面がホープフルS以上ということはなさそうですけど、追い切りの映像を見る限り、特に疲れが残っているという状態にも見えませんから、ならばこの馬の実績を信頼するのが、シンプルに的中への近道となる。そう考えました。


2番手は、①サヴォーナ

この馬は、デビュー戦でセブンマジシャンにコンマ8秒の差をつけられて敗れているのですが、コース取りで相対的にロスが多かったことを考慮すれば、ここでその差が一気に詰まる予感はするのですよね。

前走は裏開催での勝ち上がりとなりましたけど、目立たないながら勝ち時計は優秀な部類ですし、距離が二千に伸びてレースぶりがさらに良くなった印象もありましたから、仮にセブンマジシャンとの差をコンマ2,3秒まで詰められたとすれば、馬券圏内の期待は大なのではないか。そんなふうに考えてみたところです。


3番手は、⑧グラニット

こちらは、前走の朝日杯がハナに行き切れずに厳しい競馬となってしまいましたが、それでも大崩れせずに最後まで踏ん張っていましたし、千八の距離で未勝利勝ちしたレースを振り返ってみても、距離はベストではないながらもギリギリこなせる範疇とみていい気がします。

あとは、嶋田Jのペース配分次第なので、見ている側からすれば、「あとはなるようになるさ!」としか言いようがありませんね(笑)。


最後4番手は、④ソールオリエンス

初戦は、完璧な立ち回りをした2着馬を力任せに外からねじ伏せる掛け値なしの強さでしたし、その2着馬が次走で楽勝したことを考えても、この馬がそれ相応の素質馬であることに間違いはないと考えています。

ただ、レースの中身自体は、スローからの瞬発力比べでしかなかったので、「この条件に替わって追走にもっと脚を使わされた時に、はたして前走と同じような脚を使えるのだろうか?」と思案してみると、正直、怪しいところがあるのではないか、と。

個人的にこの馬は、マイルから千八くらいがベストという印象を持っているので、素質の高さは認めても、いきなりの重賞挑戦、さらに2,000mへの距離延長でアッサリと勝ち切るイメージまでは……という感じでしょうか。

それでもこのメンバー構成なら、素質の高さだけで馬券圏内を窺うところまでは行きそうな気がしたので、やや中途半端ではありますが、この位置で最後に拾うこととしました。


その他、シャンパンカラーは、前走でハナに行ってしまったのが嫌なんですよね。グラニットの後ろ、離れた2番手で折り合う形になれば、この距離でももちろん怖さはあるのですけれど、「凝縮した馬群の外々」みたいな形だと、スムーズに走るのはちょっと難しい気がして少し評価を下げました。

シルヴァーデュークは、この馬の堅実な成績を一定程度評価しつつも、やはり決め手不足は顕著だと感じますし、距離もベストはマイルから千八という印象があるので、崩れず走って掲示板の下のほうまで。そう決めつけることにしました。

シルバースペードの前走は、控えて末脚を生かす味なレースができていましたので、これくらいのメンバー構成なら、力は通用すると思うのですよね。ただこの馬も、この距離は微妙に長い気がしたので、ポテンシャル面を併せて考えた時に、どうしても拾い切れませんでした。

シーウィザードは、枠の並びが良くて、インのポケットの位置でスムーズに流れに乗れそうですから、ここまで相手が落ちれば、好走の可能性はあると思うのですけれどね。最大限、展開に恵まれたホープフルSで、一定のロスがあったセブンマジシャンに完敗ですから、さすがにこの馬を積極的に狙うという判断にはなりませんでした。


中京11R 日経新春杯


このレースに関しては、あくまでも個人的な妄想ですけど、よく見る普通のレースにはならないのだろうと考えています。

具体的には、「キングオブドラゴンが、後続を引き離す大逃げを打つのではないか」と考えていて、それをある程度追いかけていくのも、アフリカンゴールドただ一頭。そんな「ポツン、ポツン、グチャ」という展開になるのではないか、と。


さらにここはハンデ戦で、各馬に絶妙なハンデが振り分けられている印象もありますから、人気は意外と一部の馬に集中しそうな感じがしますけど、それが結果とリンクするかどうかはかなり微妙。そんな見立てをしています。

