こたえは星のもとに

気がつくと車窓には
星のない夜空と山々ばかり流れていた。
くらい窓から明るい電車内をみる。ただの
一人も乗客がいない。さっきまで混んで…

…寝てしまった…!
いつもの帰る時刻はすぎている。
アプリの地図検索によると
どうやら3駅通過している。
戻る電車は終わっている。
さて…

次の駅で降りる。3駅と侮ってはいけない。
都心と違ってここらでは6.7キロ。
歩くと2時間はかかる。
そしてタクシーに乗れるほどお金はない。
きょうび電車おり損ねて歩く羽目になるとは…

せめて星が出てくれればいいのに。
空は曇り、星どころか月も見えない。
通りには、スリや痴漢を警告する看板が。
…音楽はやめとこう。

黙々と歩く。
そして色々と考える。
そろそろ、ケーキ注文しないとな…
去年と同じ店で買うか…?
いや、駅前にできた店も気になるな…
あの店の店主、もともとは
三つ星ホテルのパティシエとか…
ならまあ、こんど値段を見ておくか。

…ちょっと膝が痛い。
いつのまにか雲は流れて、ようやく空に
ぽつぽつ星が光っている。
家までラスト1キロ…

さあ、もうすぐだ…




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?