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ハーフサイズカメラ Olympus Pen D

オリンパス ペンDを衝動買いしてしまった。1963~66年の間に販売されていたハーフサイズカメラだ。
一コマの大きさが、縦24mm、横18mm。
35ミリフィルムの1コマ(縦24mm、横36mm)を縦に2分割した大きさ。
デジカメでいえば、APSーCのセンサーの大きさに近い。
変わっている点は、一コマのフィルムの大きさだけではない。ピントが目測(勘)なのだ!
使い慣れないカメラで、とりあえず作例を撮影してきた。

絞り開放で、最短撮影距離付近。ウォーターピッチャーの水滴にピントを合わせてみた。かろうじてピントは来ている。でも、やっぱりピント目測は難しい。
フィルムの最後の1枚の筈が、なぜか2枚撮影できた。露出オーバーだし、どうやら自動的に多重露光になってしまったらしい。買って早々に故障?
ピント合わせが目測なので、絞りを開けての近接撮影は難しい。

逆光は基本的に苦手。レンズの一部に太陽光が直接当たるようなシーンでは、盛大にハレーションがでる。レンズの劣化かもしれない。60年前のカメラだから、しょうがない。
暗い場所だと感度100のフィルムでも粒子が出る。ハーフサイズカメラなので、なおさら画質は荒い。でもその点が、フィルム写真らしさを際立たせている。ペンDはシャッターが静か(ライカより静か。レンズシャッターなので当たり前だが)で、シャッターブレもないので、暗い場所での撮影は得意科目。
絞りF2.8。ピントはかろうじて来ている。でもカリッとした印象はなく、粒子の荒さとあいまって、絵画的な表現。ピントが目測だと、テーブルフォトは難しい。

さて、ペンD(の初期型)に搭載されるF-Zuiko F1.9 32mm(フルサイズ換算約46mm ← 縦横比が35mmとは異なるので、単純に、焦点距離×1.5にはならない)は、発売当初はシャープなレンズという定評があったらしいが、現代のレンズとの比較ではシャープネスにおいては勝負にならない。特に遠景の描写が甘い感じがする。でも、そのまったりした描写が、水彩画(暗い場所だと油絵)のようで魅力がある。
ちなみにフィルムは、富士のネガカラー100。ようやく入手できるようになったようだが、購入できる本数に制限があるし、価格も上がってしまった。

オリンパス ペンDのDは、デラックスのD。プロ仕様のペンだったらしい。でも、仕事で使っていた人はいるのかな……? 見た目は小さいけれど、軽いカメラではない(重量400g)。絞り解放がF1.9ということで、それなりにレンズの厚みがあるから、シャツやジャケットのポケットに入れるのはちょっと難しそうだ。カメラ購入後、純正のレンズフードとレンズキャップをネットオークションで入手。人気のカメラだったせいか、付属品は今でも、簡単に、しかもリーズナブルな値段で入手できる。まあ、欠点、美点、いろいろあるけれど、見た目は文句なしにカワイイし、気軽に持ち出せるのもポイントが高い。
フォーカッシングレバーでピント位置を決める。ちなみに距離は、0.8m~∞まで刻印されている。ただし先述したように、目測。絞りを開けての近接撮影はピント合わせが難しい。今回の撮影では、被写体の奥にピントが合ってしまったケースが多かった。でも、この点は慣れと経験で、どうにかなりそうだ。ちなみに露出計もついているし、実用にもなる。ただ、レンズのシャッターダイヤルを動かすと、すぐ後ろにある絞りのダイヤルが動いてしまう(簡単に回ってしまうし、クリック感もない)ことがたまにあった。シャッターを切る前にちゃんと確認しないと。
フィルムは裏蓋を外して装填する。オールドカメラらしいお作法。ハーフサイズなので、36枚撮りのフィルムで72枚撮れる。デジカメならあっという間だけど、フィルムカメラで72枚を撮るのは時間がかかる。フィルムカメラだと、一枚一枚丁寧に撮影していることが多い。 なかなか最後のコマにならないので、フィルムがちゃんと巻き上げられているのか不安になったりする。もちろん心配はいらない。 フィルムがちゃんと巻き上げられているかどうかは、ペンの場合、軍艦部(カメラ上部)のフィルムを巻きもどすレバーが回転しているかどうかでわかるのだ。

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