Rの散歩

妻と3歳の男の子を持つ父です。趣味は農業、読書、旅行、散歩。日課である散歩をしていると…

Rの散歩

妻と3歳の男の子を持つ父です。趣味は農業、読書、旅行、散歩。日課である散歩をしていると色々な気づきがあります。それは人生も同じ。日々の気づきや発見、感じたことを文章に起こしています。自由気ままに。

記事一覧

4年後、息子の悔しさと共に雪辱を

パシュート 3人一組で隊列を組んで滑りタイムを競うスピードスケート。 先日閉幕した北京2022オリンピックで私が1番楽しみにしていた競技が、女子団体パシュート。 前回…

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2年前
3

指切りげんまんに7年

私は19歳。 彼は22歳。 彼と私は幼馴染。 川に行って魚を獲ったり、近所のレンコン畑でかくれんぼをしたりと、物心ついた頃から私は彼と一緒だった。 彼はこう言ってく…

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2年前
1

妻の悪しき習慣

私の妻はおっとりした性格で、人を批判することなどめったになく、物事を肯定的にとらえることが多い。 一方で私は、”いらち”でせっかち、人をすぐ批判する、斜めに構え…

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2年前

自信が確信に変わった瞬間

息子(3歳)が私に向かって叫ぶ。 「おしっこ!」 私は急いでトイレに走り、子ども用の補助便座をおく。 トイレの前で「はやく、はやく」と言いながら、ジタバタしてい…

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2年前
3

マイホームへの憧れは無税

数ヶ月前。 家の近くに新しい家が建った。 角地にある白塗りのスクエアなその家は、 ひときわ目を引くモダンなデザインだ。 ひときわ目を引くのはそれだけではない。 …

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2年前

思い違いなのかな?

思い違い。 実際とはちがうことを、事実と思い込んだり理解すること。 思い違いすることは誰にでもある。 今日は金曜日だと思っていたら木曜日だった。 財布に10,000円…

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2年前
1

2022年も下りエスカレーターを逆走

元日から3日目の昼下がり。 家族で散歩に行くため、靴下を履いている私の足裏を、息子(3歳)が指さし聞いてきた。 「この白いのはなに?」 「角質だよ」私がそう答える…

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2年前

1円の末路やいかに

切りがいいのに。 後、1枚あれば。 そういえば、洗面所にあったような。 車のドアポケットにあったような。 昨日使ったカバンにあったような。 そんなことを考えなが…

Rの散歩
2年前

遠回しの遠回しの遠回し

プルルルル プルルルル プルルルル 息子(3歳)に絵本を読んでいる妻のスマホがなった。 「もしもし」妻が電話にでると、スピーカーから「こんばんは」義母の声が聞こ…

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2年前
4

年に一度のお便りへ。

もういくつ寝るとお正月♪ 子どもの頃、お正月の楽しみは、お年玉におせち、そして年賀状。 元旦に誰よりも早く起きて、わくわくしながらポストをのぞきこんだ。 さっさ…

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2年前
1

心を許せる唯一のネコ

嫌いじゃない、怖いんだ。 子供の頃、追い回されたトラウマから犬が怖い。 身近な動物である猫も同じ。 体の大小は関係ない。 リールにつながれていても、心の臓が騒ぎ…

Rの散歩
2年前
2

人の名前を呼ぶ行為でわかること

大人になったのび太君。 彼は幼なじみのしずかちゃんを、なぜ「しずかさん」と呼ぶようになったのだろうか? 先日、スーパーの食料品売り場で、こんな一幕を見かけた。 …

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2年前
4

さんぽで心と体が幸せ

朝の散歩を始めてから8ヶ月が過ぎた。 桜の花びらがセミの鳴き声になり、そして金木犀(きんもくせい)の香りに変わった。 散歩を始めたきっかけは、『精神科医が見つけ…

Rの散歩
2年前
1

人生最後の日に、食べたいものは何かな。

何が食べたいか? 人生最後の日に。 高校2年の時、3人の友人といつも一緒に昼食をとっていた。 給食がなかったため、母が作った弁当を毎日持参していた。 ある日、私は…

Rの散歩
2年前
7

価格より価値より指切りげんまん

価格と価値の違い。 大きな違いは、目に見えるか見えないか、誰かが決めるか自分で決めるかだろう。 おしっこはトイレでできるのに、うんちはおむつを穿かないとできない…

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2年前
1

石に布団は着せられず、私は今、幸せな境遇にいる

『24年前の今日、長い不妊治療を経て産まれてきた子どもは4人。 初めての子育てにオロオロしながら、泣けば抱き、オムツを替え、ミルクを飲ませ、怒涛(どとう)の毎日を…

