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2024_サウジカップデー考察

海外競馬は、オリンピックやW杯と同様に日本馬にフォーカスしつつレースを観て楽しむもの。これが当研究所のスタンスとなります。

よって今日は、サウジカップデーに出走するすべての日本馬について、原則、馬券的な話とは完全に切り離した中で、ザックリとした期待値を書き込んでおくことにしました。読者の方で、海外のブックメーカーを使ってという人はさすがにいないと思いますが、、、

ただしサウジカップに関しては、国内で馬券発売があるという事情もありますので、読者の皆さんに一定の便宜を図る意味を込めて、ライバルとなりそうな外国馬の評価にも簡単に触れておくこととします。


2024_サウジダービー


⑥フォーエバーヤング
対戦する外国馬の戦績から考えれば、海外のブックメーカーのオッズでこの馬が圧倒的な人気に推されるのは合点がいくところでしょう。
ただし、キングアブドゥルアジーズ競馬場のマイルはこの馬にはやや忙しい印象がありますし、枠の並びもやや微妙なところがありますので、普通に考えればほぼ負けない相手関係ではあるのでしょうが、死角がまったくないとまでは言えない気がしています。

⑩サトノフェニックス
不器用なところがあるこの馬にとって、舞台がワンターンのマイル戦に替わるのはプラスに作用すると考えていいでしょう。
つまりこの観点から言えば、全日本2歳優駿でフォーエバーヤングにつけられた2.6秒もの大差は確実に詰まってくるとも言えるわけで、外国馬が想定以上に走らなかった場合、2,3着というところまであり得るのかな、と。

⑫セットアップ
この馬は、ピンかパーかのイメージが強いですね。
ただ、時計のかかる芝で実績を挙げている点からサウジのダートが合う可能性はありますし、仮に逃げて自分のペースで運べるようなら、フォーエバーヤングを脅かすシーンまであっても驚けないと考えています。


2024_リヤドダートスプリント


⑨リメイク
この馬の好走は、ほぼ約束されたものと考えていいでしょう。
今年も終いは確実に脚を使ってくるでしょうから、極端に前有利なトラックバイアスになっていなければ、勝ち負けは必至。そう考えています。

⑤ジャスパークローネ
この馬には確実に一発の魅力があると言っていいと思います。
血統、走法からサウジのダートで覚醒する可能性はありますし、団野Jに手が戻ってスタートが決まりそうな点も強調できますので、あとはポンとハナを切ってマイペースで運べるかどうかでしょう。

⑥ケイアイドリー
この馬の鞍上はルメールJですので、ここでも大崩れなく走ってきそうなイメージは湧いてきます。
ただ、対リメイクでは明らかに劣勢ですし、ジャスパークローネほど一発の魅力を秘めているわけではありませんので、「2,3着なら大好走」というイメージでレースを見守りたいですね。


2024_1351ターフスプリント


アグリ
この馬にとってここは、日本にはない適距離のレースと言っていいように思います。
内枠の分、ドン詰まりの懸念がなきにしもあらずですが、ルメールJの手腕でスムーズに馬群を捌いて来られるようなら、上位争いはほぼ確実という評価でいいのではないでしょうか。

⑫ウイングレイテスト
この馬にとって枠の並びは絶好と言えますので、前々でスムーズに流れに乗れるようなら、後続の追撃を抑えて勝ち切ってしまうシーンまであっていいように思います。
逃げ、番手、インのポケットと、どの位置から競馬ができる器用さも強調点と言っていいでしょう。

⑬ララクリスティーヌ
この馬にとってレース条件はベストに近いですから、外枠のロスを最小限にとどめられるようだと、シンプルに上位争いに絡んでくるのかな、と。
初の海外遠征でテンションが上がらないかなど、コンディション面の課題をクリアできれば……という条件はつきますが、、、

④バスラットレオン
枠の並びが悪いのと、ウイングレイテストと干渉しそうなところがネックとなりますので、ぶっちゃけ今年の期待値はさほど高くありません。
番手外をマイペースで追走できるような形になれば、善戦するシーンはあるかもしれませんが、過度な期待まではできないな、と。


2024_ネオムターフカップ


⑥ハーツコンチェルト
モレイラJ騎乗のこの馬が、強敵ルクセンブルク相手にどんな走りを見せるのか。このレース最大の注目点はそこだと思っています。
松山Jがポテンシャル最大値をなかなか引き出せなかった中で、今回はモレイラJへ乗り替わることになりますので、これまでの詰めが甘いイメージを覆すような大駆けに自然と期待してみたくなりますね。

⑫スタッドリー
よくも悪くも相手なりにしか走らない馬ではありますが、だからこそ明らかに劣勢と思える力関係の中においても、一縷の望みを感じさせてくれるのがなんとも面白いな、と。
ぶっちゃけ、掲示板に載れれば上々の結果だとは思いますが、この馬の意外性に期待してみたいという気持ちもありつつ、、、

⑧キラーアビリティ
この馬にとって、枠の並びはベストと言っていいように思います。
ただし、ルクセンブルク相手にガチンコ勝負を挑めるほどの力はありませんので、現実的な期待値としては、敵失があった時にうまくそこにつけ込んでの好走を期待できるくらいなのか、と。


