アレルギー性鼻炎(花粉症)

今日はアレルギー性鼻炎の話です。

アレルギー性鼻炎は私たちに身近な症状ですよね。

春になれば花粉症などでお悩みの方も多いのではないでしょうか。

今日はそんなアレルギー性鼻炎についてのお話です。


●アレルギー性鼻炎とは?
厳密には、何か抗原となる物質(アレルギー物質)があり、その物質に対して体がアレルギー反応を起こす→くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状が出る ことを言います。

しかし、本当にアレルギーによる症状か?ということを調べたりせずに、鼻水、鼻詰まりでクリニックを受診すると「アレルギーですね」と薬を処方されて終わってしまうこともしばしば…

中には、実は副鼻腔炎や風邪による症状であることもあります。

もちろん、耳鼻科であれば判断はつくのですが、内科の先生だとわからないかもしれないですね。

●症状は?
上に書いている通り、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが主な症状となります。
一緒に、目が痒くなったり、喉もイガイガしたりすることもあります。
ひどいアレルギーだと、全身に湿疹ができる方もいらっしゃいますね。

また、鼻水の特徴としては透明であることが挙げられます。
白〜黄色や緑っぽい時は副鼻腔炎のこともあります。

鼻の中はパンパンに腫れていることが多く、粘膜(鼻の中の表面)は真っ赤だったり、中には白っぽくなっている人もいます。
アレルギー反応で粘膜が腫れるので、鼻が詰まってしまうんですね。
「鼻をかんでも鼻水は出なくて、でもずっと詰まっているんです」
という方は、鼻が腫れてしまっている可能性があります。

●検査は?
鼻の中を見て、症状を聞くとある程度「アレルギー性鼻炎だな」というあたりはつくのですが、さらに詳しい検査をすることもできます。

・アレルギー検査
採血して、何のアレルギーを持っているか、調べることができます。
最近では、ドロップスクリーンというごく少量の血液で41種類ものアレルギーを調べることができる機械も出てきました。

お子さんだと採血の痛みもほぼなく、結果もすぐに出るので楽でいいですね。

・鼻ファイバー検査
鼻の奥の方まで、細いカメラを使って調べることができます。

鼻の中がパンパンに腫れている人が多いので、副鼻腔炎かどうか見えないことがあります。
その時はカメラで見てあげると、すぐに副鼻腔炎があるかどうかわかります。

アレルギー性鼻炎がきっかけで副鼻腔炎になることもあり、気になるときは耳鼻科で見てもらうと安心ですね。

●治療は?
有名な治療法としては抗アレルギー薬がありますが、他にも色々な治療法があります。

・点鼻薬
1番安全(妊婦さんでも使える)、効果が高い治療法です。

鼻の中にステロイドのスプレーをする治療法になります。

「ステロイド?なんか怖い!」という人もいるかもしれませんが、局所的な治療(身体中に薬が回らない)なので、副作用はほとんどありません。
あるとしたら、スプレーの刺激でちょっとくしゃみが出るとか、つーんとすることがあるとかですかね…
なれてしまえば何てことはないです。

即効性はないですが、毎日続けると「そういえば最近調子いいな」となってくれる、そんなお薬になります。

・舌下免疫療法
比較的新しい薬になります。
読んで字の如く、「舌の下に薬を入れる」治療法です。
スギ花粉症、ダニアレルギーの方が対象となります。

この治療法はアレルゲン(抗原)をわざと毎日体に入れることにより、体を慣らしていこう!という治療法になります。

慣らしていくので、最初はあまり効果を感じられませんが、1年くらいするとだんだんと効果を実感できるようになります。
大体2−3年もするとかなりの効果を感じるようになり、5年ほど内服したところで終了となります。

この治療法だと、体がそもそもアレルゲンに慣れるので、薬をやめても症状がなくなる〜軽減したままで過ごすことができます。
今までは薬で症状を抑えるしか方法がなかったので、かなり画期的な治療法ではないでしょうか。

デメリットは、
・毎日毎日薬を続けなくてはならない(一回やめると再開するのにちょっと面倒)
・抜歯、口の中の傷があるときは薬をやめなくてはならない
・スギ花粉症の場合、花粉が飛んでいる間は開始できない(7月〜12月くらいまでの間に開始する必要がある)ので、大体花粉の時期が終わると「まあ、治療しなくてもいいか」という気持ちになってしまい、なかなか開始できない

というところでしょうか。

特に3番目は切実で、人間困っているときは「絶対に治療したい…!」と思うものですが、治ってしまうと「まあいいか」と思ってしまうのでなかなか治療を開始できないんですよね。

本当に治療法としてはとてもいい治療法なので、気になる方はぜひ耳鼻科の先生に相談してみてくださいね。

・鼻レーザー治療
鼻の中の下甲介という骨の出っ張りの粘膜をやく手術になります。

この手術の良いところは、時間が10分程度で終わること(麻酔も入れると30分くらい)、お会計も手術なのに大体1万円くらいで済むことです。
合併症もほぼない(少し血が滲んだり、術後鼻が詰まりますがその程度)、術中も痛くないので小学生でも受けていただくことができる手術になります。

術後は1週間くらいめちゃめちゃ鼻が詰まりますが、その後は鼻の中のゴミをとるとスッキリして過ごせます。

この治療は鼻水、鼻詰まりの両方に効果があるので、薬を飲んでもいまいち良くならないなあ…と思っている人はぜひ試してみてもらいたいです。

しかし、この治療は困ったことに効果がある人とない人がいるのです。

効果がある人は「本当に悩みがなくなった!」と劇的に効果を感じるのですが、
効果がない人は「やったのかやってないのかわからない」というほど効果を感じないこともあります。

また、効果の持続期間もまちまちで3ヶ月で効果が切れる人もいれば3年くらい続いてくれる人もいるんです。

自分がどのタイプか?はやってみないとわからないので…
気になるなら試してみてはいかがでしょうか。

アレルギー性鼻炎、特に花粉症は受験や就活のシーズンとも重なるため、なかなか厄介な症状ですよね。
でも、今は色々な治療法があり、自分に合った治療を受ければかなり症状が楽になるはずです。

悩んでいる人は、ぜひ耳鼻科に行ってみてください!

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