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第42回 ジャパンカップのみどころ

明日は、東京競馬場でジャパンカップ行われます。

先週のマイルCSほどではないにしろ、まさに群雄割拠、ノーチャンスの馬は半分以下というほどの大混戦となりました。

それでは、早速、レースのみどころについて解説していくことにしましょう。


東京12R ジャパンカップ


まずはじめに、レースの全体像の考察から始めてみることにしましょう。

今年の古馬中距離戦線は、メンバーレベルがかなり低調で、秋の天皇賞などは、絶妙の逃げで2着と健闘したパンサラッサを除き、ダービーからのぶっつけで臨んできた3歳馬2頭に全馬トンコロの内容でした。

古馬の一線級がこの程度の内容でしか走れないとすると、外国馬にも、GⅠ初挑戦の上がり馬にも勝ち負けのチャンスがあると考えるのが自然で、残念ながら今年も、レースレベルが低調なジャパンカップになってしまいそうだな、と。

また、昨年のこのレースを振り返ってみても、3着シャフリヤールと7着シャドウディーヴァはたったのコンマ4秒差しかありませんでしたし、その間にグランドグローリーとユーバーレーベンが挟まっていたことを考えると、一年後に枠順を変えてレースをやる以上、昨年の着順はほとんど参考にならない。そんな言い方ができるように思います。

確かに競馬ファン注目のレースではありますが、冷静な目で見れば、実は大したメンバー構成にはなっていない。ちょっと手厳しいですけど、そう表現しても決して間違いではなさそうなんですよね。

そうすると、まずは外国馬をどう評価するか。ここがひとつ目の大きなポイントになってきそうだな、と。

今回の日本馬のレベルを考えれば、今回、来日した各馬のポテンシャルで足りないとは思えませんから、あとは体調面と日本の馬場に対する適性をしっかりと見極められるかどうかにかかっている気がします。ただ、実はそこの判断が最も難しいわけで、ここは最後まで悩み抜くべきポイントになりそうですね。

次に展開面ですが、このメンバー構成なら⑨ユニコーンライオンの単騎逃げが濃厚でしょう。

⑦テュネスもできれば逃げたいクチのようですが、そもそもユニコーンライオンとはテンのダッシュ力に差があるでしょうし、鞍上がメリハリの利いた騎乗をする国分優Jであることを考えれば、後続を離しての大逃げまで想像しておくべきなのではないでしょうか。

ただし、その後ろの並びは微妙で、⑪カラテあたりが積極的に前の位置を狙ってきそうですが、いずれにしても後続はスロー必至。またしても、秋天のような「ポツン・・・・・・・・・グチャ」っとした展開になることも大いに想像されますから、もしも差し馬に好走を期待するなら、上がり3ハロン33秒を切るキレ味抜群の馬か、前々の位置から早め早めの競馬を仕掛けてきそうな馬。そう考えていいのかな、と。

いや~、展開次第で紛れそうなニオイがプンプンしますね。ここを読み違えたら、かなり厳しい結果になりそう。そんな気がします。

最後にもうひとつだけ気になる点を挙げておくと、土曜日の競馬を終日観ていた感覚として、後半になってにわかに外差しの傾向が強まってきたように見える点でしょうか。

土曜日の後半2レースは、本来なら前の馬だけで決着してもおかしくないラップ構成になっているのですが、一頭は外からの追い込みが届いていて、その届いた馬がともに人気薄の馬であったことも、注目に値する事象のように思えるのですよね。つまり、ベースとなるポテンシャルにプラスして、トラックバイアスが味方した部分もあっての好走ではないか、と……。

まだ、はっきり外差し有利というところまでは行っていませんが、ジャパンカップが発走する頃には、明確に外有利なバイアスがかかっている可能性もあるので、その点は必ず頭の片隅に入れておかねばならない。そんな気がしています。

さて、以上を踏まえてここからは個人的な見解を。

中心には、⑥ヴェラアズールを推します。

前走の京都大賞典の勝ちっぷりは、2着のボッケリーニをパラメータとして考えれば、優にGⅠ級のパフォーマンスと言っていいレベルのものでしたし、「スローペースでも抜群の瞬発力を駆使して差し込める」というこの馬のキャラクターは、はっきりこのレース向き。そう考えます。