なお、このレースに関しては、直前のトラックバイアスも読みにくいので、上位4頭を取り上げるところまでにして、あえて順位付けはしないという対応にしたいと思いますので、どうかご了承ください。


上位に推す1頭目は、その大逃げ想定の⑩キングオブドラゴン

この馬は、なんとなく長距離で走っているイメージがありますが、最も実績を残しているのはこの距離ですし、競走生活中のベストパフォーマンスは、昨年の湾岸ステークス、2,200m戦でしたからね。

ちなみにこの湾岸S、レース全体のラップが12.5 - 11.7 - 12.3 - 11.1 - 11.5 - 11.8 - 12.1 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 12.6という常軌を逸するような構成になっているのですが、キングオブドラゴンはこのラップで他馬と競り合いながら先行して、なんとそのまま押し切ってしまったわけですから、そりゃあ驚いたのなんの……。

つまり当時のレースからわかることは、この距離でレース中盤にペースを落とさない大逃げを打ってしまえば、後続を幻惑しつつ、最後まで踏ん張り切れるだけの高いポテンシャルをこの馬は持っている。そういうことなのだろうと考えます。

この馬のこうした過去の実績は、研究熱心でクレバーな坂井瑠Jのことですから、必ず頭の中に入っているはずで、しかもここは人気薄、かつ自厩舎の馬であることをも考えると、ここでリスクを負って勝負に出るために越えなければならないハードルは、それほど高くはない。そう判断しました。

もしかしたら、ただの妄想で終わってしまうかもしれないですけど、こんなことをあれこれと考えてみるのも、競馬の醍醐味のひとつですからね。


2頭目は、⑬アフリカンゴールド

この馬も、離れた単独の2番手という形になれば、それは願ったり叶ったりなんじゃないかと思うのですよね。

前後に馬がいないノーストレスな状態で走れると、この馬も簡単に止まるような馬ではありませんから、道中のペース次第では、「行った行った」の完成まであり得るのではないか、と。


3頭目は、⑭サンレイポケット

この馬は、ブリンカーを着用した2戦こそ、この馬らしいしぶとさが影を潜めてしまいましたが、ブリンカーを外した前走では、この馬本来の走りが戻ってきていましたから、極端に年齢的な衰えがあるわけではないと考えたほうがいいのでしょう。

中京2,200mへのコース替わり、鮫島克駿Jへの乗り替わりは、ともに大きなプラス材料となりますから、道中で動ける器用さがないことが、特異な展開の中でむしろ吉と出る。そう判断しました。


4頭目は、③ロバートソンキー

この馬も、「インで脚を溜める」という自分の形を持っている馬ですから、どんな展開になろうとも、ブレずに自分のレースを貫こうとすることが、結果としていいほうに出るんじゃないかと思うのですよね。

メンバーレベル的にも、オールカマーの時だけ走ったら十分に勝負になるイメージになりますから、「伊藤工真J、念願の重賞初勝利!」というサプライズだって、十分に起こりうるのではないか。そう考えています。


ちなみに、中日新聞杯組については、レベルが高くないと見て、全馬、ビシッと消しました。

中山金杯で学んだことは、しっかりと次に生かさないといけませんから。


菊花賞入着組も、騒ぐほどのレベルにはないと考えています。勝ちに行っての入着なら、もう少し高い評価をしてもいいとは思うのですけれど、追い出しを待っての入着ですからね。

また、着順は別として、レース内容的には、ヤマニンゼスト、プラダリア、ヴェローナシチーの3頭がほぼ同等程度のレベルであったと考えているので、ならば3頭まとめて消してしまうのが最もシンプルな考え方。そう判断しました。


残る有力馬、ヴェルトライゼンデに関しては、「末脚の持続力」という部分に明らかなウィークポイントを抱えていると見ているので、キングオブドラゴンの大逃げを自ら捕まえに行こうとすると、差し脚が鈍って前を捕えきれず、さらには後続の馬にもに差されるという最悪の循環に陥りはしないのか、と。

もちろん、スローになった時には、普通に別の結果もありえそうですけど、もしもこちらの想像どおり自分から前を捕まえに行く形になった場合は、余計に59kgの斤量が重くのしかかることにもなりますので……。

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