【裏ワザ】十四の銀河をゲットする方法!
まずはラスボス前までストーリーを進める必要があります。
アイテム欄を最後のページまで埋め、1つ分だけ開けた状態であることを確認して下さい。
魔王城突入イベント中、ダンジョンに飛ばされる直前のタイミングで十字キーの上ボタン+Bボタン+Xボタンを同時押しします。
するとデバッグルームに入ることができるので、そこにいる男性キャラクターに話しかけると強制リセットが入り一度ゲームが落ちます。
その後、ソフトを再起動し「つづきから」を選択すると魔王城の前に戻っており、空けておいたアイテム欄に【十四の銀河】が入ってます。
……という冗談はここまでにしておいて。
まず初めに、M.S.S Projectの皆様14周年おめでとうございます。
今年もこうしてお祝いが出来ることが何より嬉しく思います。
さて、先日8/28が楽曲公開から10年であり、「初音ミク16周年楽曲ランキング」で見事28位にランクインした「M.S.S.Planet」。
「14」周年ということもあり、せっかくの機会ですので小説『M.S.S.Planet〜古に伝わりし勇者たち〜』の感想を改めて書き残しておこうと思い筆を執った次第です。
例えるなら夏休みの読書感想文のようなものであり、あくまで私が感じたことがメインになりますのでその点はご承知おきください。
※以下ストーリーの根幹に関わるネタバレを含みます。
(もし未読の方がいらっしゃれば是非本編を先にご一読ください。)
初読自体は1年ほど前なのですが、当時その構成力の高さやキャラクターを通して感じられる4人の想いとメッセージに強い感銘を受けたことを今でも覚えています。
まず第一にリレー小説という形式に懐かしさを感じつつ、その文体が4章バラバラなことが(当たり前ではありますが)とても面白く感じました。
また、それぞれの相棒キャラも個性豊かで大好きなのですが、「スズキ」というキャラクターについては本編での描写が少なく(別の場所で触れていたような気もするのですが、もしご存じの方がいらっしゃいましたら教えてくださいますと幸いです。)不思議に思っていたのですが、「マコト」の幼馴染でありエリートという断片的な属性から、もしかしたら麻雀のお強いあの方がモデルだったりするのかな、と思ってみたり。
もちろん、次章の「ダイスケ」には妹がいるので(これも当初少し驚きました。どうしても自己紹介順がなじんでいたので次は「ケンタ」の章が来るのだとばかり思っていました。)全てがモデルの方とリンクしているわけではないことは承知しておりますが、可能性の一つとして。
反対に「ナオキ」はシステムエンジニアの設定であるということはeoheohさんらしいな、と感じます。小説執筆に苦労されたお話から恐らく本人と近い設定を選んだのだと思いますし(昔の職場ツイート好きです)MSSP大好きジジイキャラを登場させることで筆が乗ったというエピソードもらしいな、と思いました。
そして、各個人の章で一番惹き込まれたのは「ケンタ」が冒頭に見る夢での会話でした。先述の通り彼らは「本人の要素を多大に含んだ別人のキャラクター」ではありますが、高校時代と聞くと最近の個人生放送などでKIKKUNさんの口から聞く数々のエピソードが頭に過ります。
各個人の章では、キャラクターと執筆者がどれだけリンクしているのか、というファン目線で楽しんでいたのですが、五章のMSプラネット編では打って変わって非常に考えさせられる内容だと感じました。
突然ですが、皆様がこの小説を始めて手に取られたのはいつですか? 発行時期を考えると学生、それも中高生くらいの歳だった人も多いのではないでしょうか。
私はここまで「マコト達」と同じ視点で物語を読み進めていました。だからこそ4人と同じように惑星を冒険し、仲間と共にピンチを切り抜けていった先の出来事にしばらく続きが読めくなるほど苦しくなってしまった。
大人になってしまったけど不思議なゲームソフトによってストーリー上の勇者として活躍する。そういう「主人公たる奇跡を与えられた4人」のワクワクした物語なのだと、それを追体験できるものだと思っていたので上記のセリフを聞いたときに頭を殴られたような衝撃を受けました。
4人に自分を重ね彼らと同じように、それぞれが星で出会う仲間は物語を動かすため配置されたキャラクターなのだと認識していました。でもそうじゃなかった。彼らこそが真の勇者チームだったんだと。
これは普段から「MSSPの4人」を主人公視しているところからくる一種の叙述トリックのようでもあり、だからこそ、この4人が? という強い気持ちが意外性となりストーリーの転換部分に当てられているのが狡いなとも感じました。何層にも重なったフィクションの中でさえ、マコト、ダイスケ、ナオキ、ケンタは主役になれないのか。その事実に落胆する気持ちは読者である私自身にも反映されます。何者にもなれないまま今日を迎えた大人だったのだと、忘れかけていた現実を突き付けられました。
それでも作中の4人は自分が主人公であると強く思うことで魔王を倒し現実世界へと戻ることができます。
勇者じゃなかったかもしれないけど主人公は俺たち自身のはずだと、その台詞を誰が言ったのか伏せることで読者の中で主人公を決められるのもリーダーを立てていないMSSPさんの小説らしく感じました。
突出した主人公がいないというのは、何となく今年の記念生放送でプレイされたFF3らしくもあるなとも思い偶然ではありますが面白いな、と。
そして、エピローグでのこのセリフが先程の問いかけと重なります。
マコトが呟いたこの言葉を、貴方にも聞きたい。このゲームをクリアするのに、どれぐらいの時間がかかりましたか? この物語は読む人の年齢層によって感じ方が違うんじゃないだろうか、そう思ったのです。同時に私は今の自分が読めたことも幸せだと思いました。優劣ではなく読み手に寄って「最強の自分」への寄り添い方が異なるのであろうこの小説の存在が、とても暖かくて優しい話だと感じました。
そうして5つの惑星を旅した後で現実世界に戻り、ふと思います。
大人になってしまっても、心の底に眠っていた輝きは消えていない。
でも、この世界では勇者になって世界を救うことはできない。
じゃあ、この気持ちは自分の中でしか存在できないものなのか。
そうではないと証明してくれるのも、執筆者であるMSSPの4人でした。
広い定義では此処もギャラクシー。
始まりはビデオカメラで直撮りをした2人の動画から。
2人が4人になり、CD発売やゲーム化、小説化、ネットの壁を越えたリアルイベントにワンマンライブ。
この小説についても、新しいことに挑戦しようという試みから誕生したものだというエピソードを拝見した記憶があります。
いつまでも変化を恐れることのない彼らは「あの頃の夢」を一つずつ「現実」へと具現化している。
「マコト達」のその先に実在しているのが、彼らの方なのだ。
何かを始めるのに遅いことなんてない、それを体現する4人の姿はいつだって輝いている。
ただ遠くに居るだけではない。私たちと同じように一度「大人」になった彼らが成し遂げることだからこそ、憧れだけで終わるのではなく実際に変わっていくための勇気を貰える。
久しぶりに小説に触れ、そんな風に彼らに救われていたことを思い出していました。
改めて、14周年おめでとうございます。
4人に出会えて動き出した運命。どうか、これから先もその歴史の傍らに居させてください。
【十四の銀河】は閉じてしまうけど、漆黒堕天使は私の心に。