ただし、ムーアJへの乗り替わりは、はっきりマイナス材料であるとも考えていて、国際競走では特に強気な騎乗をするムーアJが、折り合いの難しいこの馬を無理に動かして行こうとして早めに脚を使い過ぎたり、道中で馬とケンカして自爆するケースなども、それなりの確率であり得るのかな、と。

よって、一定のリスクを背負うことにはなりますが、道中でじっくりと脚を溜めてこの馬本来の力を出し切れるようなら、ここは勝ち負け必至。そんな評価としておきます。

2番手は、⑤グランドグローリー

昨年のこのレースや、今年のプリンスオブウェールズSのレース内容を冷静に振り返ってみると、今はシャフリヤールよりもやや上か、くらいの評価は最低でも必要。そう考えています。

昨年以上のスローになったら嫌ですが、ちょっとでもタイトな流れになるようなら、外が伸びる馬場を味方につけて、この馬が勝ち負けに絡んでくる絵面も十分に想像できますからね。

3番手は、⑪カラテ

この馬に関しては、距離適性が未知数ではありますが、馬の体型やフットワークを考えれば、まったく対応できないとは考えづらいのですよね。

しかもここは、完全に挑戦者の立場でレースに臨むことができますから、菅原明Jも奇策を打ちやすいはず。個人的には、この馬がユニコーンライオンの後ろの位置を取り切り、この馬らしいしぶとい伸び脚を駆使して見せ場以上のレースをしてくる。そんな妄想をしています。

4番手は、⑰ユーバーレーベン

こちらはスローからの瞬発力勝負になってしまうと厳しいですが、少しでも道中でペースが流れるようだと、外有利なトラックバイアスを味方につけて、大外から豪快に伸びてくる姿が想像できるのですよね。

昨年のレースを振り返ってみても、グランドグローリーとはまったく差のないレースをしていますし、シャフリヤールとの比較でも、今の両者の力関係を考えれば、この条件で逆転してくる可能性も高そうですから、最後の最後に拾うのはこの馬。そう判断しました。

なお、次点は①シムカミルなのですが、この馬は、外国馬の中では軽い芝に対応できそうな走りをしていますし、脚質的にも、前々の位置で競馬ができるのは魅力でしょう。

前走だけでドウデュースとの力関係を正確に推し量ることはできませんが、少なくとも現地でレースをやる限りは何度やってもこちらが前に来るイメージではありましたから、ここでも走破圏の一頭だとは思うのですけれど、最後、この馬までは手が回らなかったというのが実情です。

その他、まずは⑭ダノンベルーガについてですが、この馬にとっての適距離は千八から二千と考えているので、切れ味の質ではここでも他馬を圧倒するレベルにあるものの、この条件だとダービーの時と同様に最後に差し脚が鈍って善戦止まりまで。そう決め打ちします。

⑮シャフリヤールも、適距離は千八から二千でしょうし、その適距離で戦った前走の秋天がもの足りない内容に終わりましたから、100%ノーチャンスとまでは言いませんが、シンプルに期待値の低い人気馬という評価でいいように思います。

③ヴェルトライゼンデ、⑧デアリングタクト、⑬テーオーロイヤルのオールカマー組は、外を回らされた分とその後の良化度を考慮しても、ここで上位評価するには至らない。そう判断しました。

②オネストに関しては、ポテンシャル面で足りないとは思えませんが、こちらは日本の馬場への適性と、脚質的な面を考慮して評価を下げた格好になります。ルメールJですし、有馬記念のハーツクライをやられたら怖い……という想いはありますけど、さすがにそこまでは拾き切れませんでした。

⑱ボッケリーニは、ここでも大きくは崩れなさそうですけど、この条件でのガチンコ勝負ではさすがに厳しいのかな、と。有馬記念で内枠でも引いたら面白そうですから、狙うならこの次。そんな評価にしておきます。

いや~、力を出し切れればヴェラアズールが馬券圏内を外すことはないと思っているのですけれど、今年は本当にGⅠが当たりませんからね。

先週はドン詰まり、そして今週はジョッキーの逆噴射なんて悪夢がつい頭をよぎってしまうので、やっぱり強気に狙って行くのはどうかな、と。

これが弱気なのか、それとも冷静な判断なのかは、まさに神のみぞ知る……ですからねえ~。

いいかげんそろそろ当たってほしいところですが、さて、現実はどうなりますか……。あー、恐ろしい、恐ろしい(笑)

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