私がVRDJイベントにかける情熱観
こんにちは、Race(れす)です。初めましての人も、いつもVRChatやツイッターで見てるよ!って人も、自分語りではありますがちょっとだけ私が何を思ってVRで音楽活動をしているのか読んでいってくれると嬉しいです。
またこの記事はmemexさん企画のVR音楽活動のススメ Advent Calendar 2020に寄稿するものになります。12/1~12/25で異なる方が毎日投稿していくので、VR音楽活動に興味がある方は是非ご一読いただければと思います。
私がどんな活動をしているのか
普段私がどんな音楽活動をしているのかというと、趣味でDJをしています。最近はVRChat界隈でもクラブワールドが増え、シーンが根付いてきたので「DJイベント遊びに行ったことあるよ!」って人や、フレンドのいるインスタンスに飛んでみたらDJイベントだったって人もちらほらといるのかなと思います。
そもそもDJとは何なのかと語ると様々なDJ論になってしまいそうなのですが、簡単に説明すると様々な音楽を再生して曲同士を綺麗に繋いでいくことでグルーヴ(高揚感やノリ)を生み出し、リスナーを楽しませる行為と考えてもらえれば良いかと思います。
それじゃ様々な音楽って一体何なんだ?という疑問が生まれるかもしれません。その答えは「何でもアリ」です。EDMだろうがポップスだろうがロックだろうがクラシックだろうが、どんな音楽であっても曲同士をMixしていくことでグルーヴを生み出せればアリなんです(筆者の主観ですが)。
さて、世界には数多の音楽のジャンルがあるわけですが、私がどんな音楽でDJをしているのかというと、“FUNKOT(ファンコット)” と呼ばれるインドネシア発祥の高速ダンスミュージックです。
Funkotってどんな音楽なの?
国内でも有数のFunkotトラックメイカー兼DJをしているDugem Rising TeamのAki氏が先んじて詳細を解説した記事があるため、そちらを引用いたします。
『Funkotとは、インドネシア発祥の高速ダンスミュージックの呼称です。ドッタドッドタ、という独特なドラムパターン、ベースのリズム、180 BPMでのグルーヴ(クラブでプレイされる際はさらに高速!)で日本でも少なくない人々を魅了しています。』 ※上記ブログ冒頭より引用
ちなみにBPMとはBeats Per Minuteの略で、1分間にビートが何拍刻まれているかという指標です。180BPMは1秒に3拍も鳴っているんですね。速いぜ!
ただ上記の説明だけじゃなんのこっちゃわからんので、実際にSoundcloudに投稿されているFunkotのトラックをいくつかご紹介しようと思います。サクッと聴いてみてください。
Yo Dj Anthem ft. Deddy zem NRC - DJ Liet • Dugem Rising™
Dugem Rising Teamに所属するLiet氏と、インドネシアのリミキサーDeddy Zemによる合作のトラックです。FunkotのアンセムであるYo DJとFUNKOT ANTHEM(そのまんま)をグルーヴ感マシマシでマッシュアップしたトラックになっています。
Do As Infinity / 深い森 - Fukai Mori_(aGas L3 REMIX)
現在人気急上昇中のFunkotリミキサー、インドネシアのaGas L3によるDo As Infinity - 深い森のリミックスです。アニメ犬夜叉のEDテーマにもなっていましたね。(筆者は犬夜叉視ていないので偉そうなことが言えない)
©17 - I M So Happy [Race]
インドネシアFunkot界のレジェンド Apin17に私が依頼して制作していただいた、Ryu☆ - I'm so happyのリミックスです。BEMANI好きにはたまらん!!!!!
このように様々な曲がFunkotとしてリミックスされており、Funkotは非常に自由度の高い音楽ジャンルということがわかっていただけたんじゃないかなと思います。ファンキービートと呼ばれる高速ビートや時折入る声ネタなど、とにかく気持ちよさを追求したようなジャンルですね。
VRChat内でのDJ活動について
やっと本題です!前置きが長い!!
私が普段Funkot DJ活動をしているのは上記のとおりですが、私がVRChat内でDJ活動を初めて行ったのは2019年の7月26日で、意外と最近だったりします。そもそもVRChatを始めたきっかけが、6月1日にVRでFunkotのイベントやると聞いて覗いてみようと思ったことだったので、まだ1年半しか経っていないんですね・・・VRChatでガッツリDJを始めたのは2020年に入ってからになります。2019年はTwitchで24時間DJ配信とかしてました。1だいふくだね!