Rの散歩
2年前
7
4年後、息子の悔しさと共に雪辱を

4年後、息子の悔しさと共に雪辱を

パシュート

3人一組で隊列を組んで滑りタイムを競うスピードスケート。

先日閉幕した北京2022オリンピックで私が1番楽しみにしていた競技が、女子団体パシュート。

前回の平昌五輪で金メダルを獲得したメンバーで今回も挑み、決勝に駒をすすめた。

その決勝が、息子(3歳)を保育園に迎えに行った帰りの車中で始まった。

家までは目と鼻の先ではあったが、私は車を止め、カーテレビを指さし、後座席のチャイ

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指切りげんまんに7年

指切りげんまんに7年

私は19歳。

彼は22歳。

彼と私は幼馴染。

川に行って魚を獲ったり、近所のレンコン畑でかくれんぼをしたりと、物心ついた頃から私は彼と一緒だった。

彼はこう言ってくれた。

「もどったら結婚しよう」

ごつごつした手を私の頭にのせ、小指をだして指きりげんまん。

1939年9月 第二次世界大戦

瞬く間に平穏な日々は消えた。

でもひとつだけ、私の心が安らぐときがあった。

彼の両親あてに

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妻の悪しき習慣

妻の悪しき習慣

私の妻はおっとりした性格で、人を批判することなどめったになく、物事を肯定的にとらえることが多い。

一方で私は、”いらち”でせっかち、人をすぐ批判する、斜めに構える、妻とは正反対の性格だ。

息子(3歳)はというと、のんびり屋で争いを好まず、やさしい話し方をするところなどは妻によく似ている。

私の影響を最小限に、妻の影響を最大限うけながら、息子には成長してほしいと心底願う。

ただ一点、妻の影響

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自信が確信に変わった瞬間

自信が確信に変わった瞬間

息子(3歳)が私に向かって叫ぶ。

「おしっこ!」

私は急いでトイレに走り、子ども用の補助便座をおく。

トイレの前で「はやく、はやく」と言いながら、ジタバタしている息子のズボンとパンツを脱がす。

そして抱きかかえ、そのまま便座にダイブ。

スッキリすると「(おしっこ)でたー!」と息子が叫ぶ。

私はトイレに再び戻り、我が物顔で便座に座っている息子をおろし手を洗ってやる。

息子が私に向かって

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マイホームへの憧れは無税

マイホームへの憧れは無税

数ヶ月前。

家の近くに新しい家が建った。

角地にある白塗りのスクエアなその家は、 ひときわ目を引くモダンなデザインだ。

ひときわ目を引くのはそれだけではない。

庭と駐車場が舗装されていない、ドロドロの土の上に家が建っている。

家の周りには三角コーンが等間隔に置かれ、コーンバーで敷地を囲っている。

駐車場にするだろう場所にはブルーシートがひかれ、その上に白く古いコンパクトカーが停まってい

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思い違いなのかな?

思い違いなのかな?

思い違い。

実際とはちがうことを、事実と思い込んだり理解すること。

思い違いすることは誰にでもある。

今日は金曜日だと思っていたら木曜日だった。

財布に10,000円札があると思っていたら5,000円札だった。

驚安の殿堂『ドンキ・ホーテ』ではなく、『ドン・キホーテ』だった。

全て思い違いである。

ではこれも思い違いなのだろうか?

15年ほど前のことだ。

中国で働いていた時、社員

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2022年も下りエスカレーターを逆走

2022年も下りエスカレーターを逆走

元日から3日目の昼下がり。

家族で散歩に行くため、靴下を履いている私の足裏を、息子(3歳)が指さし聞いてきた。

「この白いのはなに?」

「角質だよ」私がそう答えると、息子はさらに聞いてくる。

「ボクないけど、なんでトットにはあるの?」

「オッサンだからね・・・」

し、しまった。

しかし、時すでに遅し。

「私はオッサンではない!」自分にそう言い聞かせるため、口にしないようにしていたオ

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1円の末路やいかに

1円の末路やいかに

切りがいいのに。

後、1枚あれば。

そういえば、洗面所にあったような。

車のドアポケットにあったような。

昨日使ったカバンにあったような。

そんなことを考えながら、財布の中をゴソゴソ。

やっぱりない。

直径:20mm、厚さ:1.5mm、重量:1g、製造コスト:3円の1円が、後1枚あれば。

重量以上の心の負担を、レジ前で経験した人は少なからずいるだろう。

まさに『一円を笑う者は一円

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遠回しの遠回しの遠回し

遠回しの遠回しの遠回し

プルルルル プルルルル プルルルル

息子(3歳)に絵本を読んでいる妻のスマホがなった。

「もしもし」妻が電話にでると、スピーカーから「こんばんは」義母の声が聞こえてくる。

続けて「今ね、こっち寒いよ、ホントに寒いよ」

妻が「寒波きてるもんね」そう言うと、義母は矢継ぎ早に言った。

「お姉ちゃんたちは仕事で、こっちに来れないから会えないよ。

温泉もやってない。

あ、新しい株(オミクロン)

