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「不幸」換金型ビジネス

世の中には人の不幸を願う仕事がたくさんある。

3.11の時、報道ステーションを見ながら思った。
行方不明者数が増えるほど、番組の視聴率は上がっていくだろう。
逆に、復興が進んでいけば世間の関心は薄れていくだろう。

コロナが流行って同じことを思った。
東京の新規感染者数が一日三桁以上ならマスコミにとって喜ばしいことこの上ない。

僕がマスコミ嫌いだから特別に冷遇しているのではない。
誰かが不幸になるとなぜか儲かる、そんな事例がいくらでもある。

例えば栄養ドリンク……なんでもいいが、眠眠打破。
全国にブラック企業が増えていけば、比例して眠眠打破の売り上げも上がる。
逆に、日本中の会社がすべて定時出勤・定時退社だったら、不眠に悩むサラリーマンの数は激減するだろう。
従って眠眠打破の売り上げも落ちる。
合理的にマーケティングするなら、常盤薬品は全国にブラック企業を増やすよう努めるべきだ。

「野次馬」をターゲットにした番組を作っているのだから「災害」が起これば儲かる。
「眠れない人」をターゲットにした商品を作っているのだから「眠れない人」が増えれば儲かる。

「不幸が金になるビジネス」
テレビをつければ、コンビニに行けば、この仕組みで回っている市場をいくつも見つけられるだろう。
これは極論か?
資本主義が持つ性質では?
けれど騙しあい奪いあいを繰り返してきた人間の本質と実によくマッチしている。
だから共産主義より生きやすそうではある。

一般に「競争」とか「成長」とか呼ぶ、搾取の正当化が僕には馴染まない。
「コンテニュー」しかコマンドのない弱者がいよいよもって「NO」を選ぶ時、同じ弱者たる我々の振る舞いについて、僕はもう少し考えたい。

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