Jリーグ公式の逆さ画像ツイートが燃えてる件についての話

藤見谷

今日は仕事が休みだったのでのんびり昼寝などをしておりました。
で、昼寝してる間にJリーグの公式ツイッターが見事に炎上してて思わず宇宙猫。

…して、その燃えたツイートがこちら。

こちらのツイート、分からん人には何で燃えたのか全く分からないでしょうし、そもそも「何やねん、コレ」っていう謎ツイートですよね。うん。

先に申しておきますが、個人的にはこのツイートを見た瞬間、結構イラっとしました。理由は後述。



【ツイートの元ネタの説明】

まず、Jリーグ公式が何故にこんな逆さまになった画像を添付してツイートしたのか？という話から。


元ネタは「タッキー」の愛称でお馴染みの滝沢秀明氏のツイート。

滝沢秀明氏…言わずと知れたあの「タッキー」ですよ「タッキー」。

ジャニーズJr.の頃からジュニアを引っ張る存在として活躍し、同じくジュニアを牽引してきた今井翼氏とユニットを組み「タッキー＆翼」としてCDデビュー。その後の芸能界の第一線での活動は皆様もご存じのところ。
そして「タッキー＆翼」解散後、滝沢氏はジャニーズ事務所の副社長兼、ジャニーズ事務所の子会社の社長として事務所の様々な改革に着手。特にタレントのSNSでの活動の解禁やYouTubeチャンネルの開設などネット方面での改革っぷりはそれまでのジャニーズ事務所を知る人であれば顎が外れるほど驚いたはず。自分も驚いたクチです。

で、その滝沢氏、先日ジャニーズ事務所を電撃的に退社し世間の耳目を大変に集めたのは記憶に新しいところ。
（というか、たぶんまだ現在進行形のニュースかと）

滝沢氏のジャニーズ事務所電撃退社の理由について例によって週刊誌が色々書き立てて非常にホットな事になっている最中、氏がツイッターアカウントを開設。そしてそのアカウントから最初にツイートされたのが件の「画像逆さまツイート」な訳です。

そして状況が状況なだけにこのツイートは大バズり。
スキャンダル的なニュアンスも含めて様々な方面で話題になりました。というかなってます（現在進行形）

…で、この超絶バズったツイートの様式を真似したのが今回燃えに燃えてるJリーグ公式のツイート、と言う訳です。

はい、以上で状況説明終わり。



【Jリーグ公式のツイートが燃えた理由を考えてみた】

して、このJリーグ公式の逆さ画像ツイートがこんがり焼けてる理由について、いくつか思い当たる節があるのでちょっとチラシの裏的に考えをまとめてみようかな、と思った次第。いっちょかみ上等。


今回のツイートが燃えた理由について…

1．元ネタが分からない
2．「入れ替え戦」という舞台
3．ｎ番煎じ感
4．ジャニヲタの神経逆撫で

…パッと思い当たったのがこの辺の理由。


では、それぞれの理由について考えていきたいと思います。



【1．元ネタが分からない】

これは単純です。
元ネタが分からないのであれば、件の逆さ画像の何が面白いのか分かりませんし、そこが分からなければ単に「クッソ読みづらいテキスト画像を添付した意味不明なクソツイート」でしかないのですから。
しかもスマホを逆さまにして頑張って読んだところでわざわざ画像を逆さにした意図が理解できるでもなければ、別に面白いことが書いてあるわけでもなし、という…。労力使って損したパターン。

日本全国の老若男女のツイッタラーが滝沢氏のツイートのネタを把握してる訳でないですし、そもそも滝沢氏の動向を追うような属性の人はジャニーズ案件な訳ですから「若年～中年の女性」に偏るかと思われます。そしてJリーグのメイン客層は「中年男性」というデータが出ております。そうだね、ミスマッチだね。

まぁ元ネタの滝沢氏のツイートのバズりっぷりから流石に完全なミスマッチという訳ではないでしょうが、しかし「リーチしたい層」と「リーチしてくる層」のギャップはまあまあ存在すると思われます。
件のJリーグ公式のツイートに対して「何これ？」というようなリプライや引用リツイートが（特にツイートされてすぐの反応の中に）かなりありましたので、そこは確実かと。

