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浮き彫りになりつつある東京のデメリットに不景気が追い打ちをかけている

個人的に衝撃的な報告がありました。六本木のライブハウス「morph-tokyo」が11月に閉店となります。私はライブハウスとはあまり縁のない生活をしていますが、このライブハウスでのイベントに何度か足を運んだことがあります。場所は東京ミッドタウンの脇に位置し、六本木駅からもすぐの好立地なライブハウスです。18年間の歴史があり、愛用された音楽家の方も多かったようです。今年は東京オリンピックが予定されてたこともあり、盛り上げていこうとしていた矢先の出来事だったのは心苦しく感じます。

閉店の原因は中国武漢市を発祥とする新型コロナウイルス感染症対策の影響です。六本木という一等地にあり、感染クラスタ化しやすいと槍玉に上がるライブハウスであり、東京都による営業時間制限の影響も直撃する。加えてメディアが過度に感染症の恐怖を煽ったことにより、客足も鈍っていたと予想します。コロナ禍で苦しむ経営者は多いでしょうが、morph-tokyoは特に悪い条件が揃いすぎていたと思います。

馴染みのある施設が無くなると不景気を更に実感します。総務省統計局が9月1日に発表した労働力調査によると、7月の完全失業率は2・9%まで上がったそうです。2018年と2019年の完全失業率は2・4%です。完全失業率の変化だけ見ていると微妙な変化にも見えます。しかし完全失業率の統計に含まれない非労働人口は同年前月より24万人増えており、4ヶ月連続で増加しているそうです。ロイター通信は年末までに完全失業率が4%まで上がると予想する記事を上げています。実感としても割と現実的な数字ではないかと思います。

補足しておくと2%台をキープしているのは他の先進国と比べたらまだ少ない方です。同時期のアメリカの失業率は10・2%です。補償制度の事情や就業文化に違いはあるので単純比較は出来ませんが、数字上はやはり上手く経済対策が出来ていました。早々に雇用調整助成金の制度を始めたのが効いていると思います。しかし、公的な補助による延命にも限界がありそうです。

パソナグループが本社を東京都から兵庫県の淡路島に移転するという発表が大きな話題となっていました。パソナに関しては以前から淡路島を拠点とする構想が基盤にあったようなので突拍子もない話ではなかったようですが、東京から地方へ移住の動きは思ったより速いと実感する話題でした。

都心の「人が集まりやすい」という利点が薄れていき、「コストが高い」という不利点が浮き彫りになってきています。不景気が追い打ちをかけるかのように地殻変動を助長します。まさしく一寸先は闇です。暗い話題で申し訳ありません。年末に向けて最悪の場合を想定したシナリオを組んでおくに越したことは無さそうです。

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