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4年3ヶ月働いたメルカリを退職します

2016年1月から4年と3ヶ月、PR(広報)として働いたメルカリを卒業します。在籍は5月半ばまでとなりますが、3/31が最終出社でした。

この4年間、10倍以上の急成長過程をど真ん中で経験させてもらえたこと、多くの人に知って・使ってほしいと心から思えるメルカリ/メルペイ/ソウゾウのプロダクト、そしてメンバーもカルチャーも大好きな会社のPRとして、世の中にその価値を伝える役割を担えたことは、仕事人生最大の幸運でした。

取材などでお世話になったメディア・記者の方々、PRエージェンシーはじめ数々のパートナー企業の方々、そして一緒に働いたメンバーの皆さんに、心からの感謝をお伝えさせてください。

2月から原則WFH(リモートワーク)という状況もあり、お世話になった社内外の皆様には直接ご挨拶できていない方も多く、申し訳ありません。
この機会に、今までやってきたこと、これから考えていることをnoteにしてみたので、よろしければお付き合いください。

入社のきっかけ

メルカリに入る前、新卒で入社したミクシィでは新規事業のwebやアプリのディレクター(今で言うPM)を3年弱、その後はYelpの日本法人にてコミュニティマネージャーという仕事を1年半やっていました。
2015年の秋、うっすら転職を考え始めた頃、現メルカリ会長の小泉さんに「PR探してるんだけど、どう?」と言ってもらい、メルカリといえば優秀な人が集まっているイメージでサービスも好きだったので受けることに。
PRとPM、どちらの職種で入るか迷ったのですが、色々と考えた結果PRを選択。未経験でしたが、前職でも取材を受ける機会が多かったり、PR会社と一緒にプレスリリースのネタを企画したりと近い仕事をして面白さを感じていたことと、昔から「1人目」「立ち上げ」と聞くとワクワクしがちな性質だったためです。

やってきたこと

2016
入社初日、小泉さんからは会社紹介資料をもとに30分ほど説明をしてもらい、その後は早速、PR窓口に来る取材連絡への対応を開始。今思えばあの説明がオンボーディングだったのか...?1人部門だったけれど、同じテーブルのHRのメンバーにも色々教えてもらいながら、なんとかやっていました。

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↑入社した頃のHR&PR円卓。

入社すぐとはいえ、メディアにとっては自分がメルカリの代表になるので、過去記事や社内資料を大量に読み込み、社員に話を聞き、メルカリのすべてを語れるようになろうとしていました。
メルカリ便をはじめとしたサービスの新機能や84億円という大規模の資金調達、人事制度「mercibox」などの発表に加えて、マーケティングチームと一緒にリアルフリマの運営をやったり、TV番組のロケでたくさんの芸能人の方のお家に伺ったり、TVCM撮影の現場にも行ったり...。
手探りながらやってくる色々なことをやっているうちに、社内外とのつながりも増え、勝手を掴んできました。

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↑入社から半年たった頃、全社MVP受賞。周囲がすごい人ばかりだったので受賞するとは全く思っておらず、死ぬほど驚いた。(受賞するとMVP旗が席の横に置かれる)

(メルカンも毎日更新していた)

2017
前年末に受賞や露出が増えたこともあり、年が明けた途端に新聞やTVからの問い合わせが増えてきた頃(それまではwebメディアの問い合わせが主だった)。PRのメンバーも少しずつ増員。
4月には現金出品という事件があり、初めての大炎上、鳴り止まない電話の中、CSやLegalのメンバーと共に、必死に対応をしていました。この事件後は一気に大手新聞やTV等マスコミからの問い合わせが増加し、社会的ステージが変わったことを実感しました。
一方で、コーポレートサイトのディレクションをやったり、オリジナルの梱包材を作るPJも携わったりと、広報以外のPJに携わることも多く、デザイナーやPM、BizDev等、社内外の各部門と企画の進行をする機会も多くありました。

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↑ヤフートップに1日で2記事掲載された、忘れがたい日の深夜。

10月にはLINEで8年間PRをリードしていた矢嶋さんがPRのマネージャーとして入社。属人的で受け身対応が多かったところから、戦略・チームの両方を作り上げていく過程をともにさせてもらい、いかに今までが手当り次第だったのかを思い知る日々...。PR戦略の立て方、チームの作り方、メディアリレーションとは?などなど、何から何まで学ばせてもらい、感謝してもしきれません。

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↑PRチームの3人+インターン1人で開催した、初のチームオフサイト。相互理解のため、いままでの人生について赤裸々に説明中。

2018
2018年6月19日にマザーズ上場。年の前半は上場準備一色でした。上場広報のPJオーナーに任命してもらい、メディアリレーション構築、「メルカリで変わる消費スタイル」浸透のための調査PR、海外メディアツアー、創業者からの手紙、新聞広告、社内の盛り上げ企画…数々の仕込みをして、上場当日を迎えました。
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↑前日までは「感傷に浸ってしまいそう」と思っていたが、当日は狭い会場にひしめく大量の社員とメディアを仕切るために走り回っており、感慨に浸る余裕はゼロ。

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↑オフィスに戻りWBSまで見届けて、日付が変わる直前にPRチームで撮った写真。

(※上場時の広報に関する戦略・ノウハウは、下記を始め色々な記事にまとまっています)