と言う訳で、この時点である程度の人が「このツイートを面白がれる選手権」から脱落、となります。残念。



【2．入れ替え戦という舞台】

個人的にこれが一番「Jリーグ公式が踏んではいけない地雷」だったのでは…と思うポイント。

今回のJリーグのツイート、内容を見てみると「次の日曜に迫ったJ1参入プレーオフのプロモーション動画を公開するよ！」という告知。

…J1参入プレーオフ。

そう、J1参入プレーオフなのです。

今回のJ1参入プレーオフというのは、J1の京都サンガとJ2のロアッソ熊本が試合して勝った方が来季J1へ、負けた方がJ2へ行くという試合です。

試合結果によっては今季J1の京都と今季J2の熊本の来季の立場が入れ替わるのです。

「入れ替わり」…つまり「逆さ」。


見ようによってはこの「逆さ画像」、J1とJ2の入れ替わりを暗喩してるように受け取られるでしょう。

まぁ下剋上やる方の熊本側はまだいいとして、京都側のサポーターからしたら公式からこんな揶揄してると受け取れるツイートされたらたまったもんじゃなくね？

うん、そりゃあイラっとするわな。

もしかしたら「『入れ替え戦』と『逆さま画像』が掛かった小粋なネタをかましてやったったぜ！」みたいにJリーグ公式の中の人は思ってるのかもしれないけど、ツイートに対する反応を見てぜいぜい頭から冷や水浴びてくださいな、としか…（）


あと、更に最近のJリーグが事あるごとに「リスペクト」という文言を多用してるのがブーメランになってる気がしますね。

平素のJリーグの裁定やら何やらに不満を感じている人からすれば「サポーターには『リスペクトを大事に』とか言っておいて、テメーらは入れ替え戦に臨む選手やサポに対するリスペクトが感じられないツイートをしてもいいんですね」って具合になりますわな。熱々のぶぶ漬けを顔面にブン投げたくなるレベル。燃えるのも残当。



【3．ｎ番煎じ感】

往々にしてこういうバズりツイートの様式というのはツイッタランドのお作法として、パクられて拡散していくのが常です。

今回の逆さ画像ツイートの様式もその例に漏れずある程度パクられて拡散中。

とりあえずパッと目についた東スポのツイート（東スポＵＭＡって公式だよな？ちょっと不安…笑）を持ってきましたが、これ以外にも有名無名問わず様々なアカウントがネタに乗っかったツイートをしておりました。


しかし、こういうバズりツイートの様式の便乗というのはそのアカウントならではのプラスアルファを仕込まなければ単なる二番煎じ、三番煎じ感が出てしまい「スベった」状態に陥ることがままあるのが難しいところ。

要するにこれは「大喜利」な訳です。
前の人と同じ回答をしたところでスベるだけなのです。プラスアルファのユーモアが無いと座布団はもらえません。山田くんが暇になってしまいます。

そしてツイッタランドはつまらないネタに非常に厳しい場所です。

（まぁ「天丼」という手法もあるけど、あれはあれでネタとしての仕込みを丁寧にやらないと酷いことになるのでな…）


それに対して件のJリーグ公式のツイートの画像は特に何の捻りもなく、丸パクリもいいところ。こんなんパクツイですわー。これでは座布団を貰うところか歌丸ジェノサイド。

今回のJリーグ公式のツイートもプラスアルファの仕込みを何かしてあればもうちょっと反応も変わっただろうになぁ。インスタントな縦読み仕込むとかさ。いや、縦読み程度じゃダメか…。



【4．ジャニヲタの神経逆撫で】

あと、今回のツイートに対する反応で散見されたのが

「これ、ジャニオタに喧嘩売ってるの？」

的な反応。


そもそも滝沢氏のツイートが発端のネタであることから自明ですが、このネタはジャニーズマターなネタになるわけです。

ですが、前述の通り、滝沢氏の電撃的なジャニーズ事務所退社がそもそも事務所内の役員間の不和や権力闘争、つまり、その手の下世話な週刊誌が大好きそうなスキャンダルの末の出来事っぽく、ジャニーズ好きな人間からすると非常に非常に非常にモヤモヤする（している）事案でして…。

