見出し画像

Alligator from North London

Alligator Recordsと言えば一般的にはシカゴの名門ブルースレーベル。しかしながら我々ロッキンミュージック愛好家からすれば、1978-80年の短い間とはいえ好内容のリリースをしていたノース・ロンドンのレーベルなのです。

そもそもはThe Flying SaucersのEarl Terry(Drum)、Pete Pritchard(Bass)、そしてNiggsy Owens(Guitar)が主宰かつハウスバンドを務める形でスタート。4枚のシングルと1枚のLPをリリースしました。

1970年代の終わり頃、まだ「ネオ・ロカビリー」という呼称もムーブメントも起きていないタイミングではありましたが、そこに繋がる「ターニングポイント」的なレーベルであったと言えます。

まずはThe Flying SaucersのメンバーがリバイバルやTEDS系ではなく、50’sや後にオーセンティックと呼ばれるスタイルのサウンドをプロデュースしていたこと。先見の名でしょうか。
最初のリリースはこちら。

早々に横道に逸れますが、B面曲”HILLBILLY MUSIC”は後にあのKitty, Daisy & Lewisが取り上げています。この辺りはさすがイギリス、という感じでしょうか。

レーベルのディスコグラフィーはこちら。

ALL101 JOHNNY KEY & THE KOOL KATS
/ Fallin’ For You(7”)
ALL102 GENA ‘N’ THE ROCKIN’ REBELS
/ Rockin’ On Down The Line(7”)
ALL103 JOHNNY KEY & THE KOOL KATS
/ Keep My Big Wheels Turnin’(7”)
ALL104 GENTLEMAN JIM MEALEY
/ I’d Find You(7”)
LP001 VARIOUS ARTISTS
/ Home Grown Rockabilly(LP)

おそらく一番有名なのはLP “Home Grown Rockabilly”ではないでしょうか。この後メジャー契約するThe PolecatsやThe Meteors、The Rhythm Cats等も収録されています。

The Polecatsに関しては、Alligatorでの録音はこの1曲のみですが、メジャー契約進行時にライセンスでリリースされたフィンランド盤(REBELリリース)には収録されていません。

そしてUK盤はそもそもペパーミントグリーンを基調としたジャケが知られていますが、フィンランド盤同様のパープルを基調としたジャケも存在します。

尚、1989年にNervous Recordsが再発した際には(1992年のCDも同じく)豹柄が基調となっています。

話を戻して次はThe Meteors。Alligator期はスキッフルや50’sの影響の強いサウンドで前身であるRaw Dealに近いものになっています(Raw Dealの初代ドラマーはEarl Terry)。この後、Island Recordsと契約。

The Rhythm CatsはThe Polecats加入前のNeil RooneyとThe Stargazers(後にEpic Recordsと契約)結成前のAnders JanesとPeter Davenportが在籍していました。

Gena & The Rockin’ RebelsはThe Strollersの前身です。

このように70年代後期のリバイバルからロカビリーに変貌を遂げるタイミング、しかもメジャーも注目しつつあったシーンにおいてこれらの作品をリリースしていたというのは非常に興味深いところ。

そんな観点を踏まえて改めて音源を聴いてみると一味違うかもしれませんね。サブスクのリンクも貼っておきます。

こちらでAlligatorの音源はコンプリートなのですが、どうやらキチンとした録音ではなく、Johnny Keyを中心とした(The Kool Kats?)ジャムセッション的なテープが残っているとの情報もあります。こちらはまた機会があればお知らせしますね。

今日はこんな感じで。いつもサポートありがとうございます。私事ではありますが、胃癌が再発しておりまして体調が不安定です。情報発信に支障をきたす場合もあることをご容赦ください。

いいなと思ったら応援しよう!