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年に一度のお便りへ。

年に一度のお便りへ。

もういくつ寝るとお正月♪

子どもの頃、お正月の楽しみは、お年玉におせち、そして年賀状。

元旦に誰よりも早く起きて、わくわくしながらポストをのぞきこんだ。

さっさっと年賀状を取り出し、すぐさま選別。

自分宛の年賀状を持って部屋にこもり、にやにやしながら見ていたのを覚えている。

明治4年に郵便制度が発足された。

そして明治6年に官製はがきが発行されると、年始の挨拶をはがきで出す年賀状が日本

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心を許せる唯一のネコ

心を許せる唯一のネコ

嫌いじゃない、怖いんだ。

子供の頃、追い回されたトラウマから犬が怖い。

身近な動物である猫も同じ。

体の大小は関係ない。

リールにつながれていても、心の臓が騒ぎだす。

ただ唯一心を許せるのが、妻の実家で飼っている猫。

名前はチイ。

齢17で、人間だと84歳くらいだという。

出会った頃は目も合わせず、近づいてきたら距離をとるを繰り返していた。

だが出会ってから早11年、心の距離はい

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人の名前を呼ぶ行為でわかること

人の名前を呼ぶ行為でわかること

大人になったのび太君。

彼は幼なじみのしずかちゃんを、なぜ「しずかさん」と呼ぶようになったのだろうか?

先日、スーパーの食料品売り場で、こんな一幕を見かけた。

「ねぇねぇねぇ、これ、この間の、美味しかったよね?ねぇ、ねぇ!」

声のする方に目をやると、年配の婦人が誰かに話しかけている。

婦人の視線の先に目をやると、年配の紳士がいる。

おそらく夫婦だろう。

しかし、紳士の視線は婦人ではな

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さんぽで心と体が幸せ

さんぽで心と体が幸せ

朝の散歩を始めてから8ヶ月が過ぎた。

桜の花びらがセミの鳴き声になり、そして金木犀(きんもくせい)の香りに変わった。

散歩を始めたきっかけは、『精神科医が見つけた 3つの幸福 』という書籍。

著者いわく、人が幸せになるためには、まず心と体の健康が不可欠だという。

その健康を手に入れるための1つとして推奨していたのが、朝の散歩。

日中や夕方ではなく、朝起きてから1時間以内、15~30分程度

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人生最後の日に、食べたいものは何かな。

人生最後の日に、食べたいものは何かな。

何が食べたいか?

人生最後の日に。

高校2年の時、3人の友人といつも一緒に昼食をとっていた。

給食がなかったため、母が作った弁当を毎日持参していた。

ある日、私は体調が悪く食欲もなかった。

母親が作った弁当を残すのは気が引ける。

そう思っていると「食べないの?」友人の1人が聞いてくる。

食欲がないことを伝えた相手は、食べざかりの男子高校生。

「俺が食べてやる!」そう言うと、俺も俺も

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価格より価値より指切りげんまん

価格より価値より指切りげんまん

価格と価値の違い。

大きな違いは、目に見えるか見えないか、誰かが決めるか自分で決めるかだろう。

おしっこはトイレでできるのに、うんちはおむつを穿かないとできない息子(3歳)。

そんな息子と前々から約束をしていた。

トイレでうんちができるようになったら、恐竜のおもちゃを買う約束を。

数千円程度のおもちゃだろう、毎日のおむつ代を考えれば安いものだ。

そしてつい先日、その約束を果たすときがき

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石に布団は着せられず、私は今、幸せな境遇にいる

石に布団は着せられず、私は今、幸せな境遇にいる

『24年前の今日、長い不妊治療を経て産まれてきた子どもは4人。

初めての子育てにオロオロしながら、泣けば抱き、オムツを替え、ミルクを飲ませ、怒涛(どとう)の毎日を過ごした。

そんな待ったなしの子育てに奮闘しているさなか、子どもたちが12歳の誕生日を迎えた頃、妻がガンで亡くなった。

あれから12年過ぎた今、4人はそれぞれの場所でがんばっている。』

某新聞に掲載されていたエッセイの一部。

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