更にジャニーズ界隈的には目下絶賛売り出し中のグループ「King&Prince」のメンバー脱退＆事務所退所の発表で荒れに荒れており、しかも滝沢氏のジャニーズ事務所退社報道から日を置かずのリリースで「これらの件は連動してるのでは？」と考えている人も多く居ります。

ちなみに自分は元ジャニヲタであり、今も一部のグループやタレントについてはTVでやってたら録画したり見たりするくらいには好感を持っておりますし、何より滝沢氏の後任人事がイノッチな事にかなり青ざめてたりします。
（トニセンだけは平和であってほしかったし、事務所のゴタゴタには巻き込まれないで欲しかった…泣）


平たく言うと、ジャニヲタは現在、死ぬほどセンシティブな状況に置かれております。
メンバーの脱退で大変なことになっているキンプリのファンは当然泣いて過ごしているでしょうし、それ以外のタレントやグループのファンも事務所はどうなるのか、そして何より推しの未来はどうなってしまうのかと不安になっているでしょう。
つーか、下手したら推しの将来が吹っ飛びかねない岐路なんだわ。マジで（迫真）

そういう状況で（いくらバズったからと言っても）タッキーのツイートのネタに不用意に乗っかる真似されればそりゃあイラっとしますわな、と。
というか、このツイートしたやつの横っ面のひとつも叩きたくなるレベル。


ときに、個人的な狭い観測範囲での観測の話ではありますが、Jリーグ追っかけてる女性サポーターにはジャニヲタもやってる人が結構いるっぽい感じ。

いわゆる「個サポ」「顔サポ」とかは（それの良し悪しは別として）ジャニーズをはじめとするアイドル文化と思いっきり被るところがありますし、サッカーにおけるゲーフラの文化はジャニオタ界隈の「手作りうちわ」と親和性が高いと感じます。
そういう文化的に重なる部分がある以上、サポーターとジャニヲタを兼務する土壌は整っていると言えますので、兼務の人が多いのは当然っちゃ当然の話だと個人的には思います。


で、だ。
最近のJリーグのプロモーションの方向性を見てると、どうも最近の集客対象は「家族連れ」と「若い女性」っぽいんだよなーと感じます。

して、「若い女性」に対するプロモーションを強化してるくせに「ジャニヲタ」のメンタルを爆破粉砕ようなツイートするのはマズいんでねぇの…？と思う次第。

結局、この辺のプロモーション戦略のチグハグさに「やっぱりJリーグってアレだよなぁ…」って思っちゃうんですよ。ええ。

俺、何かおかしいこと言ってる？言ってないよね？言ってないはずだ。



【あのツイートに対して思う事】

個人的に件のJリーグの逆さ画像ツイートについて思うところは「下手くそだなぁ」という一点。
元ジャニヲタとしての視点を差っ引いてもやっぱり「下手くそ」という印象は不変です。

確かにインプレッションは稼げてるでしょうし、バズってると言えばバズっております（ただし、かなり焼け焦げまくった匂いしかしないのが難点）

「悪名は無名に勝る」の理論で行けば件のツイートは大成功なんでしょうね。叩き出してるリツイートなどの数字を見ればそこは疑いようがない事実。


ただ「元ネタを分かってない人がいる」「入れ替え戦というセンシティブな案件に使うには向いていない」「ジャニヲタの逆鱗に触れる」という驚異の三重奏でネタを見る側をふるいにかけて、その上「大喜利的要素を求められるバズり乗っかりネタ」で捻りのひとつも利かせられないというアレさはどうなんだ…と。三併殺どころか四併殺じゃねぇか！っていう。

もちろん今回のツイートを面白がってる人もおりますのでそこにはちゃんとリーチ出来てるんでしょうけど、しかしやっぱり「人を選びすぎるネタ」だというのはどうしても感じました。


今回の炎上に対して「炎上に負けずこれからもどんどん面白いツイートをやれ！」と言ってやるのが自由で健全な言論空間を形成するための反応なんでしょうが、如何せん超絶イラっとしてしまった側の人間なのでねぇ。中々それも言えねーっていうな…。
ホントによくも煮ても焼いても食えねぇツイートしてくれたなぁ…って感じです。


まとめると、Jリーグ公式のツイッターの中の人に対しては「まぁ…頑張ってください」としか言えねーです（投げやり）


以上。おわり。

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