さて2020年に入って何故私がガッツリとVRDJ活動を始めたのかというと、それは「とにかく沢山の人にFunkotを聴いてもらってその良さや楽しさを知ってほしい!!」のただ一点に尽きます。
Funkotが日本に伝来したのは2009年のことで、まだまだ認知度は低いマイナージャンルです。私がVRChat内でFunkot DJをしている中で「Funkotって何?」とか「初めて聴いた!」なんて声は当たり前のように聞こえてきました。現実でのクラブシーンだと、東京では定期的にFunkotのパーティーが開催されているのですが(本文執筆時点ではコロナウイルスの影響でほぼ壊滅状態ですが・・・)、その他の地方ではなかなか聴くことができないのも理由のひとつかと思います。またVRChat内でDJイベントに来る方でも現実のクラブには行ったことないという方はザラなので、より一層Funkotシーンの認知度は低いでしょう。しかしそれはもう私にとっては悲しいことで、
「俺はFunkotが好きで好きで仕方ないんや!!みんなに知ってもらいたいんや!!」
という思いがあふれて止まらなくなり、kagamiiiiinさんのCLUB RUINSをきっかけにしてDJイベントに顔を出し、時折出演させていただき、そして今では有志を集めてDugem In Da VR(以下、DIDVと呼ぶ。)というFunkotオンリーのVRDJイベントを立ち上げるまでに至りました。これはもう本当にひとえに皆さんにFunkotの良さを知ってもらいたくて、楽しんでもらいたくて、その気持ちがストレートど直球で表れたものだと思っています。
しかしどうしても悩みや壁にはぶちあたるもので、他のオーガナイザーさんが主催するイベントで単発DJしている内は気にならなかったのですが、自分でDIDVを立ち上げて初めて開催した時にはリスナーの少ないこと少ないこと・・・・・・泣いちゃった(オタク構文)
VR Funkot DJには私の前に1人だけ先達がおり、VRクラブシーン黎明期のFunkotシーンを盛り上げてくれていたのですが、私が活発に活動し始めた頃にはその方も活動をやめてしまっていました。また、VRクラブシーンに人が集まってきた昨今では新規層にFunkotが全然浸透していないため、まずはどう浸透させていくかというほぼ真っ白の状態からのスタートでした。
まずFunkotを聴いてもらうところから始めなければいけないのに、DIDVには新規層は全然来てくれない・・・どうすっぺか・・・
ということで私は再び他のオーガナイザーさんが主催するイベントに転がり込み、ド派手にFunkotをかけ倒すことにしました。幸いにもあしじゃがさんからのVRCMSへの出演のお誘いや、まいたけさんからのBar羽休め所属DJのお誘いもあり、徐々に徐々にVRクラブシーンに顔を出す方々にFunkotとはどんな音楽なのかということが知られるようになり、DIDVに来てくれる新規リスナーの方や「Funkot楽しい!!」と声をあげてくれる方も現れるようになってきました。我、大号泣。そして現在ではとある海外のDJがFunkotを楽しんでくれるようになり、彼を中核としたDJグループ “Z3N1TH(ゼニス)” にお誘いいただき、突発イベントに参加させていただくようにもなりました。その時のDJ視点の動画をYoutubeにアップしているので、是非視聴してみてくださいね。
【Race】2020.11.30 Funkot DJ at Z3N1TH
ここまで読むと、あたかも今となってはDIDVはFunkot聴きに来たリスナーで大盛況でガンガン盛り上がってるんだろうな~って思うかもしれませんが、実は大盛況というわけではなく、多くて十数人がまったりしている感じだったりします。 昨今はDJイベントが乱立していることもあり、良くも悪くも競争相手になるイベントが沢山あるというのも要因なのかな。ただ、その中でDIDVに行こうと思って来てくれる方は少しずつ増えてきていますし、DIDVだけでなく他のイベント群にも跨って遊びに行くことでシーン全体を楽しもうとする方も増えていると思います。
上記のような書き方をすると、他のイベントにライバル意識があって、あたかも「他に行かずにウチのイベントにみんな来いよ!!」って聞こえちゃうかもしれませんね。もちろんイベントとして主催している以上そういう気持ちも多少はありますが、リスナーの皆さんには是非とも色んなイベントに行って様々な音楽を聴いてみてほしいなとも思います。知らなかった音楽、初めて会った人、沢山の新しい出会いが待っていますよ。もしかしたらその出会いが人生や価値観の転換点になるかもしれませんね。
私もDJを始めようと思ったきっかけは、クラブで聴くFunkotの楽しさ、そして初めてクラブに来た私を温かく歓迎してくれたFunkotシーンの皆さんに出会ったときの衝撃が大きかったからでした。リアルVR問わず音楽シーンに興味のある皆さん、そういう機会が訪れたら臆せずに一歩踏み込んでみると新しい世界が開けるかもしれませんよ。