4月からはマネージャーにもなり、プロダクトPRのチームを持つことに。マネジメントは初めてだったので、社内の色々なマネージャーやHRの人に色々聞きに行ったり、推薦された本を多読したりと、インプットを増やしながらマネジメントスタイルを模索していました。自走力の高いチームメンバーに恵まれ、自分たちなりにチームを作っていく過程は、悩みながらも楽しかったです。

2019
入社以来いつかはやりたかったユーザーコミュニケーションやコミュニティの活動にも本格的に着手できた頃。前職Yelpでの経験も踏まえ、コミュニティ×PRを最大化する方法論にたどり着いた感がありました。

またAll for Oneを発揮してくれたチームメンバーをMVPに推薦し、受賞できたことも、人の成長を間近で感じられるマネージャーの面白さを理解できた瞬間として記憶に残っています。

4月からはコーポレートPR+採用ブランディングをあわせたチームへと異動。2チームあわせて7人見ることになり、一気に時間がなくなる中で、どうチームを引っ張りながらメンバー1人1人までサポートすればいいのか、マネジメント的には悩みに陥っていた時期。一方で、ESG施策の一環でメルカリエコパックの発表、鹿島アントラーズの経営権取得、通期決算や株主総会など、いわゆる上場企業のコーポレートPR的な経験も増えました。

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↑鹿島アントラーズ経営権取得発表の記者会見、司会から見えた景色。当日発表にも関わらず、ものすごい量のメディアにお越しいただきました。

10月からはコーポレートPR機能のみにチームを再編成し、基本に立ち返ってメディアリレーションや決算などの対応をしつつ、翌年のカンファレンスの企画を開始。

2020
2/20に開催した「Mercari Conference 2020」がハイライト。準備の全ては下記のメルカンにまとめましたが、とにかく全力投球した日々。これからのメルカリが目指す姿を、発表させていただきました。

PRチームでは年始からカンファレンス準備に加えて、提携案件などの大型ニュースが続き、カンファレンス終了直後からは全社的にWFHという新たなワークスタイルに移行。この中でPRとしてはどう動くか、そして今後半年ほどのプランニングのサポートをしていた2〜3月でした。

感じたこと

前半2年はメンバーとして、後半2年はマネージャーとして、良いときも悪いときも、数え切れないほどの案件や場面に携わらせていただきました。4年強の間に会社の規模もPRチームの人数も10倍以上になり、社会的注目度も急激に上がりましたが、中にいた身としては「次々に目の前に現れる荒波をなんとか乗り越えて、気づいたらここにいた」という感覚です。結局は日々の細かいこと、泥臭い1つ1つをどこまでやりきるか、という積み重ねが大きな成果に繋がっているのだと知りました。

進太郎さんとの面接のとき、「メルカリは超インターネット的だと思います」という話をしたのを覚えています。個人が自由にモノの売買をして、そこで独自の文化が生まれ、新たな機会が増えていくことは心から素晴らしいと思えたし、そんなプロダクトのPRとして、世の中に価値を広め、たくさんのお客さまのストーリーを聞いたり直接お会いしたりできたことは、とても幸せでした。

そして何より、一緒に働いたメルカリの人・カルチャーが大好きでした。Go Bold、All for One、Be a Proのバリューのもと、各分野のプロフェッショナルと一体になって戦う、社会が変わるど真ん中で見えた景色は、何にも代えがたい経験でした。

なぜやめるのか・今後

いろいろな思いがあるのですが、一言でいうと、またゼロから新しい挑戦をしてみたくなった、というのが理由です。
30代になりやれることも増えてきて、きっとあっという間に過ぎてしまうこの時間を何に使っていこうか?と考えたときに、メルカリで得た経験をもとに、もっと色々な可能性に挑戦してみたいという気持ちになりました。

とはいえ、次の仕事については、まだ決めていません。しばらく休みつつ、何がやりたいのか、どうしたら自分の社会への価値を最大化できるのか、模索したいと思っています。
ざっくりですが、こんな方向性ではあります:

・世の中に機会を増やす/今まで機会のなかった人や組織をエンパワーする事業
・今までの自分の経験(PR、コミュニティマネジメント、PM、100人強〜1000人規模の成長、外資などなど...)が掛け合わせで活かせる
・大きなパーセプションチェンジが必要

最近は社外の方と会う機会も少なかったので、この機会に色々な方とお会い...するのも難しい状況ではありますが、仕事の話・PR関連の相談・久々の雑談など、ぜひ気軽にご連絡いただければ嬉しいです。リモートお茶/飲みでもしましょう。
長期で海外に行くとか色々やりたいことはあったのですが、こんな状況下なので、Stay Home前提というパラダイムシフトの上での転職活動(?)を体験できるのも珍しい機会ということで、前向きに受け止めようと思います。

(余談:新卒で入った会社を退職したあとも半年ほど無職生活をしており、セブ島に英語留学したりSFで起業家が集まるシェアハウスに滞在したりと模索していたのですが、色々な方に出会い、Yelpに入社することにも繋がり、結果的にすごく良い経験でした。転職の合間に無職期間を挟む選択も、もっと当たり前な世の中になったらいいな、と思っています)

おわりに

こんなに素晴らしい航海はありませんでした。
改めて、社内も社外も、関わっていただいたすべての皆さんに、心からの感謝をお伝えさせてください。
本当に本当に、ありがとうございました。


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