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覚悟を決めた日


2021.03.20.

二度と忘れない日になるだろう。

セルビアに来てから。

いや、練習参加する前から。

いや、日本を旅立つ前から。

ずっとこの日をイメージしてた。

高校の時からスター選手で

Jリーグでもスター。

アーセナルと契約し

日本代表でもゴールを決めていて

セルビアではその浅野拓磨選手と真正面から

ぶつかれる自分との物差しをはかれるチャンスだと言い聞かせていた。

それだけじゃない。

セルビアは今や5大リーグへの登竜門。

浅野さんがゴールを決めて記事に載るたびに

" リーグのレベルは置いといて、、"

"セルビアリーグだけど、、"

こんな言葉たくさん見る。

舐めてるのかな?

たしかに5大リーグに比べたら
落ちるかもしれない。

でもここで結果を出し続けることは簡単じゃない。

どんなにうまいプレーしてもドリブル上手くても

もしかしたら日本では評価されるプレーも

結果を出せなきゃ何も残らない。

チームの強さ、戦術理解度、

それはどうかわからない。

ただ、一つ言えることは

セルビア人の個々の能力は高い。

浅野さんと話した時もこの意見は満場一致。

毎日の練習もとにかく激しい。

だから楽しい。

コイツを蹴落としてでも!

みんなこんな思いでやってると思う。

通過点ではあるけどずっとイメージしていた
パルチザン戦。

その週の練習で以前怪我していたところを
再度肉離れしていまい、離脱。

浅野さんと試合することが、勝つことがゴールではない。通過点。

俺のゴールは変わらない。

ゴールや目標を達成するにあたって
物事は予定通りにいかない。

そして予定していた、思っていた通りに
進まなかった時、
パニックになったり不安になって、
その原因を探して安心して、その修正に時間を費やす。
そうなる人も少なくないと思う。

要は思考の問題。

思い描いていた予定通りに行かなくても

思い通りの道筋じゃなくても

ゴールや目標を見失なわなければ

その状況は新たな挑戦に変わる。

自分の挑戦を常に自分で見つける。

だけど、そんな人生は甘くない。

ヨーロッパ強豪クラブのパルチザン戦、

チーム事情が色々あり
(最下位のチームなので色々あります)

怪我人の僕がベンチ入りしなければいけなかった。

もちろんアップもせずベンチに座るだけ。

スタンドで見るよりベンチで見る方が
より実感できる。

試合は結果から言うと0-4。

それよりも大きものを感じた。

印象に残ってる選手やパルチザンの強さは

またの機会で言うとして、

浅野さん。

1ゴール1アシスト

試合中も振る舞いも話した時も

自信をすごい感じた。

当たり前だ。この激しいリーグで

16点も決めてアシストをしてる。

結果にこだわって、結果出して

それが自信となる。

日本を代表する選手はこうだと。

「こうならなきゃいけない。」

試合後そう思った



でも違った。

試合後、浅野さんとお話しさせて頂いて

すごい謙虚な方で礼儀正しく
強い向上心も感じた。

試合中は何回も何回もタイミングで裏を狙っていた。

浅野さんが求めてる以上にボールはこなかったけど浅野さんが裏抜けるタイミングでボールがたくさんきてたらこっちはもっと苦戦したなって思うくらい、動き続けていた。

ボールくれればイケるで!

そんな自信も伝わってきた。

人間性は大事。

サッカー界でもこんな言葉をよく聞く。

本当に謙虚な人なんだなって伝わってきた。

こうならなきゃいけない、、、


と、2人で話している時、

スタジアムの柵が開いた。

バチュカに住む子供達が何十人もこっちにきた。

Asano !!!!

Asano !!!!

子供たちは携帯を片手に持ち、目を光らせて

浅野さんに写真を求め走って向かってきた。

浅野さんは子供たちに囲まれた。

待て。

ここは俺のホーム。

FK Backa のホームスタジアム。

そこには何回も俺に写真を求めにきてくれた子供も見かけた。

その子も浅野さんに目を光らせていた。

こうならきゃいけないのは俺だ。

屈辱以外に何もなかった。

日本代表?

俺は無名?

どっちが上手い、下手

関係ない。

結果を出してるか出してないか。

結果なんだこの世界は

「この人を越えたい」

いや。


「この人を越えなきゃいけない」

そう強く思った。

この思いを忘れちゃいけない。


人にユニフォームを求めるなんて
同じ選手として嫌だって思っていた。

憧れなんかでもらったわけじゃない。

でも、

この日感じたこと

泣けるほど悔しかったこと

決意したこと

プロサッカー選手として

上を目指し続けるうえで

一瞬たりとも忘れないように

この浅野さんのユニフォームを見るたびに

この日の全てを思い出すように

そして俺は


必ずあなたを越える。


やり続けます。

こんなに闘争心に溢れていても

今は走ることもできない。

関係ない。

できることをする。

俺にはゴールがある。


Cao #7

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