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[殻ノ少女] 朽木冬子『花葬』 - 元絵、製作ポイント、塗装レシピ

はじめに

この記事が、制作の手助けまたは購入検討材料となりましたら幸いです。
当ディーラーの作品は全体を通して、ディテール最優先で制作されている傾向にあります。実際私は1/4スケールが欲しいというのが本音です。それはディテールがしっかり出るから。しかしながら、大きいです!飾る場所がありません!やっぱり1/7スケールくらいが扱いが程よいと感じます。なので1/4スケールの内容を1/7で表現する!が当ディーラーの目標の一つ。ですので、作り難かったり、通常より塗り分けが必要になることもあるかと思います。作るのは大変だけど、完成後の満足度が高い!細かい部分まで眺めていられる、ずっと主力メンバーとして飾っていられる!。。。そういった作品作りを目指しておりますのでご理解の程よろしくお願いいたします。

元絵

Innocent Gray キャラクター人気投票で1位を獲得した朽木冬子。杉菜水姫(スギナミキ)作品第二集『花葬』の表紙を飾った画を元にしています。


完成状態、彩色見本

塗装完成しました。以下URLから確認いただけます。
右クリック、またはスマホだと長押し等でフルサイズ画像見れます。
撮影時に青みが入っていて、血色が悪いですね…(泣


パーツ


・①や③の髪パーツは慎重に扱ってあげてください。落下させたりすると、毛先が簡単に折れてしまう可能性が高いです。m(_ _)m
・③パーツで、①と接合する部分、少し削って下さい!
 うまく噛み合いません。削るとピタッときます。スミマセン…m(_ _)m
・⑦⑧⑨⑩
 薔薇をきれいに出力するため、接合面の精度を犠牲にしています。
 結構削ってうまく噛み合うよう調整にご協力下さい。m(_ _)m

前側から見た感じ、花びらは22枚、蝶は7匹
大きい蝶1匹、普通サイズ蝶5匹、羽を広げた蝶1匹

製作ポイント 

3Dプリントのサポート外しについて

サポート材やバリを切除する場合、ゴッドハンド アルティメットニッパーがとても良いですね!お値段めちゃくちゃ高いですが、それ以上のリターンが得られると感じています。おすすめです!
特に前髪と両腕部分の薔薇パーツは、このニッパー無しでは不可能であると断言したい感じです。

もしくは、超音波カッターも強くおすすめします。
ガレージキットやプラ版アクリル等の加工で効率が良く強力なツールとなりますので、揃えても損はないと思います!
普通のニッパーで作業される場合は、プラモデルのような感覚で除去するのは危険です。パーツの遠くからサポートを外し始めて、徐々にパーツに近づくように勢いを殺しながら除去していって下さい。


塗装


下処理

目視できるレベルのサポート処理や表面処理を行います。3Dプリンタ出力品は積層痕が出ますが、目視できないレベルのもののほうが多いです。なので一度グレー系のサフを吹いて細かい積層痕埋めと処理すべき積層痕の洗い出しを行うのが良いと考えています。
3Dプリンタ出力品は食いつきが良いので塗料がよく乗ります。なのでホワイト以外の下地はかなり薄い層で良いかと思います。

下処理は、
フィニッシャーズ マルチプライマー(薄く) 

クレオスサーフェーサー1000 グレー(薄く) ←積層痕洗い出し目的

クレオスベースホワイト1000 ←しっかりと。積層痕埋めも兼ねる。
これを下地の白として活かしています。

顔、肌

元絵の肌は、かなり血色が無い雰囲気に思えます。
作例ではホワイトピーチ1色で、吹き重ねる量により基本部分とシャドウ部分を表現してみました。

・眉毛:凹形状ですので、シタデル SHADE NULN OILを流し込み、スミ入れ。アクリルシンナーで拭き取り。

・唇:アクリルで赤、白、黄色を調色して筆塗り
・血:シタデルのブラッド・フォー・ザ・ブラッドゴッド


クレオスCL9 スムースパールコートで肌の質感を調整しています。

基本色はレッドブラウン+ブラック

全体に、風群青+ニュートラルグレー+ホワイトのハイライト色をベタ塗り

レッドブラウン+ブラック+クリアーをシャドウ部に吹いてなるべくハイライト部分は下地が残ってほしいという気持ちで吹く(技術不足…)

シャドウ部に、クリアーブラックを吹いて、茶色味が強すぎないように全体調整しながら吹く

クレオス GX114 スーパースムースクリアで質感を整える。
これめちゃくちゃ良いです!おすすめ!特に髪の質感調整はこれ無しでは生きていけません。。。

シャツ

シャドウ部に、風群青+ホワイト+タンで調合した色を吹く。
全体的にパールシルバーを吹いて、バチバチにシルク光沢感を出す。
上からハイライトにホワイトを吹いたり、シャドウを吹いたりしてシルク感を消していき、よく見るとシルクっぽくもあるよね?という光沢感に整えました。

プリーツスカート

シャツの塗装方向と同じ。
若干汚れ感を強いイメージで整えました。

スリップドレス

冬子がインナーで着用しているキャミソールスリップドレスは、薄ピンクと認識しているのですが、画ではクリーム色に見えます。なので、少しピンクの入ったクリーム色を吹きました。その上からガイアのパールシルバーでシルク?サテン?感を出しています。プリーツとの塗り分けはマスクゾルなどを使用してマスキング。綺麗に剥がれないので、お湯に漬けて溶かしながら筆や爪楊枝などで綺麗に剥がして行きます。

薔薇

ファレホの72.010 ブラッディレッドを筆塗りしています。
血のような色味の箇所はシタデルのブラッド・フォー・ザ・ブラッドゴッドを使用。
葉っぱはシタデルのWAAGH!FLESHをベタ塗りです。
質感調整は、 スーパースムースクリアを吹いてコーティング。艶が消えて明度が上がる感じ。

リボン

シャドウ色:ガイア純色バイオレット+クレオスブルー+ブラック

シャドウ色にホワイトを混ぜて全体を吹く

パールシルバーを全体に吹く

シャドウ色を重ねていく

靴下

冬子の靴下は濃紺と認識していますが、元絵の雰囲気を考慮して、
限りなく黒に近い紺を表現しました。
ブルーにかなり黒を足して、吹いてます。その後白っぽい部分をホワイトで。
ガイアEx-10フラットクリアーでツヤ調整しています。バリバリにつやを消しました。

シタデルでクリームっぽい色を調合して、筆塗りです。ピンク色や黒ずんだ蝶なども適宜。

花びら

ファレホの72.010 ブラッディレッドを筆塗り。黒い背景&髪に溶け込むようにブラックにファレホ ポリウレタンマットバーニッシュを溶いて筆塗りし、マット仕上げ。

血が流れている部分は、シタデルのブラッド・フォー・ザ・ブラッドゴッドを使用。
顔と右足です。あと、目の薔薇の花びら2枚も。
基本筆塗りしてアクリルシンナーで拭き取りですが、爪楊枝やエアブラシ0.18mmのニードルを使ってみたら、結構いい感じに塗れましたw

台座

ブラックを全体に吹いたあと、ガイアEx-9セミグロスクリアーでツヤ調整しています。

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