睡眠時無呼吸症候群

寝ているはずなのに、寝た気がしない。
昼間にやたら眠い…
そういえば家族に「いびきがうるさい!」と言われるようになったかも?
その症状は睡眠時無呼吸症候群ではないですか?

●睡眠時無呼吸症候群とは?
その名の通り、寝ている間に呼吸が止まっている という症状です。
原因は様々ですが、例えば
・顎が小さい
・肥満
・加齢
・扁桃が大きい
・舌が分厚い

などが原因と考えられています。
また、男性に多い疾患となっています。
しかし、中には原因不明の方や、中枢性(脳からの指令がうまくいかず、呼吸が止まってしまう)の方もいらっしゃいます。

●症状は?
・いびき(隣の部屋にも聞こえるような大きないびき)
・途中で呼吸が止まる、また苦しい感じがして目が覚めてしまう
が寝ている時の症状となります。
また、十分に眠りがとれていいないため、

・寝ても疲れが取れない
・日中に眠気がある
・朝起きられない‘

などの症状が日中に現れてしまいます。
社会人の方や、運転をする方だとかなり困ってしまう症状ばかりですね。

●検査は?
①簡易検査
まずは、簡易検査というものを受けていただきます。
これは自宅で簡単に受けることができる検査となっています。
鼻、胸、指先にセンサーを装着して、寝ていただくだけです。
そうすると、呼吸の状態や体内の酸素の値などを自動でモニタリングし、後日病院でデータを読み取ることで実際に寝ている間の状態を知ることができます。

この検査だけで「睡眠時無呼吸症候群」の診断に至る方もいらっしゃいますが、こちらの検査だけでは診断がつかない方もたくさんいらっしゃいます。
診断がつかなかった場合には次の検査に進みます。

②PSG検査
PSG検査とは「終夜睡眠ポリグラフ検査」のことです。
この検査では簡易検査よりもより詳しく呼吸の状態や無呼吸の程度がわかります。
脳波の検査もするので、中枢性の呼吸停止か?ということもわかります。
病院により、入院で検査する病院、外来で検査する病院(簡易検査のようにご自宅で検査できる)があります。
この検査が1番詳しい検査なので、きちんと検査ができれば診断に至ることができます。

入院と外来での検査のメリット、デメリットですが、
○入院
メリット
・検査の機械を間違いなくつけてくれる、また夜中にもちゃんとついているか?確認してくれる
・機械の準備しなくて良い(入院の準備は必要)

デメリット
・高額になる場合が多い(自宅での検査より、しっかりと検査ができるため検査の代金が高い+入院費がかかる)
・曜日や日にちが限定されていることが多い(専門施設であれば毎日検査しているところもあり)
・いつもと違う環境で寝るため、しっかり眠れなかった場合には検査結果が出ないことがある

○外来
メリット
・入院検査より安く済む
・入院しないで良いため、予定が組みやすい
・いつも通りの環境で眠ることができる

デメリット
・寝ている間にセンサーが外れても気づかなかった場合には結果が出ない
・自分で装着しなくてはいけないため、高齢の方には難しい場合がある

自分自身に合った検査方法はどちらか?考えて主治医の先生に相談してみてくださいね(どちらかにしか対応していない病院もたくさんあります)

③治療は?
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と結果が出た場合にはCPAPという機械をつける事になります(症状によっては違う機械をつける人もいます)

この機械は、寝ている間に呼吸が止まっていたらそれを感知して、自動で空気を送り込んでくれるようになっています。
自力では空気がすえないので、無理矢理押し込んででも体の中の酸素を維持しようという機械ですね。

この機械は、病気自体を治す機械ではないので、基本的には「一生つけ続ける」ということになると思います。
しかし、例外もあり、それは
肥満 により睡眠時無呼吸症候群となっていた方は、痩せることにより症状が改善することがあります。そのかたは症状が「治って」機械を止めることができるようになります。

また、治らなくても「機械をつけるのが面倒」ということでほとんどつけてくれない方も治療の対象外となってしまうことがあります。
たまにつけ忘れる、寝ている間に無意識に取ってしまった、などであれば問題はないのですが、何ヶ月もつけずにいるとなると治療の意思がないと判断されてしまうことがあります。
また、保険診療ですので1ヶ月から3ヶ月に1回は通院する必要があります。
この通院もしていただかないとなると治療の継続はできません。

意外とつけてみると
・機械がうるさい
・マスクがついていて邪魔
・呼吸が苦しい
・鼻・喉・目が渇いてしまう

などの不快な症状が出てきてしまいます。
治療を始めてみてお辛い症状があれば主治医に相談してみるといいかもしれません。

ただ、使えるようになると「これがないと眠れません」という方もいるくらい症状が楽になります。
最初のうちは違和感があるのは当然のことなので、ぜひ1ヶ月ほどは我慢して使ってみてください。

治療後は、無呼吸の数値が目に見えて下がってくれるのでそれも治療のやりがいがあり、頑張れるのではないかな、と思います。
また、定期的に耳鼻科(呼吸器科)に通院するので、ちょっとしたことでも気軽に相談できるようになるのも嬉しいですね。

たかがいびき、昼間の眠気、と放っておかずにまずは簡易検査を受けてみませんか?
もしかするとすっきりと目覚めることができるようになるかもしれませんよ!

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