2024_レッドシーターフハンデキャップ


⑦リビアングラス
もしもタワーオブロンドンを地力でねじ伏せるシーンがあるとすれば、日本馬ではこの馬以外にいないのかな、と。
坂井瑠Jが騎乗していない前2走は、まったくこの馬の力を発揮しきれていませんので、逃げ、ないしアイアンバローズの番手で淡々と運べる形になれば、持ち前のしぶとさを生かして粘り込むシーンがあってもまったく驚けないでしょう。

⑫ブレークアップ
地力だけで言うなら、この馬にも勝ち負けのチャンスがあるのではないでしょうか。
ただし、レーンJが完璧にエスコートしたコーフィールドカップの内容がかなりもの足りないものでしたので、状態面がどこまで持ち直しているかがすべてと言えそうです。

④エヒト
この馬にとって枠の並びはベストと言えますので、おそらく大崩れはしないだろうという意味で言うと、この馬が日本馬最先着となる可能性は高いのかな、と。
ただし、ガチンコ勝負でどうこうという馬ではありませんので、「川田Jのここ一番での勝負強さが頼みの綱」という面はどうしても否定できず、、、

③アイアンバローズ
この馬はもともとスイートスポットの狭い馬ですので、このコース形態が合っているのかどうかによって、勝ち負けから大惨敗まで結果の振れ幅が大きくなることが予想されます。
個人的には、ぶっちゃけ好走の期待は薄いと感じているのですけれど、この馬の意外性がこちらの想定をぶち壊してくれることを期待しましょう。


2024_サウジカップ


⑬ウシュバテソーロ
昨年のブリーダーズカップクラシックでは、なし崩し的に脚を使ってしまい伸びあぐねたこの馬ではありますが、脚の使いどころがハマれば、あっさり突き抜けてもいいだけの実力を備えていることは間違いありません。
加えて、先行馬が揃ったここは展開面での恩恵が少なくなさそうですし、川田JもBCクラシックでの反省を踏まえじっくりと脚を溜めるレースをしてくると想定されることを踏まえれば、惜しくも差して届かずは想定内でも、概ね勝ち負けの走りを期待していいのかな、と。

④デルマソトガケ
輸送でアクシデントがあったようではあるものの、少なくともBCクラシック当時よりデキが良さそうに見える点は強調材料と言えるでしょう。
気になるのは、枠がちょっと外過ぎるかなという点と、千八の激流はこの馬にとってやや忙しいのではないかというところ。
とはいえ、鞍上はルメールJでもありますし、なんだかんだ上位争いには絡んでくるところまでは期待していいように思います。

②クラウンプライド
今年のメンバー構成と枠順を眺めた時、直感的に「クラウンプライドにとってすべての好走条件が揃ったな」と思ったのですよね。
いい脚が長続きしないこの馬にとって枠の並びは絶好ですし、馬のキャラクターとモレイラJとの相性も抜群と思えるだけに、少なくとも人気以上の走りは期待していいのではないか、と。

⑭ホワイトアバリオ
この馬は最内の絶好枠を引けましたし、距離の千八もおそらくベスト。日本勢にとって、最大の難敵となることはほぼ間違いありません。
また、キックバックを過度に嫌がる気性でもありませんから、この馬が大崩れするシーンはあまり想像できないのですけれど、唯一の弱点は、位置取りが想像よりも後ろになった時に、スパッと切れる脚を使えないところでしょうか。
日本勢がチームプレーを優先するなら、テンのスピードで上回るレモンポップがこの馬の前を取り切って位置取りを下げさせれば効果はてきめんですので、この馬の浮沈は、坂井瑠Jの腹づもりひとつという面もありそうです。

⑦レモンポップ
さて、この馬はどんなレースをイメージしているのでしょうね。
作戦としては、果敢にハナを主張して行って消耗戦に持ち込むのか、それとも前半はタメを利かせつつ勝負どころから動いていく競馬を選択するのか、そのどちらかでしょう。
ただ、どちらにしても楽な競馬にはなりそうもありませんので、ぶっちゃけ日本馬の中での期待値は一番下という評価になってしまいます。
ただ、ホワイトアバリオを潰す役割は十分に全うできる馬ですので、鞍上がはたしてどんな乗り方をしてくるのか、その点に注目しておきたいですね。

⑨ナショナルトレジャー
「砂を被らない位置をキープしマイペースで走らせること」が好走条件となるこの馬にとって、はたしてここは期待どおりの形に持ち込めるのかがカギとなりそうです。
4角先頭の形なら無類のしぶとさを発揮する反面、自分の形にならないと脆さも同居しているように見受けられますので、人気ほどの怖さは感じないというのが正直なところでもあり、、、

⑪サウジクラウン
この馬はハナに行ってナンボの馬ですから、この枠の並びだと苦戦は免れないと見ています。
ポテンシャル面ではひけをとらないとしても、今回はさすがに条件が厳しいのではないか、と。

⑫セニョールバスカドール
前崩れになってウシュバテソーロがズバっと差し切る展開をイメージするなら、すなわちそれはこの馬にも展開がハマることを意味していますので、外国馬2番手はこの馬という評価になります。
とにかく堅実に差し込んでくるタイプで、末脚の破壊力には侮れないものがありますから、ウシュバテソーロとこの馬をセットで狙うという馬券戦略には大いに合理性がある。そんな気がしています。

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