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景義先生

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生垣の向こうに棲む不思議な老人の話です。 オムニバス/怪奇/都市伝説/BL/微グロ/R15
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#創作大賞2023

7.景義先生と蛞蝓

 景義先生は蛞蝓に似ている。石を食む悍ましさと、ぬらぬらと粘液を纏う艶かしさが、あの愉し…

6.景義先生と鳩

 ツツジの花の蕾が緑の合間から見え隠れする隣に、満開になった別のツツジが鮮やかに並んでい…

5.景義先生と桜

 社会人になってからは夜に出歩く事が日常となった。まだ人の賑わいの多い大通りを抜け、コン…

4.景義先生と妻

 私と妻は幼馴染で、かつてはこの荒んだ、というよりは元々荒んでいたのが、少子化により多少…

3.景義先生と風呂

 物事が何もかも上手くいかない日というものはある。詳細は思い返すのも億劫なので省くが、仕…

2.景義先生とステーキ

 正気のはずなのだ。正気でない人間は皆そう言う。空い自問自答を繰り返すが、目の前には取り…

1.景義先生と私

 近所に景義先生と呼ばれる人がいる。先生と呼ばれているが、何かを教えている訳ではなく、また過去にそのような職業に就いていた訳でもないらしい。昼間は大抵、公園に面した一軒家の縁側で穏やかに佇んでいる──景義先生と『私』の奇妙な関係、何かに取り憑かれた町の、時々軋む日常オムニバス小説。  近所に景義先生と呼ばれる人がいる。先生と呼ばれているが、何かを教えている訳ではなく、また過去にそのような職業に就いていた訳でもないらしい。昼間は大抵、公園に面した一軒家の縁側で穏やかに佇んでい