2歳戦トピックス(8/1,2)


今週の2歳戦にも、見どころのあるレースが複数ありました。何頭かの馬にフォーカスしながら、簡単に振り返っておこうと思います。

今日振り返るのは、次の3レースです。

新潟土曜日:2R未勝利芝1,600m
新潟日曜日:1R未勝利芝1,200m
札幌日曜日:5R新馬芝2,000m


まず、土曜日新潟2Rから。ここは、本題とは少し違う角度から注目していたレースでした。

このレース、1番人気の⑨フォティノースと5番人気の⑰アルムファーツリーは、前走ダノンシュネラが勝った新馬戦でハナ差の接戦を演じていました。両馬とも、非常に内容の濃いレースをしていましたから、ここで上位人気を形成することになったのは当然のことでしたね。


ここまではよくある話なんですけど、ここからがちょっとしたコネタ。

実は、前走、最後の直線でフォティノース騎乗の福永Jが手綱を滑らせ、ハミをかけ直す大きなロスがあったのです。さらに今度は、ゴール直前でアルムファーツリー騎乗の西村淳Jが同じように手綱を滑らせ、まともに追う動作をできないままゴール。

まるでコントみたいなアクシデントが同じレースで2度も起こり、その2頭がハナ差の接戦ですから、これはさすがに見たことがないレアな光景だったというわけです。問題は、どちらの馬の方がより不利が大きかったのかということ。その答えがこの土曜日新潟2Rで示されるわけですから、当然、注目しないわけにはいきませんでしたね(笑)


結果、好位を楽に追走していた⑨フォティノースが、完璧な競馬でインから抜け出した④キャロライナリーパをゴール前でギリギリ捕えて、見事勝利を飾りました。

初戦の時も思いましたが、やはりこの馬はレースセンス抜群ですね。上がりの速い競馬になったので、普通なら④キャロライナリーパを捕まえきれないパターンなのですが、ギリギリとは言え、勝ち切ったのは見事だったと思います。

一方の⑰アルムファーツリー。外枠の不利を補うべく、向正面で前の馬の後ろに入れようとした西村淳Jの判断は正しかったのですが、そうはさせじと⑬セイウンロミオの内田博Jにスペースを詰められ、結局、しばらく外々を走らされる格好になったのは痛かったですね。それでも崩れなかったのは立派で、この4着は内容のある4着だったと言えるでしょう。

ただ、もし道中をロスなく運べていたとしても、⑨フォティノースに先着することはなかったと思います。そういう意味では、新馬戦での不利は⑨フォティノースの方が大きかったのかもしれません。ただ、あのレースのダノンシュネラは普通に強かったですから、アクシデントがなくても着順は変わらなかったはず。まあ、そのあたりの"さじ加減"を検証できたのは、このレースを観ての大きな収穫ではありました。


もう一言付け加えると、⑨フォティノースにはまだまだ伸びしろがあって、仮に新潟2歳Sに出てきても、それなりの勝負はできそうな気がしています。ただ、あの頭の高い走法は、どこかの段階で弱点にはなってきそうです。今後、相手が強くなってきた時に、追い比べで見劣るシーンが出てくることも、頭の片隅には置いておこうと思っています。

⑰アルムファーツリーの方は、すぐに未勝利は勝ち上がれるでしょう。人気になりづらい川村厩舎の馬でもありますから、未勝利勝ち時に小金を稼ぎ、1勝クラスで大金を稼ぎたいところ。いずれにしろ、これから上手に付き合っていきたい馬ではありますね。


お次は、日曜日新潟1Rを取り上げてみたいと思います。

注目馬は、勝った⑦ニシノアジャスト。なんだか面白みのない注目馬のように思えるかもしれませんが、まあ少しだけお付き合いを。


このレース、勝ち時計も遅いですし、一般的にはレースの上がりがかかったことで⑦ニシノアジャストが差し届いたという評価になるのでしょう。また、メンバー構成もかなり手薄でしたから、この勝利を高く評価する論調はあまり見られないのかもしれません。

ただ、リーチザクラウン産駒のこの馬、やや地味な血統ながらなかなかの好馬体を誇っていますし、短距離戦で活躍したお母さんの血をしっかりと受け継いでいる印象もあります。今回のレースでも、最後の直線で前が壁になって追い出しを待たされる形になりましたが、前が開くと一気に伸びてきていて、まだまだ脚が余っていたようにも感じました。

イメージとしては、短距離の差し馬として着実に力をつけていく感じでしょうか。道中、自分のペースで運べれば、必ず最後に脚を使える雰囲気はあるので、それなりに相手が揃う1勝クラスやオープン特別でも、いずれ勝ち負けまで期待できるのかなと。

ニシノの馬で、小手川厩舎。どうせ人気とは縁がないのでしょうから、差しが決まりそうなメンバー構成になったところで、ドカンと狙ってみたいなと妄想しています。マイル戦で凡走を繰り返してから、秋の福島2歳Sあたりで大外一気。なんてね。


最後に取り上げるのは、日曜日札幌5R。

注目馬は、ここを勝った⑦バニシングポイントです。こちらは藤沢和厩舎の良血馬ですから、馬券的妙味とは無縁の存在。それでも、あえてここで取り上げてみたいなと思うだけの不思議な魅力がありました。


この馬、母の父がUnbridled's Songで父がTapit。まあ、ちょっと競馬を知っている人ならすぐにわかるコテコテのアメリカ血統なんですよね。だから、芝のレースに使ってきての単勝1倍台の人気なら、当然、疑ってかかりたくなるもの。でも、調教の映像を観た瞬間に、そんな邪念は一気に吹き飛ばされてしまったというわけです。

なんたって、大飛びで脚を前に伸ばす独特のフォームは、芝で悪いわけがない。むしろダートを使ってきた方が不安になるほど、キレイなフットワークで走っていたんです。

レースでも思った以上に行き脚がついてハナを切ると、そこから素晴らしいフットワークで走っていました。道中は楽なラップでしたし、勝ち時計もそれほど強調できるものではないけれど、まあそんなことはお構いなしでしょう。この馬は、今まであまり見ることがなかったちょっと異質な大物。そんなイメージを持ちました。


まあ、あれだけフットワークが大きいので、器用さには欠けるでしょうし、血統的にもまれ弱さがある可能性もあるわけですが、現状では、そんな重箱の隅をつつく必要もないかなとは思います。次、どこを使ってくるのかわかりませんが、この馬の走りからしばらく目が離せそうにありません。

まだ新馬を勝ったばかりとはいえ、レースぶりから受ける印象としては、東京の2400がピッタリにも思えます。馬券的な話はともかくとして、順調に成長していってほしい逸材であるのは間違いありませんね。

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