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保険適用が広がったラジオ波焼灼術(RFA)


ラジオ波焼灼術とは

ラジオ波焼灼療法とは、針を腫瘍に刺して電流(ラジオ波という高周波数の電磁波)を流し、その熱でがん細胞を熱凝固させ、がん細胞を死滅させる治療法です。

適用範囲

肝がんに対する治療として、2004年4月に保険適用となっています。現在では肝がんに対する標準的な治療として位置づけられています。ラジオ波焼灼療法ができる条件として、日本肝癌(がん)研究会編集の『肝癌診療ガイドライン(2009年版)』では、3cm、3個以内のがんとしています。

その後、保険適用範囲が拡大し、2022年から、肺腫瘍、腎腫瘍、骨軟部腫瘍、骨盤内腫瘍などの悪性腫瘍と、良性腫瘍の類骨骨腫(るいこつこつしゅ)の治療も、保険で行えるようになっています。

では、大腸がん肺転移では、どの程度の状態のものがラジオ波焼灼術をするとよいのでしょうか。

  • 腫瘍のサイズと数:小さい腫瘍(通常3cm以下)や限られた数(3~5個以下)の転移に対しては効果が高いようです。

  • 腫瘍の位置:肺の中心部に近い場所では、周囲の重要な構造物を避けるために適用が難しい場合があります。

特に、外科的切除が難しい場合の代替手段として有効とされています。これには、高齢や肺機能が十分でなく手術負担が大きい場合が含まれます。

全体としては外科的切除や他の局所療法に比べて限られた適用範囲しかありません。そのため、がん専門病院では他の治療法(外科的切除、放射線療法、化学療法など)が優先されることがあります。

これは、各病変に対して個別に治療を行う必要があり、数が多い場合には現実的に治療が困難になるためです。多くの病変に対してラジオ波焼灼術を行うと、治療に伴う合併症のリスクが増加します。例えば、複数の病変を焼灼することで、周囲の正常な肺組織に対するダメージが大きくなり、肺機能が低下するリスクがあります。

がん専門病院でも、ラジオ波焼灼術を行っていない場合がありますが、もしラジオ焼灼術が相応しければ、先生のほうから紹介状を書いて他の病院に依頼してもらえます。
もし気になったら、主治医に相談して、セカンドオピニオンをしてもよいと思います。

ラジオ波焼灼術できる病院

一部ですが、できる病院をまとめています。これ以外にも全国で行われています。地域や癌の部位を選択すると候補が出てきますので、チェックしてみて下さい。
日本IVR学会 (jsir.or.jp)

都内
・国立がん研究センター中央病院

その他
・兵庫医科大学病院
・都島放射線科クリニック@大阪
・岡山大学病院
・三重大学医学部付属病院がんセンター

大腸がん多発肺転移(10個以上)でも、病院でラジオ波焼灼術を受けられた方が本人や周りでいましたら、以下の情報を教えて頂けると助かります。

また、セカンドオピニオン等をして、ラジオ波焼灼術ができなかった場合でも、1)と2)の情報や受けられなかった理由を教えて頂けると助かります。

1)肺の腫瘍の個数
2)病院名
3)保険適用になっているか
4)完治をめざした治療か
5)効果はどうか


スキやサポートを頂けましたら幸いです。 励みになります。