私がVR音楽活動にかける情熱
ここまで自分語りばかりしてしまいましたが・・・私がVRDJ活動にかける情熱とは何なのか。とにかく音楽活動だろうがなんだろうが、どんな活動をするにあたっても必ず苦労や悩み、壁というものにはぶつかるものだと思います。もし皆さんがそういう場面に直面した時、最初の気持ちや信念を思い出してほしいと私は思います。
『私は何のために、何を思ってこの活動をしようと思ったのか?』
私が現在に至るまでVRDJ活動を積極的に行っている理由は、自分語りの中でも書き殴ったように、Funkotが好きで好きで仕方なくてみんなに聴いてほしい・楽しんでほしいという思いを、当初から今まで変わらずずっと持ち続けているからです。そしてそれは活動を行う理由だけではなく、活動を行っていく上での大きな活力・心の拠り所になっていきます。
とはいえ何も変わらずずっと順調にいくわけでもありません。それこそ悩みや壁なんて当たり前のように直面します。私もVR Funkot DJとしての在り方に悩みに悩んで、一時期活動がほとんど出来ず、止めてしまおうかとも思った時期がありました。皆さんがこれからVR音楽活動をするとして、それを続けていく中で私のような状況になることもあるかもしれません。というか大体の人は悩みの大小こそあれ、こういう壁にぶち当たります。そういう時に皆さんには当初の思いや信念を思い返してほしいと思います。きっと活力の源になっていくと思います。
それでも悩みに悩んで、苦しくて、これ以上活動なんてできないよ、という方もいるかもしれません。そんな時は同じ趣味を持ってる人の中で、自分の情熱や信念を話せる人を作って頼ってみてください。最初は勇気が出ず、誰かに声をかけるのはなかなか難しいかもしれませんが・・・・・・かくいう私も信頼しているFunkot DJに自分の悩みと信念の間で苦しんでいることを相談したりして、再び情熱を燃やし始めました。一時期落ち込んだとしても、私の信念と情熱の本質は当初からまったく変わりません。そしてそのまま突き進んでいくつもりです。
これからVR音楽活動を始めようとしている方々、VR音楽活動に興味のある方々、そして今現在VR音楽活動を続けている方々、皆さんはどのような思いを抱いて活動をしようと思っている(活動をし続けている)のでしょうか?
誰しもが私のように強く思いを持っているわけではありませんし、なんとなくやってみたいからという方も多くいらっしゃると思います…が、最初に始めよう(始めてみたい)と思った “きっかけ” が必ずどこかにはあります。
「誰かのパフォーマンスを見て自分もやってみたいと思った」「場を作り上げる一員になってみたかった」など、私達はそれぞれ様々な “きっかけ” を抱いています。そのようなきっかけとの出会いを思い出して、自分はどうしてVR音楽活動を始めたいのか、何故VR音楽活動を始めたのか(続けているのか)という気持ちを是非とも大切にしていただけたらと思います。
最後に
この記事が公開される2020年12月11日の翌日、12日にはDugem In Da VR VOl.20 拡大版があります!!!!!!!!!!!遊びに来てくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!
という宣伝はさておいて、この記事で書き殴った私の情熱観がいつかどこかで皆さんの役に立てばいいなあと思います。何か活動をしようとする時の悩みは誰にだってあります。その時に、チラッとでもこの記事の内容を思い出してくれたら嬉しいです。
散らかった文章ではありましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
【Raceプロフィール】
本人
アバター(なんか赤いの)
2014年にFunkotに触れ、2017年にShisotexのトラックとプレイに感銘を受けたことでFunkot DJ活動を始めた。
2019年には24時間Funkot DJ配信の完走や、“DUGEM VIRTUAL”、“BAYANGAN OBAT”への出演を経験。
2020年に入ってからは、沖縄のペンションでFunkotとBBQを楽しむイベント “Dugem Sunset” を主催するとともに、活発なVRDJ活動を開始。現在はVRChat内FunkotオンリーDJイベント “Dugem In Da VR”を立ち上げ、毎週水曜22時より定期開催している。
筆者主催のイベント“Dugem Sunset” 第二回Twipla(最高なので是非遊びに来てください)
筆者がたまに編集しているFunkot情報ブログ
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