国立科学博物館 地球館 2

白亜紀の時代を堪能したので、今度はより昔の世界を覗きに行く事にした。
古生代と太古の海のコーナーである。

白亜紀のコーナーよりも、展示物の大きさは控えめだった。しかしとてつもない数の展示物に目眩を覚える。情報量が凄い!
ではこの目立ちたがり屋から攻略だ!

ダンクルオステウスの頭部。
古代水族館で少し触れたが、古生代の真ん中、おさかな帝国ことデボン紀の覇者!
頭部以外は軟骨なので発掘が難しく、詳細は不明。しかし顎の力は言わずもがな。
小型の甲冑魚、サメ類だけが餌ではない。共食いまでしていたそうだ。
サイズも当時最大級。こんなのが海にまだ生きていたら、失神する釣り人とダイバーが多発するだろう😱

日本最大のアンモナイト。
私の手は大きい方だとは思うが、それにしたってこれはやり過ぎだ😅どう見ても岩の塊にしか見えないのだからw
アンモナイト類はよくオウムガイと一緒にされがちだが、実際は違う生き物である。オウムガイの方が古く、アンモナイトは遥か昔にオウムガイから別れた生き物。イメージとしては貝殻を持ったイカやタコに近い。
古生代、中生代と繁栄した彼らもまた、白亜紀の終わりに全系統が絶滅した。

背中が立派なディメトロドン(下)とエダフォサウルス(上)。
どちらが肉食か?草食か?は、彼らの顔を見て貰えれば御理解頂けると思う。
古生代のペルム紀初期は、恐竜ではなく単弓類と呼ばれる生物が繁栄した。彼らはその中でも盤竜類と言われるグループで、トカゲの外見に反して我々哺乳類に近い生物だ。
背中の帆は日光や冷たい風を当てることで、体温調節を行う事ができたとされる。そしてディメトロドンには犬歯が確認できる。
彼らはペルム紀中期に何故か衰退したが、その能力は子孫の獣弓類に受け継がれた。我々ヒトを含む哺乳類は、実はその獣弓類の1グループなのである。

ヘスペロルニス。
白亜紀の頃の飛べない海鳥で、一見ペンギンに近い。しかし可愛いかと聞かれると?が浮かぶし、少なくともペットにはお勧めできないと私なら断言する😅
まず、ヘスペロルニスはペンギンとは関係がない。体長は1.5〜2mもあり、嘴には歯がびっしり。可愛さとは程遠い😱
ペンギンと違って水かきのある後ろ足を使って泳ぐのだが、白亜紀の海は魚もサメも爬虫類も化物だらけ。恐らくアンモナイトのように、主に怪物達の餌だったのだろう。

アーケロン
白亜紀の巨大な海亀だった、という事は多くの人が知っていることだろう。だが現代の海亀よりも遥かに甲羅は薄く、遠泳能力も無く、手足を甲羅に引っ込める事はできなかった。なので見た目に反して防御力は低い。
そんな可哀想なアーケロンを、情け容赦なく餌にしたのが奴だ!
ティロサウルスである😱

海棲爬虫類は主に3グループに分けられる。魚竜類、首長竜類、モササウルス類だ。環境変化で魚竜が白亜紀中盤で絶滅。衰退した首長竜の後に颯爽と登場したモササウルス科は、あっという間に天下を取った。
ティロサウルスはその一員である。
モササウルス科は尾が長く、かつ大きな三日月型の尾鰭を持っている。水中で尾鰭をキックするように高速で接近し、獲物に喰らいつく。その多くは10m超えの巨体に成長する。
イメージが難しい方は是非とも「ジュラシック・ワールド」を観てほしい👍

こういうモササウルス科や首長竜の区別が、ややこしく感じる人も多いと思う。この際ついでに説明しようと思う。
まず首長竜についてだが、そもそもそんな言葉自体が世界には無いのだ!
かつてフタバスズキリュウが発見された際、当時はこういう生き物の呼称が統一されていなかった。話題にしようにも良い単語が無い。だから分かりやすい首長竜、という造語が日本で生まれたのである。

(↑はプリオサウルス類の一種、クロノサウルスのイメージ図。尾ビレはない)
首の長い海棲爬虫類は本来プレシオサウルス類と呼ばれており、トカゲに似たものという意味がある。首の短いタイプはプリオサウルス類と呼ばれる。プレシオサウルスよりもトカゲに似たもの、という意味があるのだ。
だから首長竜なのに首が長い、短いグループが存在する、という事になってしまった😅

尚、プリオサウルス類とモササウルス類を見分けるなら、泳ぎ方と尾を見れば一目瞭然である。前者は4つのヒレを使い、後者は主に尾ビレを使って体をくねらせて泳ぐ。
尤も顔だけなら双方、少なくとも好き嫌いは無さそうだが・・・😱

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